表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
もしも最強のダメ人間が金髪少女になったら  作者: 東山スバル


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

2/3

002 TSF、そして塩パスタ

 スズキは輪廻転生したらしい。10歳頃まで、昔の記憶は蘇らなかったが、11歳の誕生日にスズキは知る。


「こだわりがねェからって、女にするこたァねェだろうに」


 父は白人。母は日本人。この世界での名前は『セラ・スズキ』。生まれ育った場所は、前世では存在しなかった『アンゲルス連邦共和国』。直訳で天使? 御大層な名前だと思う。


 そして、11歳の誕生日とともに、スズキは自分が少女になってしまったことを知る。支障といえば、トイレを我慢しづらくなったことくらい。見た目は、金髪碧眼で三白眼。身長は142センチ、体重は38キロ。ただ両親は離婚しており、元々の苗字は母親の旧称に戻った。母の旧称が『スズキ』なのにも、なにかの因果を覚えてしまう。


 母親は父から養育費も支払われないので、正社員としてバリバリ働いている。スズキはパスタを茹で、それに塩だけぶっかけるという、プロアスリートみたいな食生活を3食摂っている。食べ物なんて、腹に入ればなんでもいっしょだ。


「ふーむ。塩パスタもそろそろ飽きてきたな」


 腹に入って膨れればいっしょ、といっても、さすがに半年くらい塩パスタを食べていると飽きてくる。ただ、スズキの暮らす『アンゲルス連邦共和国』の連邦領土『ピースランド』は、アンゲルス本島より食事のレパートリーが少ない。前世でいうところの『グリーンランド』に相当する地域なので、寒たくて自殺率も高い。唯一の救いは、本島からの資本でコンビニがあることか。


「しゃーない。コンビニでピザでも買ってくるか」


 食事へのこだわりがないに等しいため、ピザしか浮かばない。コンビニのピザなんて大して美味しくないだろうが、マンネリ化した食卓よりは幾分マシだとも感じる。


 スズキはコートを羽織り、オートロック式のマンションから出ていく。戻ってきたら指紋で解錠できるので、まぁ心配することもない。


『現在の温度:氷点下15度』


 温度を示すデジタル掲示板が壊れかけている。ただ実際、マイナス15度くらいなのは間違いない。スズキは暖房の効いた部屋から出た故、身体を小刻みに震わせながら、300メートル先のコンビニを目指す。

 そんな最中、


「スズキさん。私の狙い通り、11歳で記憶を取り戻したようですね」


 ピンク髪が特徴的な、スタイル抜群の女が、いつの間にか目の前に立っていた。


「マーズか。なんの用?」

「意外なことを言いますね」

「意外?」

「貴方、TSFしたんですよ? それに対して文句もつけないのですか?」

「つけたら、男へ戻してくれるのならつけるけど」

「……、」マーズは目を細める。「とことん変人ですね、貴方。昔、TSして天使をボコボコにしたヒトもいるんですよ?」

「相当短気なようで」

「まぁ、今の姿を気に入っているのならそれで良いです。そんなことより、記憶を取り戻した貴方に朗報があります」

「なにが?」

「前世で得た、化け物じみた力を付与することにしたんですよ」

「ふーん」スズキは大して関心がない。

「嬉しくないんですか?」

「まぁ、ないよりはマシだけど、あればあったらで、変なのに狙われそうだからな」

「それを跳ね除けてこそでしょう」

「あぁ、そう」


 スズキは、やや口を尖らせる程度で、それ以上感情を見せることもない。マーズは少し訝っているようだ。そんな中、彼、基彼女は続ける。


「しかし、あの力の所為で散々な目に遭ってきたからな。脳を分割されたときは、さすがに嫌気が差したよ」

「大丈夫ですよ。アンゲルスには、貴方より強い者はいくらでもいますし……」

「いますし?」

「それを乗り越えた貴方なら、きっと脳を分割されることもないでしょう」

「そうかよ。んじゃ、さっさとあの力をよこせ。おれはピザが食いたいんでね」

「マイペースの極みですね……。良いでしょう。頭に触れますよ」


 スズキの頭頂部に、マーズが触れる。すると、

 ほんの少しの目眩とともに、スズキの身体へ爆発的な力が入り込んでくる。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ