↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/2

第二話 ツンデレ美少女は俺と帰りたいらしい

俺は担任の紹介を軽く聞き流しながら隣を見る。

白川の横顔が目に入る。かわいい。


(俺、さっきから白川のことしか考えてない気が……)


無意識に白川のことを見てしまう。

別に好きとかでもないのに。

ただ一緒に帰るだけだ。そう、クラスの女子と一緒に帰るだ……け。


「じゃ、連絡終わりです。皆さん、明日は始業式なので、遅れないように来てください。解散」


担任の声でクラスに喧騒が戻る。

俺は白川が教室を出たのを確認すると、少し後から追いかける。


自然と足が早まる。ツンデレ美少女と帰る、ラブコメなら定番。

落ち着け、俺。昨日読んだ新巻を思い出せ。


俺は靴箱に着くと白川に声をかける。


「し、白川……来たぞ」

「やっと来たのね。陰キャのくせに私を待たせるなんて。ありえないから。」


ツンデレ定番のセリフだ。俺は周りを確認する。

誰もいない。これなら明日学校で問い詰められたりはしないはず。


「早く帰るわよ」

「お、おう……」


靴を出しながら横目で白川の顔を見る。ほんのり赤い気がする。


俺たちは静かに歩き出す。……気まずい。

話さないといけないわけではないが、気まずいものは気まずい。

でも、何を話せばいいのかわからない。ラブコメならどうだ?


『白川さんってどういう子が好きなの?』これはさすがにヤバいか……

『白川さんって何が好きなの?』これでもいい気がするけど……


「ちょ、ちょっと。何か話しなさいよ。気まずいじゃない」

「ご、ごめん……」


白川も気まずいし……なにか喋れ俺……


「し、白川って勉強得意なのか……?」

「私?うーん……得意って程でもないけど」

「そ、そっか……」


気まずいまま駅に着く。俺たちは駅のホームに向かう。


「さっきの話の続きだけど、あんたはどうなのよ」

「俺か?得意だとは思ってないけど……国語とかはできるぞ」

「そうなのね。じゃ、私に教えて……や、やっぱ今のはなしで!」


こいつ、しれっとデレた気がする。ラブコメオタクの俺にかかればツンデレなど余裕なのだ。


電車が来る。入学式で早く終わったというのもあり、電車内は空いていた。

俺たちは空席に座る。


(うん?白川なんで座らないんだ?)


「白川は座らないのか?」

「べ、別に座らなくてもいいわ。アンタみたいな陰キャの隣に座ったら私の印象が悪くなるでしょ?」


さすがにひどくないか……?ま、ツンデレだしそういうものだろう。

女子の前でスマホを触るのはどうかと思い、白川の顔を見る。目が合う。


「な、なにこっち見てんのよ……!」

「い、いや……スマホ見るのもどうかと思ってさ」

「こ、こっち見なくてもいいじゃない……!」


電車は俺たちの最寄り駅につく。俺は降りたホームから見たくなかった存在を見る。

駅前のカフェ。最近できたところに、俺たちと同じ制服を着た人たちが見える。顔も見覚えがある。


(同級生なのか?どっちみちばれたらヤバそう)


「ちょ、ちょっとアンタ……あそこにいるの、隣のクラスのやつらじゃ……」


白川は俺の後ろに隠れる。無意識なのだろうが、俺のシャツを掴んでいる。


「どうしようか……俺ロータリーを右回りに歩くから、白川は左から来てくれるか?」


我ながら名案だ。お互いのことが見えるし、あいつらには一緒に帰ってるとは思われないだろう。


「わ、わかったわ」


俺たちは改札を出る。俺は同級生のいる右回りに、白川は左回りに分かれて歩き出す。

そこまで大きなロータリーでもないので、お互いのことをちらちら見ながら歩く。


(なんでこいつら駅前にいるんだよ……)


そんなことを思いながら白川のほうに向かう。

なんとかバレなかったようだ。


「あ、危なかった……」

「あ、アンタにしてはいい案だったわね」


そういえばさっき駅のホームで俺の服掴んできたよな?ちょっと聞いてみるか。


「白川さ、駅にいるとき俺の服掴んできたよな」

「え!?そ、そんなわけないじゃない!」


俺たちはそんなことを歩き出す。そう、後ろからくる視線に気づかずに。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。