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転生なう ~守護霊なう in ボーナスステージ~  作者: 宇龍地
第二章 ギルドと魔族と遺跡
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ステータス

 この世界には「ステータスを見る」という概念が無い

 少なくとも俺が実験をした範囲では・・だが












 「これはですね、覗きこんだ物の正体を暴くんですよ」


 そういってマーが取り出したのは大ぶりの虫眼鏡のような物だった


 「『真実の瞳』と呼ばれているんですけどね、太古の魔族が開発した物をオーバーテクノロジーだと言うことで回収したんです」

 「まさかそんな物があるとはなぁ・・・」

 「こうやって覗くとその物の能力などが・・・え?」


 「真実の瞳」を覗き込んだマーが固まった

 一体なにが見えたと


 「え?何これ・・壊れてない?」


 とりあえず見えたものを書き出してもらうとこんな感じになった


 確定名:アウル・ロックマン

 称号:マナの伝道師 管理者の友人 異世界よりの転生者 模倣者 神の使いと思しき物

 能力:不完全な模倣(マッドコピー) 魔術創造


 他にも色々書いてあったが、特筆すべきはこの「能力」だろう


 何だこの「マッドコピー」ってルビは

 「imparfect」でも「inconplete」でもなく「mad」って・・・


 「『管理者の友人』だなんて・・・こんな称号が付くことはまずありえません」

 「え?そこなのか、驚くところって」


 ・・なんかキョトンとされた


 「いいですか、アウルさん。『管理者』と言うのはわたしたちの上司に当たるパイフー様の更に上に居られる方々なんですよ、わたしたちではお目通りにかかることも無いのです」

 「あれ?お前らはともかくパイフー殿も違うのか」

 「ええ・・世界そのものを管理している方ですからね・・・わたしたちはその僕として雑用をしているに過ぎません」


 と・・なると・・・

 まぁ、確かにこっちがどう思ってるかはともかくフィアリアースの管理者やこの平行世界群の管理者とも知り合いの俺だし「知人」くらいはともかく・・「友人」かよ


 「そういえばアウル様は他の世界の管理者様と交流があるんでしたっけ?」


 今は獣人の方のターマは意識が無い(お昼寝タイム)・・・なのでどさくさに紛れて神獣の方が表に出て会話に混じっている

 こうやって獣人の意識がなくなるとすぐに出てくるから困る・・・聞かれて困る話をしている時に意識が戻ったらどうするつもりだ


 「まあ、そう言う過去もあるな・・・それも俺の魂はと言うだけの話だ」

 「なんと・・・」

 「それはともかくこの『不完全な模倣』って何だ?字面はともかくよりに因って『マッド』なんてルビが付いているんだが」


 そう、「マッド」だ「狂った」とか「おかしな」とかそう言う表現をする時に使う言葉(スラング)をわざわざ使う意味とは一体


 「『不完全な模倣』は別段珍しい能力ではありません、文化の変革期に生まれる才能とでも言えば良いでしょうか」

 「アウル様の様に、少しのヒントからちょっと違うものを作ることが出来る才能です。そのありえない再現度から『狂った』と表されているのです」


 ターマが何故「狂った」と言われているかを説明してくれた


 「ちなみにこの獣人という種族も『不完全な模倣』を持った太古の魔族が太古の人類を見て思いつきで進化させた結果なのです、祖先には魔獣と魔族が掛け合わされています」


 なるほど・・・祖先に獣ってなんだと思ってたらそう言うことだったのか


 「で、こんなもの持ち出してどうするんだ?」

 「あ、そうそうそれです。実はアウルさんの『不完全な模倣』でこれを再現してみて欲しいと思いまして」

 「この『真実の瞳』をか?」

 「ええ、何しろ我々も太古の魔族を信用するわけに行きませんし、これから現れる遺跡とやらも調べる時に便利になるでしょうし・・・まあ、出来上がったものの能力にも寄りますが」

 「なるほどなぁ・・・」


 ふむ・・・ちょっとやってみるか

 まずこの道具はレンズ自体に何かがあると言うよりもこの枠が魔法陣を形成して内容をレンズに表示していると見るべきか・・・だとするとこんな感じで・・・


 手元でオペラグラスが出来上がっていた


 「これでとりあえず魔法ラジオを見てみるか・・・」


 確定名:魔法ラジオ

 能力:受話魔術


 当たり障りの無い情報が表示された


 「で、マーを見ると・・・」


 確定名:マー

 称号:生き神 管理者の僕 ターマの部下

 能力:魔術操作


 「真実の瞳」と違ってステータスの類は出ないのか


 「なるほどな・・・」


 ついでにターマを見てみると


 確定名:ターマ(獣人)

 称号:奴隷(ロックマン家所有) 憑かれし者

 能力:悪路走破 獣人武術


 確定名:ターマ(神獣)

 称号:管理者の僕 パイフーの部下


 「なんでマーとターマで見え方が違うんだ?」

 「どう言うことですか?」


 軽く説明してみる


 「ああ、それはですね・・・わたしの場合死体を利用していますので」

 「死体?」

 「ええ、死にたてのホヤホヤと言う奴です」

 「なんだってまた」

 「そもそも生き神になれるのは死にたて・・魂の離れた人間だけなんです」

 「・・・脳死と言う奴か?」

 「近いとも違うとも言えますね、完全に死んでしまっては流石にわたし達も入れませんから」


 そう言うものなのか


 「わたしたちは魂が離れ、肉体が完全に死にきる僅かな間に入り込み、肉体を修復して成り代わるのです・・そうで無いと・・・」


 そう言うと、チラとターマに視線を向ける


 「本体の意識が無い時しか動かせなくなってしまいますので」

 「なるほど」


 正しく「好例」と言う奴だな


 しかし・・・この道具のおかげでステータスを見ると言うことへの光明が見えて来たと思ったんだが・・・

 やはり不完全な形でしか再現は出来ないか・・・


 「それにしても凄いですねぇ・・・元々目の前にあるものしか見ることの出来なかった『真実の瞳』をある程度遠くのものまで見られるようにしてしまうとは」

 「レンズは飾りだからな、あくまでただの表示板に過ぎない。だから筒を使って望遠鏡の能力をつけたんだ」

 「それで出来たのが双眼鏡って・・・」


 二重に可笑しな模倣品が出来上がってる状態だな

ちなみに「確定名」は周りから認知されている名前ということです

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