回顧録1(side:???)
七年前に関する小話。
世界に満ちるは私の一部。
世界を喰らうは私の一部。
嘗て世界を喰らい尽くし、その力は………に封印された。
永き年月を眠りに費やし。
私はこの世界を眺め続ける。
地を這う者を観察し続け。
その時を待ち続ける。
今、地を這う者に封印が解かれた。
されど今は時ではなく。
されど私は喰らい続ける。
…………………に気付いてもらうために。
この世界を喰らい尽くす前に。
世界を黒く塗りつぶす前に。
………に似た魂を見つけ。
その身体を白く染める。
白き者で門を開き。
絶園より…………………を世界に招く。
赤き瞳で世界を見下ろし。
その力で主の処へ。
それこそが私の。
私の一部を世界に馴染ませる。
そうして私は。
私としてこの世界へ。
私は………に生み出されしモノ。
私の名前は……。
「何書いてんだ?」
「この前の事について。何を思っていたか忘れないように残そうかと。」
「フーン。それよりアイツが呼んでるぜ。」
「わかりました、エイラ様。」
「その名前はよしてくれ、何時の名前だっつーの。」
「私が今でもこの名前のように、貴女は今でもエイラ様なんですよ、クエル様。」
「その感性はわっかんねえわ。まーいい、行くぞ。」
「はい。」
世界に飛び立つ。
地上へと。
門は未だ開かれず。
されど私は主の許に。
私の名前はレプリエイラ。
魔獣を統べる、赤の配下。
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