プロローグ
親戚に、旅行が大好きなおじさんがいた。
おじさんは、僕が鉄道好きってわかった途端、よく電車に乗って遠くへ一緒にお出かけするようになった。
あるときは、JRのスタンプラリーで首都圏の各駅を巡り、ある時はモノレールに乗って飛行機を見に行き、またある時は、一日中駅で電車を眺めてる日があった。
そんなおじさんがよく、僕に言っていたことがある。
「好きなものは自分が満足するまでやれ。そっちの方が絶対に楽しいぞ」
おじさんは、旅行が大好きだったのだろう。
彼は、時間さえあれば、僕を連れ出し、共に旅行に出かけていた。
そんなおじさんももういない。
数年前のとある桜がきれいな晴れの日の午後に、病気で死んじゃった。
元々血液系の臓器が強くないおじさんは、一人、旅行中の電車の中で突然心筋梗塞を起こして、そのまま行っちゃったんだ。
全く、最後まで馬鹿みたいに旅行が大好きなおじさんだったと思う。
不謹慎なことかもしれないが、親戚一同、あの人らしいねって、笑いながら涙をこらえてたのを覚えてる。
それくらい、みんなから愛されていた僕のおじさんを、僕は旅の師匠と呼ぶことにした。
「好きなことは満足するまでやれ」
本当にその通りだと思う。
だから僕は、自分の今いる環境を十分活用して、大学進学前に旅行系Youtuber「銀次」を始めたのだ。




