第七十四話 人間の楽しいこと
第七十四話 人間の楽しいこと
しかし、ピアノ下手くそな女の子は、おんなじフレーズばかり弾いている。バイエルやんないんだろうか?!
デッドロックに入って、抜け切れないのは不幸だ。
阿保のいっちゃんですら、篠崎ヴァイオリンのメソッド四冊のうち、三冊まではやっていた。楽器下手くそな奴の典型は、先に進まない事だ。改良改善をやらないと先には進めない。
ギターでも同じフレーズばかり弾いている奴は糞下手くそだ。
そういう奴に限って他人に教えたがる。いっちゃんは数学講師のバイトも今はやっていない。他人に教える程の能力がないのに気づいたからだ。気がつくと、謙虚に勉強し始める。教えている暇などないのだ。
ギターの話に戻るが、Fを押さえきれないなら、何故にFメジャーセブンスで代用しないのかが、理解出来なかった。
誰の為に何の為に楽器を練習するのだろう。ええ格好したいだけなら辞めて頂きたい。けれど本来は音楽にしろ学問にしろ、誰でも楽しむためのものなのだ。
全ては個人の自由だ。しかし、楽しむためだけのものだからこそ、ほんの少しで良いから向上心を持ってもらいたいのだ。
江戸時代は庶民に絵や音楽や数学も楽しんでいて、数学の問題とかを神社や寺に算額として奉納したりもしていたらしい。
それは、神への祈りと自らの知性を、ターミナルに公開するという、江戸時代のオープンソースだったはずだ。
話はそれて来たが、死ぬまで人生を楽しんで行くには、人間は、仕事をしながら成長して行く事を面接官に伝えたかったのだ。じじいでも、死ぬまで進化するのだと。
それと技術的な変化に携わって行きたい事を伝えたかった。
アルディーノとラズベリーパイをくっつけるのは、エンジニアからみたら、阿保で無駄だったかも知れないが、ドローンが有線になってる事を考えて欲しい。無線を使わず、戦場では有線が有効だ。
最近290円のアルディーノ互換機が出た。これで、高価なマイコンボードを使わなく済む。
家の高価な家電やセキュリティーシステムなど、家の中で本体からwifi飛ばさなくても、直付けで独立させれば良いのだ。
プログラムもラズベリーパイみたいな、簡易な家庭用シーケンサーの代用品として、プログラムを有線でぶっ込んで独立させれば良いのだ。緊急事態だけ、衛星経由をすれば、家庭用Wi-Fiが要らなくなるのだ。
そんな感じの系を、アメリカの大学院生が二十年前、テレビで、半分馬鹿にされながら発表していたが、家電だって、今は法律違反だが、個人でいじる事が出来る様になるのだ。
なので、日本人だって、
個人の解放と自由はルールを作って、庶民解放は人間の成長、幸せな生活に直結する事を言いたかった。
プログラムを組む事が、メモ書きするくらいのDIYになる事を伝えたかったのだ。
それで、その為に現場のエンジニアの人間は何をするべきかを具体的に言いたかったのだが、具体的にと言われると何をピンポイントでプレゼンすれば良いのか、いっちゃんは焦っていたのだ。
子供が出来た。もう逃げられない。
会社に行って利益を上げる、目先の事ではなく、十年以上先の事を言いたかったのだ。
なので、早苗ちゃんの子供報告は嬉しかったので、どうしても会社には合格したくなったのだ。
「ねえ、眠れないの?!」
「うん、なんだか阿保な崇高な理想?!だけで、現実的には空回りしている」
「そのまんま言えばいいぢゃないの?!あなたは人間なんだから、会社は人間を採用するんでしょ?!」
眠っていない早苗ちゃんは、寝返りを打ちながら、いちゃんに優しく答えた。
続く〜




