目覚め - 夢・オブ・カオス
「わっ…」
夢の中で私と出会う。
これで…三回目だっけ。
「今日も何があったか教えて♪」
「うん、今日はね…!」
…
「ということがあって、
その闇が迷宮を作っていたのかなって。」
「その冥王って存在…
ちょっとだけかわいそうだね。」
…?
「ムテュスさんが封印しろ!って言ったけど
その人の性格は知らないんでしょ?」
「…知らないけど…勇者と戦ったって。」
思い込み…っていう可能性はあるかも…
「男の子と冥王…どっちを選ぶかって
言われたら私も…間違いなく同じ…
でもね…私は…悲しいの。」
…胸が痛い。
そういう面もあるよね。
私は目の前の状況を見て、一方的に決めつけた。
「後で…調べておくね、冥王が
どんな存在か…!」
「うん!私も気になる。」
”ムテュスだ、なら教えよう”
…夢にも来られるんだった!
そして声が二重に空間に響いた。
「冥王は、どんな存在なんですか?」
”冥王はな…光を冷やす暴威なのだ。
人間の歪んだ執着による魔法の行使で生まれた存在だ。”
「それは…どういう暴威なんですか?」
もう一人の私の言葉と私の心がシンクロする。
不思議な気分…でも安心する。
”奴自身は子悪党のようで
話せないほどではない。
しかし奴に冷やされた光は
光源から離れると不可解な現象を引き起こす。
奴が起きていたら、それも思い通りになる。”
…あの空間は…
”3階での攻撃性、あれを見れば
男児の救出を阻害しお前を殺してでも
封印の完全解除を狙っていたのが分かるはずだ。
闇の中では奴は強くて、わがまま…
奴が動けば動くほど人々は切り離される。”
「でも、やっぱりかわいそうだよ。
力が無くてまともな心を持っていれば…」
普通に生きれていたかもしれないのに。
”混沌の精霊であるお前の様に
なれるという事か?
その通りだろうが、あの迷宮…
結果的に奴はそれを選んではいない。
なら再び封印されるだろう。”
…え、今なんて言ったの?
聞こえてはいけない言葉が聞こえた気がするんだけど…
私と顔を見合わせ、首を傾げた。
でも確かに…
「もう私に攻撃してきた時点で
ムテュスさんは見切りをつけてたんだ…」
”奴は知らないだけ…というのは
別の時空では真になることもあろう。
我とて、それを考慮したうえで
封印を推奨した。霧は晴れたか?”
「それでも私は…救いの手を差し伸べたかった。」
”存在があいまいでもブレぬその信念。
危険に身を削る覚悟。
正に持たぬものが持つ極地。
我が不要な運命を呼ばぬ様、全てが終われば会話をやめよう。”
また、今生の別れかな…
ガクンと喪失感が襲いそうになり
唇を噛み考えないようにした。
”だが、楽しかったと今のうちに言っておこう。
それでこそ肝っ玉ガールよ。”
…肝っ玉ガールぅ?!
「ありがとうございます、ムテュスさん!
…何でまた呼び方戻したんですか!?」
”正に真実を射貫く言葉故…”
私は怒りで目を覚ました。
だけどその時、もう一人の寂しい顔が見えた気がして…
すぐにフラリスさんに相談しようと決めた。




