↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/18

16話 皆を眠らせてあげたらいいんだよね

こんにちこんばんは。

よくよく考えたらスキル発動の描写がどんなのとか書いてなかったことに気がついた仁科紫です。


Q.なんで気が付かなかったのか?

A.ネムが興味なかったから……?


それでは、良き暇つぶしを。

「それじゃあ、進化!」


 効果音はならないが、ポチッと音を鳴らす気分でプチバグの文字を押す。

 途端に光に包まれ、ネムは一瞬意識が遠ざかる。通常はすぐに目を開けるのだが、目を数秒閉じるという動作だけでネムは当然のように眠りにつこうとした。

 その瞬間、頭に懐かしい衝撃が走り、目が覚めた。スキルを使っていないのもあるが、ステータスが下がっているのもあるのだろう。アルの頭突きによる衝撃は本当に久しぶりと言えた。

 相変わらず、アルは眠りを許してくれないようだ。


「なぁに?アル。」

「ミィ!ミィー!!」

「……?あぁ。ステータスを確認しろって、ことかな。」

「ミッ!」


 瞼を擦り、そういえば時間も沢山はないんだったと思い出したネムは、早速ステータス画面を開く。

 擦った手は丸みを帯びており、夢魔との違いを感じる。ただ、爪は当初の指定通りキラキラしているのでまあいいかとネムは納得した。

 因みに羽は何故かあるようだ。パタパタと遊び半分に動かしながら内容を確認した。



 ──────────────────


 Name:寝夢眠兎 

 Base:黒白

 Class:幻獣族 Species:プチバク Lv1

 Belong:夢

 HP 100

 MP 100

 STR 5

 VIT 7

 INT 7

 MND 10

 DEX 5(夢状態:10)

 AGI 3(-3)(飛行時6-4)

 LUK 5


 AP 155


 Skill

 〈暗視〉〈夢渡り Lv2〉〈眠れ Lv2〉

 〈しる Lv1〉〈飛ぶ Lv3〉〈にぶい Lv4〉

 〈突く Lv1〉〈固くなる Lv2〉

 〈くりかえし Lv2〉〈ゆめくい Lv1〉

 〈むそう Lv1〉


 Title

【特定観察対象3級】【羽うさぎの椅子】

【無力】【遅すぎる踏み出し】【眠りの精】


 ──────────────────


 ステータスに関しては、やはり一度リセットされているものの、スキルはそのまま引き継がれているようだ。

 そして、何より新しく〈ゆめくい〉〈ゆめはき〉を覚えている。


 ──────────────────


 〈ゆめくい〉

 しょうさい

 ねむるあいてのゆめをたべる。

 ゆめをたべることはおさないバクにとってえいようとなる。


 〈むそう〉

 しょうさい

 たべたゆめをかてにする。

 つかいかたはそうぞうしだい。


 ──────────────────


 詳細を読むだけでは意味を理解できなかったため、実際に使ってみることにする。

 何処かにいい標的が居ないかと周りを見渡せば声が聞こえた。


「△○○?」

「△○、□▽△◇◎※●◎◇◎□」


 何やら話しているようだが、こちらには気がついていないようだ。今なら不意打ちも出来るだろうと音を立てないように近づき、〈眠れ〉を使う。

 緑色の煙がネムの長い鼻からモクモクと出てきて2人組を襲う。気がついた2人組は咄嗟に何かをしようとしたが、少し触れただけでパタリパタリと倒れた。夢魔の時は緑色の波が目から出る仕様だったが、種族の変化に伴い変わったようだ。

 口を大きく開けていびきをかく2人を見て寝たくなるが、アルからの視線が痛いため諦めて〈ゆめくい〉を使ってみる。

 すると、相手から白色のモヤが出てきて自然と開いたネムの口の中に入っていった。ステータスを見ると1勝分の経験値が増えている。

 こんなに簡単な勝ちの方法が会っていいのかと首を傾げながら相手を覗き込む。相手は気持ちよく寝ている様子でしばらく起きなさそうだ。

 少し考えたネムは〈固くなる〉を使ってから〈夢渡り〉をしてみた。


 空には赤い月が浮かび、現れた扉は一つだけだった。これは2人組がパーティを組んでおり、扉の中に2人とも居ることを指していたが、ネムにとってはどうでもいいこと。

 気にすることなく扉を開く。


 虹色の光が扉から溢れ出し、中華街のような露店が立ち並ぶ場へと吸い込まれる。

 相変わらず不思議な空間だと周りをこそこそと飛び回り、露店の一角にある飲食スペースで1人の男が大量の食事をとっているのを見つけた。少し離れたところにもう1人を見つけ、女性達に囲まれて享楽にふける姿を眺めた。

 先程まで森にいたことなどすっかり忘れていそうな2人にネムは頷いてアルを呼ぶ。


「ミ゛ィッ!!」


 突如として以前よりも大きくなったアルが現れる。

 好感度は相変わらず顔見知りのままだが、魔力片を与え続けた結果が反映されているらしい。

 これをネムはアルなりのデレだと考えている。


 巨大なアルの登場に2人は咄嗟に立ち上がり、逃げようとする。当然、アルはそんな2人を逃すことなく前足で容赦なく潰した。

 2人の夢は消え去り、現れた宝箱を開けると魔力片と短剣が入っていた。魔力片はアルにプレゼントして短剣を〈しる〉で見る。


 ──────────────────

【武具アイテム】

 Name:粗悪品の短剣

 State:粗悪

 Class:アイテム Species:武器

 Belong:無

 STR +20

 説明:粗悪品の短剣。元の良さが分からないほど刃こぼれしている。

 ──────────────────


 短剣の品質はそんなに良くないようだが、とりあえず持ち物に収納しておく。

 人間の落し物は魔力片か武器や防具が多いようだ。稀に薬を落とすこともあるが、滅多にない。

 灯音に聞いた話では、初心者が多いかららしい。初心者は薬を買う金も不足しがちでとにかく武器と防具に使うことになるらしい。だからあまり持っていなくて落としにくいそうだ。世知辛い話だと聞いた時ネムは思った。

 因みに、お金は出ない。何故かは知らないが魔族の集落に行けば分かると灯音には言われた。


 そうして何度か繰り返すうちにスキルについて分かったことがある。

 まず、相手を眠らせた後に発動し、可視化された夢を吸収することで経験値を得ることが出来るのは間違いない。

 ただし、この後に〈夢渡り〉をして相手を倒しても得られる経験値は微々たるものだった。アイテム狙いならまだしも、そうでないなら〈ゆめくい〉をして食い逃げする方が効率は良いとネムは感じた。


 次に、クールタイムはなかった。

 ……そう。何故かクールタイムはなかったのだ。ただし、一度〈ゆめくい〉をした相手からは経験値を得られない。『次の収穫は24時間後に可能です』といった表記が出たのだ。ネムはこの時、人間は作物か何かかと遠い目になった。

 勿論、制限がこれだけのはずはなくHPやMPといった棒線の下にもう1つ紫色の棒線が出来ていた。

 ネムは最近知ったのだが、HPやMPは視界に表示できるらしい。そもそも存在すら知らなかったネムはスキルが何故か使えない時があったと灯音に相談した時にこのゲージの存在を知った。

 尚、なんで知らないのお兄ちゃんという声は聞かなかったことにする。アイに教えて貰っていない時点でネムが知るわけはないのだが、それはさておき。

 紫色の棒線はモヤを集めるとゲージが増えていき、MAXまで集めると〈ゆめくい〉が使えなくなった。

 時間経過でじわじわと減っているようだが、これでは〈ゆめくい〉を思う存分使うことはできないだろう。


「これ、どうするんだろう。」

「ミィ。」

「うん?何?アル。」


 どうにかジェスチャーをするアルの言葉から、もう1つスキルがあったことをネムは思い出した。


「そういえば、これもあったね。」


 〈むそう〉という言葉からは想像が出来ないが、食べた夢を糧にするという言葉からしてこれを使えばゲージは減りそうだ。

 ひとまず〈むそう〉を使ってみると、ゲージは減ったが白い煙だけが出た。


「……?これ、どうするの?」

「ミッ!ミミッ!」


 なんでそうなると地団駄するアルにネムは首を傾げる。

 もう一度説明文を読んで考えた結果、むそうとは夢想のことではないかと思い至った。

 つまり、想像して何かを作るというスキルなのだろう。


「えっと、〈むそう〉……火!」


 ボワッと手から出た火は元々漂っていた白い煙に引火して更に大きくなった。

 この場所は森の中である。火が消えると同時に慌てて木々を確認すると、少し焦げているだけで火は付いていなかった。草は少しばかり燃え広がっていたため、熱いが足で踏みつけて消す。ホッと胸を撫で下ろせばアルに頭突きをされる。


「ミッ!!」

「いてっ……ご、ごめんって。アル。」

「ミィッ!!ミミッ!!」


 暫くアルの怒りは静まらなかったが、ネムは〈むそう〉の使い方をなんとか理解したのだった。

 今後の戦い方をある程度理解したネムは、眩しい太陽に腕をかざしながら微笑みこれからの戦いに思いを馳せる。


「皆を眠らせてあげたらいいんだよね。」


 それはなんとも素敵なことのように思えた。

次回、本当に動けないや


因みに、アルの強化はデレではなく仕様。アルの選択の結果とも言う。

アルとネムのステータス差が大きすぎるために一定数の魔力片をアルに与えることで強化されていく。

つまり、一定数達するまで好感度は顔見知りのままだったり。あげた魔力片は全部ステータス強化に使われてるからね……。アルはそう簡単にはデレないのだ……。


それでは、これ以降も良き暇つぶしをお過ごしください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。