1-20 マッサージ
本日1-19・1-20の2話投稿しています。
「アッ…うぅ…アアッ!」
俺が用意した普段よりも肌の露出が多い服を着たシルフがベッドの上で声を上げる。
「大丈夫?痛くない?」
シルフは初めてだからできるだけ気を遣う。
「は、はい」
「痛かったりしたら言ってね」
「いえ、ギンジさんにお任せします・・・アッ!」
慣れるまでは痛みや違和感があるのは仕方ないのでシルフには少し我慢してもらう。
もちろんできるだけ優しくするように心がけながら俺はシルフのマッサージを続けた。
20分ほど前
俺の部屋でシルフと二人きりになった俺はシルフに俺の目のことを説明した。
「魔力の流れですか・・・?」
「ああ、体を流れている魔力の流れが見える。信じられないと思うけど」
「いえ、魔法をすぐ使えるようになってた理由が分かって逆に安心しました」
とりあえずは信じてもらえたようだが、本題はここからだ。
「それで、俺が見た感じだとシルフは体の魔力をうまく使えてないように見えるんだ」
「それは自分でも分かる気がします」
「だからまずはそれを改善できたらと思ったんだけd「できるんですか!?」
「多分できると思うんだけど」
「お願いします」
そう言ってシルフは頭を下げる。その真剣な雰囲気に今から行うことを伝えるのに少し尻込みしてしまう。
「魔力を流しながら全身を揉みほぐしていくんだけど、嫌じゃないかな?」
「・・・はい。大丈夫です」
「それをやりやすくするためにこれに着替えてもらってもいいかな?」
そう言ってシルフに用意していた服を渡す。上はノースリーブのシャツみたいな感じで下はホットパンツのように太ももまで露わになるくらい短い。受け取ったシルフは服をじっと眺めたあと「わかりました」と返事をした。
「それじゃあ着替える間俺は部屋の外に出るから着替え終わったら呼んで」
そう言って部屋を出る。扉の前で待っていると「着替えました」と声がしたので部屋に戻ると少し俯いて恥ずかしそうに立っていた。シルフは可愛いし、そんな女の子の露出の多い姿に俺もドキッとしてしまう。そんな心境を悟られないように出来るだけ落ち着いた声でベッドにうつ伏せになるように指示する。
「じゃあ今から体に触れていくけど痛かったり違和感があったら言ってね」
「は、はい。お願いします」
確認を取ってからシルフの足に触れる。俺からも魔力を流しながら魔力の流れを活性化させるようにマッサージしていく。
マッサージが進んでいくと刺激に反応したのかシルフ自身の魔力の流れがスムーズになってくる。足の先からふくらはぎ、太ももと上がっていき少し飛ばして腰、そこから背中に移る。そのまま肩から腕にいき指先までマッサージする。手や足は直接肌に触れるのでスベスベした肌を感じる。それに加えて時々シルフから漏れる艶っぽい声やマッサージの効果で少し汗ばんだ体・・・いかんいかん。平常心だ。
30分ほどでマッサージを終える。体を起こしうつろな目でベッドに座るシルフにコップに水を入れて渡す。水をゆっくりと飲み終えたら目線がしっかりしてきた。空になったコップを受け取り机の上に置くと俺はシルフの隣に腰かける。
「どうだったかな。痛いところとかない?」
「大丈夫です。正直に言うと初めは恥ずかしかったですが・・・流れてくるギンジさんの魔力が暖かくて気持ちよかったです」
「それは良かった。それじゃあ少し試してみようか」
そう言ってシルフの手を取って魔力共有をする。今までよりもスムーズな魔力の流れを感じる。
「全身に魔力が巡っていく感じ、分かるかな?」
「はい、わかります。今までよりも強い?しっかりした感じがします」
「逆に俺の魔力の流れは今までと比べてどう?」
「ギンジさんの魔力も今までよりもはっきりと感じます」
「じゃあそのまま集中しててね」
そう言って俺は反対側の手から水を出してコップに入れる。俺は自分で出した水を飲み干すと
「じゃあ次はシルフがやってみて」
「えっ!?・・・でも・・・」
「大丈夫。ほら」
そう言ってコップをシルフの前に出す。強引な俺に観念したのかシルフは覚悟を決めるように目をぎゅっと一度つむった後、コップに手をかざして魔力を込める。
「う、うそ・・・!?」
シルフの右手からコップに水が注がれる。
「やったね!」
「はい・・・ありがとうございます」
そう言ってシルフは涙を流した。
「ギンジさんのおかげです。ありがとうございます」
「シルフが頑張ったからだよ。おめでとう」
「はい。本当にありがとうございます」
「何度も言わなくても大丈夫だよ。それより水止めて」
「ああ!!すいません!!」
コップから溢れて俺の手と床を濡らした水を見ながら二人で笑った。
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