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転生なう ~守護霊なう in ボーナスステージ~  作者: 宇龍地
第三章 竜の背骨と帝国と魔王
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地質調査

今回からちょっと場面転換が多くなる為、空白行が凄い事になってます

 竜の背骨


 王国と帝国を分ける、南北に1000km東西に300kmの山脈だ

 最高峰は10000mを超え、8000m級の山も2桁を越える


 意外と狭い範囲だと思うかもしれないが、王国・帝国のある大陸はそもそも東西にひょうたんの様な形になっている

 日本地図で表すと四国のような感じだ


 その上で南北に広範囲に山が存在している

 これらの山々は北を北竜山地、南を南魔山地と呼ぶ

 名前の由来は、北には竜族が蔓延り、南には魔法文明や魔人族の遺跡があることからそう言われている


 王国も帝国も、この二つの山地にはその危険性もあって不可侵の姿勢をとり、必要に応じて調査隊を入れるに止まっている


 ちなみに竜の背骨と言う名前の由来はと言うと、創世記と呼ばれる伝承の中で、この大陸を治めていた巨竜がその役目を終えて眠りについた後だと言われているからだ

 竜の背骨を南北に走る山脈に対し、ほぼ直角に交わる山脈が4列・・平行に走っている事もこの山々が竜の骨であると思わせる要因だろう












 「地質調査・・・ですか?」

 「ええ、竜の背骨の麓にある水源の近くの地質を調査したいので、掃除屋を何人か連れて行きたいのですが」


 いや、そんなの掃除屋のギルドに言ってくれよ、なんで俺のところに来るの

 竜の背骨の麓には俺の産まれ故郷もある・・が、調査対象はもっと北

 北竜山地との境目辺りだ


 俺とは一切係わり合いの無い土地の事で、なんで俺に伺いを立てるかね


 「一体なんで俺のところに来る必要が?」

 「実は・・・ウスハ殿に仕事を頼もうと思ったのですが断られまして」

 「で、俺に仲介を頼もうと?」

 「いえ、出来ればアウル殿に探索をお願いしたく」


 「探索」とは文字通りの意味ではない

 魔法的に索敵を行うと言う事だ


 この術自体は俺が開発をして覚えたいと言ってくる相手に道場で教えているのだが・・・薄羽と同じくらい使えるのは俺しか居ない

 この術の内容は、「生命力の大きなもの」「魔力の強いもの」を探るだけで、敵意や害意などは判らない

 真実の瞳を解析する内に編み出されたいくつかある術の一つだ


 「まあ、確かに竜や大型の獣を探知するには良いが・・・ユーステスやアンバーはどうだ?」


 ユーステスもアンバーもフィアリアース出身の異邦人だ

 俺や薄羽程では無いにしても、あいつらもけっこうな範囲で使える


 「お二人とも依頼を受けて何時帰られるかもわからない次第で」

 「ん~・・・あまり王都から出たくないんだがなぁ・・・」


 どうも最近俺に対しての扱いがぞんざいなんだよなぁ・・・

 15の時に三大宗教に種分けを請われて仕方なく子作りする羽目になって、結果生まれた子供がそれほど素質が無かったこともあってか俺の事を疑問視している節がある

 俺は最初から神の使いでもなんでも無いと言ってるんだけどなぁ


 ちなみに「種分け」と言っても良い事なんか何も無い

 俺は特定の誰かに感情移入しないようにと言う向こうの都合で、壁の穴から尻だけ出した相手に種付けと言う「作業」を繰り返させられたのだ


 誰にどんな子供が生まれるかは判らない、だから一定数妊娠するまでひたすら定期的に「作業」をさせられた

 しかも相手が子供が産めない体では困る為、基本的に経産婦が相手なのだ・・・

 なんと言っても半端に体が見える分相手の年齢も大体予想できてしまう・・・中にはだらしなく太った姿がありありと浮かぶご婦人も居た

 考えてみて欲しい、15の少年が見ず知らずのどう考えても良い歳のおばさんに種付けし続けるのだ

 こんなの器具を使って搾取されるよりも酷い話だ


 まあ、その話は置いといて


 そうは言っても一度は神の使いと敬い確かにこの国に魔法的発展を促した要因である為、あまり手の平を返すわけにも行かず三大宗教の何れかに押し付けるわけにも行かない

 危険な任務に同行して死んでくれても問題は無い、むしろいっそどこかに消えて欲しいんだと思う


 だったら開放してくれよ


 「そこを何とかっ!!」


 まあこう言ってくる本人はそう言う悪意は無く、本当に能力を必要としているんだろう

 ただ、そう言った人間から過剰に守られる事が無くなっただけだ


 「しかたないな・・・だが俺は別に掃除屋でもなんでもない、戦闘力などで期待はしないでくれよ?」

 「それはもう!!」


 助かったとばかりに表情を明るくする水神教の調査班長・・・カンドーレと言ったか

 元々俺たち一家の住んでいるアパートメントの大家でもあり、水神教における俺の担当者であるアンドレ・リバーサイドの兄でもある為、あまり無碍にもできないと言う所が本音だ












 王都を出て2週間

 竜の背骨の麓、北竜山地の山との境界まで二日と言った場所に俺たち調査隊は来ている


 何故俺達がこんな所で地質調査をするのかと言うと、この水源を元にする川から流れる水・・・

 これに有害な鉱物が混ざっている為、地質を調査して水源そのものから鉱物が採取できるかの確認と、もし水源そのものに問題が無いのであれば、迂回路を作ると言うことで周辺の地質を調査する事になったのだ

 治水事業ということで、水神境が主導で動いている


 水神教には治水に関する知識と技術があり、それを使って信仰を集めている

 今回の件も、開拓事業で新規に村が出来たと思ったら謎の病にかかって死ぬ人間が多く、調査依頼があったのだと言う


 初めは川を遡って水を汲んでもらって調べていたのだが、どんなに遡っても毒素が出てくる

 最終的にこの山奥から出る源流から毒素が出ていることが判った


 カンドーレ氏の言うには、この毒素は非常に重く土に染み込む性質がある

 もし水源から毒が検出されず、川のどこかの地層が原因で毒が流れていたのだとしてもただ水の流れを変えるだけではすまないだろうという話だ

 なんにしろ調査が先であると言う事で先を急ぐ


 更に一日川を遡ると、そこには小さな、それでいて落差の大きな滝があった

 滝壷には、滝とはまた別に小さな沢が流れ込んでいた


 念の為沢の方を調べると非常に濃度の高い毒素が検出されたので、とりあえずこの沢の方向を変える

 念入りに治水工事をした結果、その日の更なる探索は断念する事になった


 翌日、滝の上を調べる

 滝の上には直径5mほどの池があり、そこから10mほどの沢が滝に向かっていた

 他には水源は無いようだ


 とりあえず池の水と沢の砂を調べる

 特に毒素は見当たらないのでとりあえず池から沢までを堰きとめ、竹筒で迂回路を作り滝を外側からぐるりと回って下の川に流す

 この後滝壷を浚ったり途中の川を浚ったり色々大変だ

 この治水工事の間は迂回水路を使うことになる


 その間俺はここで半分缶詰状態か・・・どうしたもんかね

いつの間にかものすごい数の子持ちになって居たアウル君でした


いくら魂の人生経験が100年越えていた所で身体は15歳、変に擦れてる所為で初恋すらまだの少年には酷過ぎる仕打ちだったでしょう


元々はもっと若いお嬢さん達を教会が宛がう展開を考えていたのですが、「ハーレムとか無理」と言う個人的な理由でこうなってしまいました

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