36 続きからはじめる(1568年2月10日 織田家・三好家)【垂井の戦い-激突】
『1568年2月10日 織田家――』
織田軍垂井本陣――
昨日の緒戦、三好勢が8千の兵で攻めてきたが、柴田勝家と前田利家は5千の兵で耐え凌いだ。
とはいっても、峠の間口は狭く守りやすい地形であった為、そこまで苦戦はしなかったようだ。
三好勢は後詰で1万近い兵を詰めていたが、当然何もせず退いたそうだ。
昨晩に第二陣、そして今日私が率いる本隊が垂井の本陣に到着していた。
「勝家、利家。ようやった!」
「「ははっ」」
2人とも嬉しそうな顔をして頭を下げる。
Good Jobには精一杯誉める。これ基本。
「して、状況は?」
「はっ」
勝家が頭を上げたのち、表情を引き締めて説明してくれた。
「三好家の先陣は岩成友通。
大将は三好政勝、関ヶ原に本陣を構えております」
やっぱり三好三人衆か……。
「三好長逸は?」
「この戦には来ておらぬ模様。恐らく京を守っておるかと」
ふむ。空をふと見上げると
『三好軍:21,098 対 織田軍:19,471』
プカプカ浮いている。
ちなみに織田軍の数には後詰の3千は入っていない。
この時点でかなり優位ではある。
「して、これからの策は?」
「それについては某から申し上げまする」
竹中半兵衛が言う。
半兵衛は後詰ながら、この軍議の為にわざわざ早駆けで参じていた。
「何もせずともよろしいかと」
「ふむ……」
「向こうは攻めでこちらは守りでございます。
しかも冬。
ここらあたりは積雪も少なからずあり、地の利もこちらにございます」
そうなのだ。
このタイミングでの侵攻はとても良いとは思えないのだ。
「やはり……か」
「はっ」
「わかった。この戦、こちらからは仕掛けずに専守防衛に徹する。
但し、相手が総攻めに来た時だが、皆はこのように動いてくれ……」
そう言って、皆を近くに寄らせて、声を潜めて策を伝えた。
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一方、その頃――三好本陣
「何をやっておるのか!!」
政勝(孝明)は激高していた。
緒戦はどう見ても、負けだ。
先陣が仕掛けたまでは良かった。
だが、あまりにも平地が狭く、数の利を生かせなかった。
これはまずい、と思いすぐに退かせようとしたが自分の兵とぶつかり退くに退けず。
約3百ほど兵が減った。
「落ち着かれよ、政勝殿」
岩成友通が淡々と言う。
「落ち着いていられるか!援軍はどうなっている!!」
政勝は、当主・三好義継へ5千以上の援軍派兵を請う伝令を出していた。
「未だ音沙汰ありませぬ」
友通がまたもや淡々と言う。
「ぐぬぬ……」
政勝は怒り心頭である。
そこへ、
「……此度は兵を退くべきかと」
友通が言う。
「なんだと?」
「冷静に考えられよ。相手の織田軍はほぼ同数。
なおかつ積雪があるうえ、ここは敵地でござる。
奇襲以外は攻め手に利は無い」
友通が続ける。
「此度の遠征、六角を下し南近江を獲っただけでも大勝利でござる」
確かにそうだ。
だが――
政勝が腰の刀の鯉口を切り、抜いた。
周りがざわめく。
友通は床几に座ったまま、目線だけ政勝へやり睨みつけている。
「おのれは腑抜けか」
政勝は怒りのあまり震えている。
「……落ち着かれよ」
ここでも友通が淡々と言う。
「総大将は政勝殿、決めるのは貴殿だ」
そう言ったのち、友通は床几から立ち上がり続ける。
「そなたが決められよ」
そう言うと、本陣から出て行った。
―くそっ。
政勝は刀を鞘へ納めると、床几に腰を下ろし深く息を吐いた。
どうする?
悔しいが友通の言う通り、ここで引いても三好家としては勝ちだ。
しかし、この先は暗い。
たぶん遠からず信長が京へ来る。
となると――
「全軍に伝えよ」
伝令が側に来てひざまずいた。
「明朝、全軍で一斉攻撃を仕掛ける」
伝令はすぐに駆けて行った。
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翌朝、1568年2月11日――三好本陣
「よいか!これより一気に仕掛け、大垣城まで抜くぞ!」
「「「おおーっ!!」」」
政勝はそう言うと、軍配を振り下ろした。
先陣は緒戦と同じく岩成友通。
その面構えは死相かと思わせるほど鬼気迫るものがあった。
先陣8千が突撃する。
友通が騎馬のみ突出しないよう差配している。
足並みの揃いは見事だ。
そして――
激突。
どうなる……?
固唾を飲んで見守る政勝。
織田軍は狭い場所ながら横一列に布陣し守っていたが、その中央部分に友通が車懸かりのように重点的に攻めた。
槍を押し合う。
せめぎあい。
一進一退の攻防。
そして、三好軍が突破した。
―やりおった!!
「我らも行くぞ!!」
政勝が本軍約13,000へ対し、軍配を振り下ろした。
まさに津波のようである。
織田の守備陣中央はほぼ壊滅。
その左右もまたジリジリと下がっていった。
本軍戦闘が接敵。
狭まった平地を抜けて、雪崩のように向こう側の広い平野に広がっていく。
織田軍はその先に鶴翼の陣を敷いて受け止めている。
しかし三好軍の勢いに押され、かろうじて踏ん張っているように見える。
「押し切れ!蹴散らせ!!」
友通も叫ぶ。
織田軍は鶴翼陣形は維持しているものの、退き始めた。
<1568年2月11日時点>
―歴史乖離率:9.8%
―安定化モジュール:通常出力
―現実世界アンカー不安定率:不明(無効化処理済)
―管理者権限保有者:氷室真紀
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