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放浪系騎士の様なナニカの冒険記的なサムシング  作者: 名状し難い魔王
御注文はティンダロスですか?
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楽しい茶番、今回のオチ。


弾かれたナイフが突き刺さり間抜けな顔をしているミゼールの顔をした暗殺者はすぐさま俺の影に引きずり込まれ中程で影魔法を解除、床に埋まっている。


「あー怖かった!」

「こちらがです。あのままヒミツに切り刻まれていれば死んでいましたよ?」


「ふむ、ジャンヌ、起きてくれ。」

「いきなり寝たふりさせないでくれる?」


床に埋まった襲撃者は呆然としている。しかしすぐに切り替えたようにその身を偏在の能力で別の場所に移そうとして、ミゼールの空間掌握によって捕まった。


「な、なんなんだ!畜生!」


偽装などの権能が破棄され、もがく彼女は見ればとても見覚えのある。いや、ぶっちゃけていうならモードレッドと瓜二つの顔だった。


「や、久しぶりだね、ナイアールラトテップ、燃える三眼、その様子だと今回も元気でやっていたらしいねえ。」


ミゼールが和やかに話しかけるがその目が笑っていない、俺は無言で彼女を一度は滅ぼした魔剣アンサラーを構え、魔法のチャージに入る。


ま、最初から妙な話だったのだ。そもそも尖った時間の管理者である彼ら旧主ティンダロス、そして旧主の飼い犬ティンダロスの猟犬は精神汚染よりも物理的な、鋭角から狙った相手を殺しにいく暗殺者的な側面が大きい、また彼らの住む都市、ティンダロスという概念そのものを呼び出すなど少なくともこの現世に住む一生物にすぎないダンジョンマスターが呼び出すことのできる代物ではない、そして何より、ティンダロスを現世に出してもティンダロスに住む者達は何も得られない、何故なら彼らが住むのは尖った時空であり、この曲がった時空ではその力と姿を十全に発揮できないからだ。


「僕らは一人で全員であり全員で一個の旧主でもある。その為僕の意のままに少なくともそれを理解できないティンダロスの王というのは存在するはずが無い、自分で自分の顔を好き好んで殴る奴なんていないだろう?」


「それは承知でやってるんだ!クソっ!俺が言いたいのは何故俺があの巫女を殺そうと画策したのが未然に防がれたかだ!!」


まあ、そうだろう、這いよる混沌である彼が動けばそこには惨劇が、破壊と混沌が生まれる。それ故誰か邪神が、旧主の類が干渉しているのは最初から確信していたし、概念的な上にどちらかと言えば環境的なティンダロスの魔都は曲がった時空を憎んでいるという伝承こそあれそれ自体が自発的に動くというのは考えにくかった。


「うむ、巫女っていうのは何か知らないが、俺の左目がミゼールとキティ以外の邪神級生命体を複数捉えていたのが一つ。そして明らかに一人だけ異質な魔力を放っていたから、だな。隠蔽力が低すぎる。」


ついでに言えば彼が幾人か分身を潜ませているのも確認済みだ。ま、おそらく既に・・・



「燃えなさい?」


鈴のような声が響く。


「あああっっががっががあああああ!!」


続いて悲痛そうな男の声、目の前の壁が火を吹いた。いやその壁は人型になり、喉を掻き毟るような仕草のまま内側から焼け死んでいる。

心的外傷を受け止め飲み込んだジャンヌ、その属性は総じて大物殺しに向いているものへと大幅に強化された。酸欠で呼吸器から殺すもよし、熱によって焼き殺すもよし、あらゆるものを灰に帰すという神の権能じみた黒炎による直接攻撃もよし、あらゆる意味で生物を殺すことに長けた力を手に入れた彼女は初めて焼き殺した邪神のカケラを感慨もなく蹴り飛ばし灰にした。



聞こえてきた悲鳴は一つではなかった。複数回響き、そして静寂が訪れた。


「・・・で、これで終わりだと嬉しいんだが?」


ヒミツはアンサラーをニャルラトホテップに突きつけ、ミゼールはその権能によって拘束を強める。


「だけどトリックスターたる君がこの程度で終わらないのはよく知っているよ…だから尻尾を出すまで神格を奪われたようなふりをしていたんだから。」


「グッ…ガッ!」


メリメリと何かが変形するように軋むような音が彼女の体からするがそれでも彼女はニヤついていた。


「グッ…フフフ、僕の計画がこの程度で頓挫するとでも?今回は不朽不滅の特性を付与して一生懸命作り上げたホムンクルスの体を持ってきたんだ。この程度で…」


「ああ、そう言えば言っていなかったな。」


ヒミツはアンサラーを下ろし、左手をニャルラトホテップに載せる。


「知っているか、邪神、死ななくても食う事は出来るんだぜえ?」


「な、にを…ああ゛!?」


ビキリと左腕が波打ちニャルラトホテップの頭に侵入していく。体をバタつかせもがこうとするニャルラトホテップだが空間掌握によって固定された体は全く動かずむしろ逆に締め付けが強くなり腕や足が別の方向へ曲がり始めた。


「や゛めろ゛!」


ヒミツは魔力を高めタヌキチの能力を強化する。魔力炉点火、聖剣解放状態のタヌキチは魔力無限の魔法生物、つまり魔法生物として持つあらゆる性能を100パーセント完全に使えるだけでなくそれを操作し強化することすら可能、スライム体の侵食、溶解、吸収を強化したタヌキチの食事が終わるのはさほど時間のかかることではなかった。


「おとなしく外界に入ればいいものを・・・」


ヒミツは自身の邪魔をするものを許さない、それがたとえ神であっても、それが味方であってもだ。



その後外でのゴーレムハントが終わり中へ突入した勇者たちは白スクロリ巨乳と戦闘、山田や神凪、狸川の援護を受けた小夜が玉座ごと円形に焼失させ一時的にとは言え魔力源と管理者を失うことになった迷宮は崩れ、事件は解決した。

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