表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/29

栗まんじゅう 1話

 ピンポーンと、玄関のチャイムが鳴る音が耳に届き、恵子(けいこ)は立ち上がる。


「はいはーい。いらっしゃい、美咲(みさき)ちゃん、芽衣(めい)ちゃん」


 玄関の扉を開けて、ふたりを招き入れると美咲と芽衣は「お邪魔します」と一言挨拶をしてから中に入った。


 スーパーで買ってきたものを恵子に見せる美咲。


「これで良かった?」

「重かったでしょう? ありがとうねぇ」

「なんのなんの、栗まんじゅうのためなら!」


 にやりと口角を上げる美咲に、くすくすと笑って頼んで買ってきてもらったものを受け取り、ふたりに手洗いうがいを勧める。


 ふたりとも素直に洗面台へ向かい、恵子は中身を確認すると気合いを入れるようにうなずいてから、台所へ足を進めた。


 三人ともエプロンと三角巾を身につけ、まんじゅう作りをする準備は万全だ。


「では、栗まんじゅうを作ります」

「はい」

「はーい!」


 美咲が買ってきた五キロの小麦粉を使い、栗まんじゅうを作る。


 やかんにたっぷりとお湯は用意しているので、まずはこの前の山栗を茹でで中身をくり抜いたものを用意し、丸めることから始めた。


 栗をくり抜くときはスプーンを使うので、粉のような栗もあるので、全部をくっつけるイメージで丸めていく。


 それからまんじゅうの皮作りだ。


 大きめの器に小麦粉と砂糖、お湯を入れて混ぜていく。なんせ五キロもあるので、なかなかの重労働だ。


 お湯を使うのは、皮を柔らかく仕上げるためだ。


 水を使えば皮は硬くなる。お湯を使うと表面がぬらぬらするといって、硬い皮を好む人もいるが、これも好みだろう。


「……なんかすごいね」

「あっはっは。量が量だべ?」

「うん、量もすごい。五キロの小麦粉なんであんなに売れるんだろ、って思っていたけど、こういうことだったのね……」

「美穂ちゃんは作らんの?」

「見たことない」

「今は市販の彼岸まんじゅうもたくさんあるからねぇ」


 彼岸時期になると並ぶ彼岸まんじゅうを思い浮かべながら、恵子はくすくすと笑う。作りたい人が作ればいいのだ、彼岸まんじゅうは。


「今年も無事にあげもすことができそうね」

「あげもす?」


 芽衣が不思議そうに首を傾げる。どうやら知らない方言だったらしい。


「ご先祖さまにお供えするのよ。神さまにお供えするときも使うわ」

「おそなえが、あげもすっていうの?」

「そうよぉ」


 まんじゅうの皮を捏ねながら、芽衣に教えると芽衣は「あげもす」と口の中で繰り返す。


「おまんじゅう、お父さんにもあげもす?」

「あれまぁ」

「芽衣はどうしたい?」

「えっとねぇ……」


ここまで読んでくださってありがとうございます!

少しでも楽しんでいただけたら幸いです♪

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ