34 続きからはじめる(1568年2月7日 織田家)【徳姫からの手紙】
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『1568年2月7日 織田家――』
1568年の春の上洛を目指して、それまでは内政委任して富国強兵。
ちなみに史実では足利義昭公の上洛は1568年10月頃。
目指す1568年の春の上洛は史実よりもかなり前倒しなのだ。
そして今回、約5ヵ月スキップした結果、各人のパラメータが変動していた。
どうやら今まで観察してきた武将は、パラメータ変動時にメッセージで教えてくれるらしい。
かなり便利。
私も信広(誠人)も若干上がった。
※それぞれ書くとかなりゴチャゴチャで大変なので、後書きご参照願います。
ただ気になるのは、竹中半兵衛重治。
―武力35 → 34
唯一のダウン。
やはり病弱なのかな……。
その時。
「申し上げます」
小姓が襖の向こう側から声を掛けてきた。
「うん?」
「五徳様より書状が届いております」
んあ!?
五徳????
徳川信康に嫁いだあの徳姫から?
「わかった」
そう言うと、小姓は襖を開けて書状という名の手紙を寄越してきた。
「信広を呼んでくれ」
「ははっ」
小姓が駆けていく。
何だろう……控えめに言って、怖い。
信広が来るまで待とう。
そして数分後。
「殿。失礼いたします」
信広が来た。
「人払いしました」
部屋に入るなりそう言って正面に座った。
「徳姫から手紙来たって?」
「そう。ちょっと怖い……」
「開けた?」
「まだ」
そう言って目の前に置いてある手紙を指差した。
信広は手紙をじっと見つめた。
「……開けるよ?」
「うん」
私は頷いたが、胸の奥が妙にざわついていた。
信広はゆっくりと封を切る。
そして中の紙を広げた。
沈黙。
信広の眉がぴくりと動く。
「……何て書いてあるの?」
私は思わず身を乗り出した。
信広は一度息を吐き、紙をこちらへ向けた。
そこに書かれていたのは――
『姫様へ』
……え?
「姫様?」
私は思わず声に出してしまった。
信広も同じ顔をしている。
さらに続きがあった。
『あなた様が思っている通り、この世界はただの遊戯ではございませぬ』
心臓が一瞬止まりそうになった。
私はゆっくり続きを読んだ。
『ですが、ここで書けることは多くありませぬ』
『もし本当に知りたいのであれば、上洛ののち京にてお会い致しましょう』
『その時まで、どうかご無事で』
そして最後に小さく書かれていた。
『徳』
部屋の中が静まり返る。
信広が口を開いた。
「……徳姫だよな」
「うん」
私はゆっくり頷いた。
間違いない。
だが問題はそこではない。
「この世界はただの遊戯ではないって……」
信広が腕を組む。
「レストランの店員」
「うん」
「あれも徳姫」
「うん」
二人の視線が合う。
信広が呟く。
「……プレイヤー?」
だがすぐ私は首を振った。
「違う気がする」
「え?」
信広が眉をひそめる。
私は言った。
「プレイヤーなら、こんな書き方しないと思う」
「確かに。しかも京で会おうって……」
信広は少し考えた。
「つまり」
大きく一呼吸して
「上洛イベントを進めろってことだよな」
私は頷いた。
その瞬間――
視界の隅に表示が出た。
赤い文字。
―イベント更新
―隠しフラグ検知
そして次の表示。
―徳姫イベント
―京都にて解放
私は思わず笑ってしまった。
「やっぱり」
「うん」
信広も笑った。
「姉ちゃん」
「なに?」
「やっぱりこのゲーム」
少し間を置いて言った。
「普通のゲームじゃないよな」
私は静かに頷いた。
「うん」
そして言った。
「だから面白いんだよ」
その時。
また表示が出た。
―警告
赤い文字。
―歴史乖離率
―7.3%
「え?」
私は思わず声を上げた。
「また上がった?」
信広も驚く。
「何もしてないよな?」
続けて表示が出た。
そこに表示されていたのは――
―歴史収束力
―観測対象増加
「……増加?」
私は呟いた。
信広の顔が強張る。
「姉ちゃん」
「うん」
「これ」
信広は低い声で言った。
「プレイヤー増えてない?」
背筋がぞくっとした。
その瞬間――襖の外から声が響いた。
「申し上げます!!」
小姓の慌てた声。
私はすぐに応じた。
「何事か」
「国境にて軍勢確認!!」
「どこの?」
一瞬の沈黙。
そして。
「近江国境にて。三好の旗印にございます!!」
私は思わず信広を見た。
信広も同じ顔をしている。
史実では――三好は信長上洛の前に逃げる。
だが今はまだ1568年2月。
しかも美濃に来ている。
ありえない。
するとまた表示が出た。
―歴史乖離率
―9.8%
部屋の空気が一瞬で変わった。
信広が低く言った。
「これは……来たね」
私は静かに立ち上がった。
「うん。間違いない」
胸の奥が熱くなる。そして小さく笑った。
「対人戦だ」
岐阜城の外では、もう次の戦いが始まろうとしていた――
<1568年2月7日時点>
―歴史乖離率:9.8%
―安定化モジュール:通常出力
―現実世界アンカー不安定率:不明(無効化処理済)
―管理者権限保有者:氷室真紀
織田信長【真紀】(34)…統86 武63 知77 ↑ 政73 ↑ 魅80
織田信広【誠人】(36)…統41 ↑ 武66 知72 ↑ 政69 ↑ 魅76
柴田勝家 (42)…統89 武88 知59 政69 魅82 ↑
丹羽長秀 (33)…統77 ↑ 武71 知80 政75 魅72
木下秀吉 (31)…統69 武58 知80 ↑ 政75 ↑ 魅84
竹中重治 (24)…統81 武34 ↓ 知92 政88 魅82
林秀貞 (55)…統52 武44 知68 政72 魅57
前田利家 (29)…統75 武83 知62 政43 ↑ 魅72 ↑
足利義昭【恭祐】(31)…統91 武49 知93 政71 ↑ 魅79
明智光秀 (40)…統75 武78 ↑ 知81 ↑ 政73 ↑ 魅76
細川藤孝 (34)…統72 武63 ↑ 知86 政84 ↑ 魅79




