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同じクラスのお嬢様が、冴えない僕に構ってくるんだけどどうしたらいい?  作者: Atelier Lotus文庫


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エピローグ 受け継がれる想い

 春。


 桜の花びらが風に舞う。


 聖フェリス学園高等学校。


 校門には、新しい制服へ身を包んだ新入生たちが、期待と不安を胸に集まっていた。


 入学式。


 あの日と同じ景色。


 けれど、一つだけ違うことがある。


 正義、栞、凪は三年生になっていた。


 三人は校門前で、エンジェル部の部員募集チラシを配っている。


「エンジェル部です!」


「地域貢献活動やボランティア活動を行っています!」


 栞は笑顔で新入生へチラシを手渡す。


 凪も負けじと元気いっぱいに声を張る。


「見学だけでも大歓迎やで!」


「気軽に来てな!」


 一方。


 正義はというと。


「……エンジェル部です」


 無表情のままチラシを差し出していた。


 栞は思わず苦笑する。


「正義くん」


「顔が怖いですよ」


 正義は首を傾げた。


「そうか?」


「そうです」


 今度は凪へ視線を向ける。


「凪さんもです」


「新入生の腕を引っ張ったら駄目です」


「えー!」


「だって来てほしいやん!」


「気持ちは分かりますけど、強引なのは駄目です」


 三人は顔を見合わせる。


 そして、思わず笑い合った。


 その時だった。


 一人の新入生が、おずおずと足を止める。


「あの……」


 三人は一斉に振り返った。


「エンジェル部って」


「見学に行ってもいいですか?」


 正義は優しく微笑む。


「ああ」


「もちろん」


 栞も嬉しそうに頷いた。


「お待ちしています」


 新入生はほっとしたように笑顔を浮かべる。


「ありがとうございます!」


 元気よく頭を下げ、校舎へ駆けていった。


 三人はその後ろ姿を静かに見送る。


 春風が吹く。


 桜の花びらが、青空へ舞い上がった。


 誰かに救われた人は。


 今度は、誰かを救う人になる。


 誰かに居場所をもらった人は。


 今度は、誰かの居場所をつくる人になる。


 その想いは、これからも受け継がれていく。


 誰かのために。


 地域のために。


 そして、大切な仲間のために。


 エンジェル部は今日も変わらない。


 笑顔と優しさを胸に。


 新しい仲間を迎えながら、その歩みを続けていく。


                      

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