回答者・ロバート・ウィービー
どうも。お父さんのお膝の上から再びメリーです。
前回と少し違うのは、前回は、背中をお父さんのお腹にくっつけていた状態。
今回は、正面からの突撃による、抱っこ、へばりつき状態です。
両腕両足をお父さんの胴体に回し、私はセミ。セミのメリーですもん。
だからミーミー鳴いてもよいのです。
ミィミィ…ぐすん。
__回答者・ロバート・ウィービー
庭で寝かされていたお父さんは、
リビングの騒ぎで目が覚めて起き出したそうです。
中へ入ろうとすると、
お母さんの「あなたぁ~両腕あげてバンザ~イ」と間延びした声がかかり、
素直にバンザイをしたところに、
弟君たちを振り切って泣きながら逃げようとした私が飛びついて、しがみついて、この状況です。
普通に抱きつけ?いやいや。
メリーが小さい頃、まだお父さんも両手を広げ、屈んで「さぁこい!」
と抱擁の待機ポーズをしてたのですよ?
人の胸へ飛び込むという経験値が無かった私です。照れますよね?でも、
「さぁ!お父さんの胸へ飛び込んでおいで!」と期待に満ちた目があれば、そら頑張りますよね?
覚悟を決めて、目をつぶって走って突撃!
した場所がたまたま…父の股間。
身長差による不幸な事故ですよね?
下からの頭突きに苦しむ父。
仕切り直し。両者離れて。位置に戻って。
片膝を地につき、(少々腰をひねり)、両腕を広げる、父!
位置を確認する、娘!
「さぁ、こい!」
「行きます!」
しかし膝をついたところで父は大きい人であることは変わらず、危険回避の為に直前で
咄嗟の跳躍!
跳躍しすぎて、娘の膝が父の顔面に激突。
積み重ねた事故と試行錯誤の結果、現在の「自力で飛びつき、自力でしがみつく」スタイルになったのです。うむ。
お母さんは速度を落とせばよいと知っていたけれど面白いから黙っていたそうです。
危ない時は、ちゃんと後から何が間違っていたか教えてくれました。
『あなた。肩車したまま戸をくぐる時は膝をまげましょうね』(娘・鼻強打により鼻血)
『メリー、おんぶしてもらう時は、肘がお父さんの肩に乗るぐらいの高い位置じゃないとね。首が締まってるわ。
あとあなたもメリーの足を持ってあげなさい』(父、背後から喉仏を掴まれ顔面蒼白)
うんうん。お父さんも私も、努力して親子関係を築いたのですよ。
「メリーはどうしたんだ?」
はっ。そうだった。
弟君たちがっ、メリーの甘い思い出に岩塩をねじ込んで塩辛く味付けするのです。
「違うねお父さん、お姉ちゃんの装飾過剰な妄想を、僕たちが第三者視点で解説しただけだよ」
「どっちの説明もわからん」
お父さんは私を胴体に巻きつけたまま
やれやれとベンチに腰掛け、
顎を私の頭にのせてため息をつくと
まずは弟君達の説明を聞くことにする。と言って、私の背中をポンポンしてくれました。
「じゃあ僕が装飾部分を、ダニエルが解説ね」
「任せてよ兄ちゃん!」
__宿に泊まる時は一番最初に話かけてくれる行商人さん。
「受付だから当然だよね」
__『宿屋のメリーさん』って優しい声で話しかけてくれた。
「イノシシを肩にかついで山から降りて来た時にね。震える声で疑問系の間違いじゃないかな」
__王都でお勧めのお店も、丁寧に教えてくれた。
「発注書を挟みながら、仕入先の説明だよね」
__料理以外で褒めてもらえたのは初めてで嬉しかった。
「家庭菜園とは名ばかりの薬草畑。
普通なら入手できない希少な薬草らしいけど、元は鳥の糞に混ざってた種」
__旅先で見つけたお土産をくれた。
他の行商人さん曰く、「あの村のメリーさんに渡す」と毎回楽しそうに選んでいる。
彼は行商先へ個人的に贈り物を渡すことはない。
「髪飾り等の装飾品ではなく、キノコや魚介類の乾燥食品。または各地毎に集めた乾燥パスタとそのレシピ」
お父さん、お父さん。背中ポンポンの手が止まってますよ?
「うん。メリー、お父さんはな、娘を誑かしたのは、宿屋に泊まる行商人達の中の誰だ!って一生懸命考えてたのだけど…会話が…業務内容すぎてな」
業務以外のプライベートな会話もしたことがあります!
「お天気の話題はプライベートに含まないよお姉ちゃん!」
…ミーンミンミン。
「誑かすどころか適切な距離感すぎるだろう。いやしかし。うーん。
カルロとダニエルは相手の顔を知っているのか?顔が良いとか、こう、笑顔が女たらしで、挨拶がてらに口説くとか。
頼むカルロ、ひねり出せ。お父さんは娘親として相手を悪者にしたいんだ」
「息子を持つ親の配慮はどこ行った」
「その辺に捨てたんだよきっと」