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ヤンキー女子高生といじめられっ子の俺が心中。そして生まれ変わる?  作者: 麗玲
第4章 ヤンキー女子高生の下僕は先輩の卒業旅行に着いて行きました
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女子部屋に襲撃しようとしたら男子部屋がテロに逢った件

「ううっ……運転して貰って御免ね。赤銅君」


 負傷した美鈴先生の代わりにバンは亮磨先輩が運転し、亮磨先輩のゼファー400は代わりに麗衣が乗っていた。


「気にすんなよ美鈴ちゃん! 元はと言えば俺がアイツ等の挑発に乗ったのがワリィんだし……」


 亮磨先輩は結果的に美鈴先生を怪我させてしまった事を後悔しているのか、申し訳なさそうに言った。


 勝子と姫野先輩が毎回恒例のヤキを膳夫に入れた後、叛逆之守護者ガーディアン・オブ・ザ・リベリオンの解散をSNSで宣言させると俺達は病院へ行った。


「病院なんか行かなくても大丈夫なのに……」


 先生はそう言うが、姫野先輩はそれを許さず病院で検査を受けて貰った。



 ◇



 診察とCTスキャンの結果、幸い美鈴先生に大事は無かった。


 鎮痛剤と貼り薬を貰うと予約した旅館に戻り、美鈴先生以外は無傷だったので、もう一度温泉で汗を流すと俺と亮磨先輩、吾妻君は男子組の部屋に戻った。


 澪と香織は俺達の部屋で泊まりたかったらしいが、流石に美鈴先生がそれを許可しなかったのだ。


「なぁ、女子の部屋に襲撃掛けようぜ」


 亮磨先輩はそんな命知らずの発言をした。


「いや……まだ死にたくないので俺は止めときます」


「ボクも武先輩と一緒に寝たいから遠慮しますね♪」


 吾妻君は起きたままそんな寝言を言いながら俺の腕に引っ付いてきた。


「……小碓。お前、美夜受との仲が進まないって思っていたら何時の間にか男に走っていたのか……」


 亮磨先輩はドン引きした表情をしていた。


「そんな訳無いでしょ!」


「だって、お前等一緒に居る時は何時も腕組んでるか香月が頬摺りしているじゃねーか? 小碓も全然嫌そうにしてないし」


 スリスリスリスリしながら引っ付く吾妻君に慣れきってしまい、何時の間にか俺は拒否しなくなっていたが、猫みたいなものだと思って放置していた訳で断じて俺はホ〇ではない!


 ……待てよ。麗衣は俺の事をペットみたいなものと言っていた。


 という事は俺が吾妻君を見る目と同じ様な目で俺の事を見ているのか?


 つまり、恋愛感情は一切なく、可愛い猫か犬ぐらいに思われているという事か?


「はぁ……」


「大丈夫ですよ。ボクは偏見になんか負けませんから!」


 俺が溜息を吐いた真意も分からず、吾妻君は俺に天使のような微笑みを見せた。


「お前らは二人でイチャついていろ。俺は一人でも行くぞ。もしかしたら都合よく着替え中なんてシチュエーションも有り得るからな」


 この人見かけによらずラブコメ脳なのか?


「いや、流石に鍵かかっているでしょ……それに万が一着替えなんか覗いたら冗談抜きにヤキ入れられますよ……」


 そんな話をしていると、不意に勢いよく部屋のドアが開かれ剛速球で投じられた枕が俺の視界を塞いだ。


「カチコミだ! テメーラ全員参ったしてソチン晒しやがれ!」


 枕を手にして悪戯小僧の様な表情を浮かべた麗衣が部屋に入ってくると勝子、恵、澪と香織まで枕を持って雪崩れ込んできた。


「ハッ! 上等だ! 返り討ちにしてやるよ! お前等じゃ物足りねーけど全員浴衣ひん剥いてやるよ!」


 亮磨先輩は畳に置かれている枕を持って構えた。


「ヤレルもんならやってみやがれ! この顔面猥褻物陳列罪のエロダコがあっ!」


 そして唐突に壮絶な枕投げが始まった。


 さっき暴走族と喧嘩したばかりなのに何でこの人達元気なの?


 俺は部屋から逃げ出そうとすると、目の錯覚か? 餓えた野獣の様に瞳を紅く照らした澪が涎を垂らしながら俺の前に立ちはだかった。


「はぁはぁ……最近小碓クン成分がぜんっぜん足りてねーのに! 小碓君の水着姿を見せられてもお尻も乳首も触らせて貰えない生殺し状態だった! もう我慢できねーええええええっ!」


「ひいいいっ!」


 麗衣達とつるみだして約半年。

 それなりに修羅場はくぐって来たつもりだが、俺は喧嘩でも格闘技の試合でも感じた事の無い恐怖を感じた。


「亮磨先輩! 助けて下さい! このままじゃ俺! 妹さんに犯されます!」


 亮磨先輩に助けを求め、振り向いたが―


「うぐっ! むぐっ!」


 亮磨先輩は恵と麗衣と勝子の三人に抑えつけられ猿轡を噛まされていた。


 一人でも手に余ると言うのにこの三人がかりじゃ亮磨先輩と言えども瞬殺だったようだ。


 というかどうして猿轡何て持っているんだよ!


「吾妻君助けて!」


 俺は先輩であると言う恥も外聞も捨てて吾妻君に泣きついたが―


「ああっ! 香織ちゃん! そこっ……ソコ駄目ぇっ!」


 香織に背後から腕を回されている吾妻君は情事中の女の子みたいに艶っぽい声を上げていた。


「フフッ……カズ君ってば……本当に可愛い♪」


 うっとりとしながら香織は吾妻君の頬をなぞる様にそっと指を滑らせた。


「はあっ……はあっ……だっ……だめぇ……そこぉ……感じちゃう」


 声だけ聴くとまるで百合の絡みの様だが……。


「ふーっ。ふーっ」


「ああっ! 耳はだめぇ! 感じちゃう!」


 香織が吾妻君の耳に息を吹きかけているだけだった。


 いや、その位で乱れるなんて吾妻君敏感すぎないか?


 とにかく、亮磨先輩も吾妻君もこのエロリスト……じゃなくてテロリスト達にあっと言う間に制圧されてしまった。


「じゅるりっ……生き残りは小碓クンだけっすね……いっただっきまーす!」


 いやーん! えっちいいいいっ!


 肉食獣の檻に閉じ込められた哀れなえさは抵抗する術も無かった……。


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