21~30話のあらすじ
魔法省の襲撃を受け、工房を破壊された機械工学者の健太たちは、反撃の拠点を確保して近代兵器を調達するために、現代の地球へ一時帰還することを決意する。
地球では二手に分かれ、健太は親友・日向が経営するセキュリティ会社の協力を得て、暴徒鎮圧にも使われる音響兵器LRADを調達。ネットカフェで銃火器の設計図から化学薬品の製造法まで、異世界には存在しない膨大な「知識」をダウンロードする。また、医師のエリカは元恋人である病院長・山城を説得し、医療物資を確保しようと試みるが、常識を超えた要求に山城は混乱する。
日没後、健太の社宅のトイレが異世界への「ゲート」へと変貌する様を目の当たりにした山城は、恐怖に慄きながらも、彼らがただの犯罪者ではないことを理解する。一行は調達した全ての物資と共に異世界へ帰還。地球に一人残された山城は、世界の秘密を知ってしまった者として、協力者となるか否かの究極の選択を迫られる。
異世界に戻った一行は、早速森で魔物の群れに遭遇するが、地球から持ち帰ったタクティカルライトとLRADを駆使してこれを撃退。この戦闘をヒントに、化学者のルナは「魔法は超常現象ではなく、この世界の大気中に異常な高濃度で含まれる『アルゴン』をエネルギー源とする物理法則に基づくシステムである」という画期的な仮説を提唱する。実験によって仮説が証明されたことで、一行は「科学の力で魔法を無力化する」という明確な反撃の指針を得た。
計画の第一歩として、自衛のための「シャープス銃」製造を決意するが、異世界の技術レベルでは精密な部品が作れないという壁に直面。銃を作る前に、まず高精度な「工作機械」をゼロから自作するという、より壮大な挑戦が始まる。しかし、武器開発や、健太が最終目標として掲げた新拠点「ミニ科学都市」の建設には莫大な資金が必要だった。
資金難を解決するため、エリカは医師の知識を活かした高品質な「石けん」と「消毒薬」の製造販売を提案。しかし、商人ギルドとの交渉や、庶民には高価すぎる市場での販売は困難を極める。そこで彼女は、街で怪我人を無料で治療して石けんの衛生的価値を実演するという、前代未聞の宣伝活動で活路を見出そうと奮闘する。
その一方、魔法省では大臣セレスティアが腹心に責任を押し付け、謎多き魔導研究院長アポロは独自に健太たちに接触を図るなど、敵側も一枚岩ではない様子が伺える。様々な計画が同時進行する中、深夜、健太が工房に仕掛けた監視システムが魔法省の刺客の侵入を捉える。魔法の常識が一切通用しない、科学兵器による静かな迎撃戦が始まろうとしていた。




