14 みなと池現在進行 こんなことをやってみました 1997年4月
すずがも通信103 1997年4月号 みなと池 現在進行+再整備工事
池になるはずの場所や池が、新しく、いーっぱい、できています。もう「みなと新池」の「新」はとります。
さて、みなと池では目下豪華版の観察壁(観察小屋のようなものです)が作られている最中です。再整備工事第二期目も仕上げの段階。四ヶ所ある観察壁と電気関係の工事が終われば終了。降雪に悩まされた昨年度の第一期と比べると、大がかりな土工事は晴天にめぐまれたおかげで順調でした。落差10㎝ずつの二系列、各14面の棚田、田の字池を含んだ二面の浅い池、長靴の形をした深い池、そして竹内ヶ原と上池をつないだ広くて浅い池。昨年度造成されたやや深めの二面の池とあわせて、保護区本土部分全体のおよそ半分、既存の池とあわせれば約三分の二が湿地になるわけです。田上さんが、棚田ぜんぶの名前を考えてくださいました。そのうちにご披露いたします。
深い「長靴池」と、棚田のうちのいちばん広い1面には、昨年度に妙典からいただいた昔の蓮田の土が入れてあります。かつての新浜の植物などが少しでも出てきてくれるとうれしいのですけれど。
3月中に工事の検査が終わり、こまかい手直しや手入れをしてから、いよいよ揚水開始です。水量や水質の調整がうまく行くことを願っています。
11月から揚水をとめて天地返しや畔の手入れをやっているみなと池の棚田。20羽ほどのベニスズメの群れがいつも来ていましたが、2月末ごろからあまり目につかなくなりました。3月に入って水を入れはじめたとたんに、カラスがよく入るようになりました。晴天続きであちこちの池が干上がってきたため、水あびなどに利用しているようです。
みなと池に隣接した昨年度造成の池には、浅い部分を作ってあります。アシ原にちょうどよい水深ですが、できればヨシゴイやバン、オオバンなどにとって都合のよいガマ原にしたいのです。そこで、まずユンボーで全体を耕しました。4000平方m弱の面積で、まる3日かかりました。次には、みなと池から入る水の浄化をもう少し進めるという目的で、3段の棚田を作りました。形を作ろうとすると、てきめんに腕前の差が見えてしまいます。私、やっぱり才能がないんだ‥‥‥1日かけて、うずまき状の段を作ったのはよいけれど、これではたして水がたまるんだろうか。まあ、あとは、人力・スコップの仕上げに期待することにしました。
重い土を掘ったり積んだり運んだりする時には、小さいといっても、ユンボーくんの威力はすごいものです。細かい作業ができるかどうかは、ただ、腕ですね。ただし、全面に残るアシの地下茎とりは、ユンボーくんには少々無理。必要なのは、手作業にかける絶対的な時間です。
再整備第二期目も間もなく終わり。保護区の環境改善のハード面については、かなりの前進を見たことになります。これからはソフト面。もっとも大切で、もっとも変更がむずかしい面でしょう。明日を信じてがんばるつもりですけれど。
ユンボーくんに乗っている時には元気がよいけれど、パソコンに向かうととたんにしゅんとしてしまうこのごろ。ハードとソフトかあ、いやはや。




