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レベルアップが命取り?建内 日葵と不思議な服  作者: 和琴
報いを与える者 : The Lost Destiny
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悩まないで動かない - 視界に捉える準備

朝起きた後、部屋を出て階段を下りる。

壁に手を当てながら段差を降りる…それだけで

しあわせが込み上げてきた。


懐かしい香り、降りると見えた通路…私の第二のおうち。


そのまま一階に降りるとガタンと椅子を引いて

食事にかぶりついた。

ペコペコのおなかにパンと牛乳…

普段は存在しないジャーキーまで用意されていた。


「ありがとうございます!」


…美味しかった…!

久しぶりの共同窯で焼き立てのパン…!

今度私もここではどうやってるのか教えてもらおっと!


そういえば…

目を閉じ、フラリスさんに伝えることにした。


「フラリスさん…昨日の事なんだけど。」


「ペンダント?」


「そう、ずっと持ってることにした!」


「…え、逃げたりしなくていいの?」


「うん」

珍しく、返答が遅い。

待ち切れず目を開けると暫くして返答があった。


(人変わった?)


「何となく、もっと明るくしなきゃ…!って…」


(明るく…それはいいね。)


「ペンダントを外さない理由として、

まず一つ…純粋に危険だから。」


(確かにね。説明不要…だね。)


「二つ目は、何もしていないと思わせるため。」


(反応をさせたくない…ってことだね。)


「三つ目に、また会うために。

ペンダント追ってくれて…直接会えるかもしれない。

もし来なくなったらもう私からは何もできなくなる。

…絶対に変な事件が起こる。」


(会わないと…始まらないってことだね。)


「私を誘ってくるってことは、

強引な手段は取らない…。

可能なら視界に捉えて誰なのか見極めたい。」


(…まるで”狩る”側みたいだね。

ちょっと頼もしくなったのかな。)


狩る側…そんな事…


(”思考制御”…

使いすぎると自分らしさを失うから

気を付けてね。)


…考えもつかなかった。

「そうだったかな、ごめんね。」


(大丈夫…日葵ちゃんが平気なら…)


「最近凄い経験をしすぎて…

もしかしたら感情が薄くなってるかも…。」


(日葵ちゃんは辛くないの?)


「大丈夫だよ、私…それ以上考えてないから!」


理由を並べ立てるやり方も

明さんの受け売り…

ただズルくなっただけだよ。


(日葵ちゃん…その謎の男…こうするのはどう?)


フラリスさん…?


それは、とんでもない策

危険な策にも思えた。

でも一周回って私っぽくも思えたのが不思議だった。



私はギルドに復帰し、受付を行っていた。

「いつもお疲れ様です!」


「いやー体調悪いって聞いてたから心配してたよ。

やっぱりハキハキしてて凄いね!」


「ええ、おかげさまで…低級ダンジョンで突然現れた

ドラゴンの熱にやられちゃって。

無理は良くないって思いました。」


「ああ、それ聞いたよ。包帯姿で入院してたってな、1か月前に?

いやクラウン広場で向日葵が死んだって文字見てひやりとしたけど

いや日葵ちゃんとは違う、あり得ん!なって思ってさ。

ホント良かったよ!」


「へへ…あの!ダンジョンの下見もありますよ?」


「はは…まだ冒険服買えてないから、普通の仕事を貰うよ。」

去っていく冒険者を見て息を整える。

…楽しい。

当たり前が、こんなに楽しい。


「次の方、どうぞ~」


その男が端で見ていることに日葵は気が付かない。

一生懸命仕事しているからだ。

「…」


食い入るように、男はその少女を見る。



ふう、午前の業務は…ひと段落かな。


何か見られている気がして落ち着かなかったが

じっくりと探すのを日葵はやめておいた。


「…」

男はそれを、黙って眺めていた。

腕の宝珠に祈りを貯めながら。


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