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3-10 武器屋

「ストップ!!そんなに近づいたらダメだよ!」

「そうでしたわね。分かってはいるんですがやはり慣れないと難しいですわね」


 宿に帰ってきた俺3人は宿の裏庭を借りて少し訓練をしている。今は俺とセレンが打ち合いをしていてシルフは横で剣の素振りをしている。


 魔道具屋を出た後、セレンが駆け込んだ食堂で昼食を取った俺たちは食事前に約束した通り武器屋に足を運んだ。


「棒?変なものを欲しがるねぇ。残念だけど街の武器屋にそういう珍しい物は並ばないよ。明日の節末祭で他の街から来てる商人を探すんだな」


 やはり武器を買う戦士に必要なのは魔物を倒せる武器なので刃のついてないものは置いてないようだ。俺は店の入り口近くに置いてある樽の雑に差してあるワゴン品のような槍を一本手に取る。


「例えばこういったものの刃の部分を取ってもらうことはできますか?」

「そんなめんどくさいことできるか!それなら刃を付ける前のものを譲ってやるよ。それにしたってなんで棒にこだわるんだ?」

「それはですね」


 武器屋の店員のおっさんに喧嘩に巻き込まれた時など自分の身を守りたいが極力相手を傷つけたくない時に使うようにと説明をする。


「それなら刃を潰した剣でもいいだろう。まぁそれは兄ちゃんたちが決めることだがな。とにかく節末祭で色々見て回ってみな。それでいい感じのものが見つからなかったらまた相談に来な。できるだけ希望を聞いてやるよ」

「ありがとうございます。では明後日以降にまたお邪魔しますね」


 そう言って武器屋を出た。結果としては冷やかしに終わったが店のおっさんは商売人というよりはちゃんと買い手のことを考えてくれたようでぜひまた来たいと思えた。


 俺はおっさんの新設な接客に気を良くしていたが何も進展が無かったセレンは少し不満そうだった。というわけで訓練を提案してセレンには俺の棒を貸して俺は逆に剣を使ってセレンと打ち合っているというわけだ。


「間合いが変わるとこんなに難しくなるものなんですね」

「セレンは剣しか使ってないからね。どんな長さでも2種類目を使えるようになれば得物の長さが変わってもなんとなく使えたりするもんだから」

「せっかくなのでもう少し触ってみますが、武器屋のおじ様がおっしゃっていた通り刃を潰した剣の方がよさそうですわね」

「確かにそうだね。パッと見で切れないとわからない見た目なら舐められることもないし」

「それにしてもこの棒もすごいですわね。これはどこで手に入れたんですの?」

「これはヘルムゲンでお世話になった教会の倉庫に眠ってたんだ。こんな風に使うんじゃなくて元は教会の偉い人とかが祭事の時に使う杖のようなものだったみたいなんだけど」

「ますます不思議ですわね。杖って剣を受けれるほど丈夫に作る意味はなさそうですが」

「そうだね。でも意外と教会の人も戦ってたのかもしれないよ。相手を傷つけないってのは教会らしい気もするし」

「それもそうですわね」


 セレンと二人で棒を見つめながらそんな会話をする。実際にリアンクルでは強い獣人のカーティラさんやノイルの剣を受けても折れたりする気配はしなかったしかなりいい素材で作られているのかもしれない。


それじゃあ魔法の訓練もしておこうか」

「そうですわね!シルフー!!魔法の練習しますわよー!」


 棒の使い方を簡単に教えて実戦風に打ち合いもしたがセレンとしてはあまりしっくりこなかったようだ。


 魔法の練習だが習得してからあんまり進歩していなセレンだったが魔法を使うのは練習でも楽しい様だ。少量ではあるが必死になって水を出して、その横で自分の何倍もの水を短時間で出すシルフを見て笑っている。


「やっぱり魔法は難しいですわね。中々上達しませんわ!」

「そんなことないよ!ちょっとずつだけど出せる水の量も増えてるし出す速さも上がってるよ!」

「本当ですの?自分では分かりませんが・・・お世辞じゃなくって?」

「そんなつもりは無かったけど。ギンジさん!セレンの魔法も上達してるよね?」


 嘘をついている訳じゃないけどセレンが納得してなさそうなのでシルフが俺の確認をしてくる。


「そうだな。魔力の流れ自体はよくなっているし魔法を使う時もどんどん良くなっているよ。ただ魔法の発動自体が少し苦手みたいだから、こればっかりは練習するしかないね。もしかしたら水が苦手で他に得意な魔法があるかもしれない。そういうのも探していこう」

「はい!ぜひお願いいたしますわ!」

「それじゃあ訓練はこれくらいにして、食事をしながら明日の節末祭のことを話し合おう。色々買いたいものもある」

「そうですね。でも次に行く街の方がいい物が手に入ると言ってましたよね。それなら変に物をそろえすぎるよりは急がないなら次の街に行ってから考えるよ言うのも良さそうですね」

「そうだな。食材や調味料なんかをそろえられたらいいな。あとはシルフの調合用の器具は魔道具屋のおっさんが譲ってくれそうだから軽く見て回って気に入りそうなものがあれば買ってしまおう。セレンの武器もそうだな」

「気に入りそうなものと言われてもまだ調合をしたこともないですし分かんないですよ!」

「もちろん俺だって分からないけど、器具としての良し悪しじゃなくて見た目が気に入ったとかとか手に持ったらしっくり来るとかさ、そういうのがあれば買ってもいいじゃないかなって」

「大きさなんかは色々ありそうですが見た目なんてどれも同じようなものじゃないんですか?」

「珍しい物が集まるって言ってたじゃないか。そういうのを探すのも祭りの楽しみだよ」


 夕方、宿に戻って来るまでの道もあらゆるところに出店が設営されていたし早いところ今晩から朝まで飲みそうな人もいた。それに単純に街を歩いている人が多かった。


 人混みは問題が起こりやすいから気を付けて回ろう。ひどければ時間をずらしたりしよう。

 とにかくリアンクルみたいに何かに巻き込まれたくないなと思いながら俺は2人と祭りに向けて話を進めるのだった。


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