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月夜夢の異世界相談室  作者: コラソン


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8/8

第八話 屋根裏部屋で


試衛館書店。

屋根裏部屋は未だかつてないほど

騒がしくなっていた。


それは、魔王が突然試衛館書店の屋根裏に

やって来たこと。


蓮華は聞きたいことが沢山あった。

ワクワクしていたのに、

律が

「まずは蓮華は落ち着こうか。で、

魔王さんが持っている靴下の持ち主について

考えましょうか。」


蓮華は律にイライラしながら

「考えたってわからないんだから!!わかることと言えば、その靴下が臭いくらいじゃないの?」


律がため息をついた。


ふいに、ごめんくださーい!!

と、誰かが下の階から叫んでいる。


秀が「ちょっと下に行ってきます。」

そう言って屋根裏部屋から出ていった。


魔王が、辺りの臭いを嗅ぐ。

「これは…」


すかさず蓮華が

「え?その靴下ってそんなに臭う?わたしには

わからないなぁ。魔王さん、嗅覚犬並みなの?」

と言い出した。


律が「蓮華…そうじゃないと思うよ…

確かに、嗅覚はすごいかもしれないね。

魔王さん、何か感じ取ってますか?」

と聞いた。


魔王は、階段の方へ顔を向けながら

スンスン鼻を鳴らす。


「…靴下と同じ臭いがする。」


靴下と同じ臭い。


「えー!!この本屋、足の臭いするのぉー?!

なんかやなんだけど!!」

蓮華が叫ぶ。


律が

「蓮華…おバカ…」とこめかみを押さえていた。


トントンと、階段を上がる音が聞こえてきた。


秀が

「あの、土方さんと、山南さんっていう

方達がいらっしゃいました。」


秀の後ろには

土方 史 山南 敬吾の2人がいた。


魔王は目を見開き

「おのれ!! 勇者だな!!!靴下と

同じ臭いがする!!」と低い声で

怒鳴り、ズカズカと土方目掛けて突進した。


魔王に突き飛ばされ、倒れそうになった律を

秀がとっさに抱き止めた。


蓮華は、「危ない!!」と叫びながら

魔王に膝カックンをキメた。


魔王、膝からずっこける。


秀は、律を抱き締めたまま唖然としている。

律を突き飛ばすなんて!!と怒りがこみ上げると

同時に、ちょっと嬉しい気持ちになる。


だけど。


魔王たるもの、まさかのJKにスッ転ばされて

流石にマズいんじゃないのか??

と皆思った。


魔王は立ち上がり、キレた。

「おのれ勇者め!早速攻撃魔法使うとは!!

今度は私のターンだ!!火を吹いて一瞬にして

灰にしてやる!」そう言いながら

思い切り、息を吸い込む。


「火なんて吹いたらやばいでしょ!!

魔王さんまで丸焦げよ。あと放火なんてしたら無事だったとしても、逮捕されちゃうよ!!」

蓮華も慌てて叫ぶ。


「ここ、本屋なんで火事になったらあっという間ですよ!!いいかげんにしてください」

と秀も怒る。


「攻撃魔法って!俺は何もしていない!!」

フミも怒る。


そんな風にうるさい中


「あれ? それ、俺の靴下じゃね??

洗濯の時、片方なくてマジ探してたんだけど」


山南の発言で、皆一斉に

屋根裏の入り口を見る。


そして


「なんだってぇぇぇー!!!」


と騒然とした。


山南は、「えっ?何?怖っ」

とうろたえる。


土方も、山南の靴下で何故皆騒いでいるのか

よくわからなかった。


蓮華は、山南に

「あなたの靴下なの??魔王さんが

臭いって言ってるよ!」

と余計な事を言った。


「舞台で疲れた俺の足が可哀相すぎる!!

もうちょっと、優しくいってくんないかな!」

とキレ返す。


「えぇー!無理ぃ、臭いし!!」


蓮華と山南の戦いが幕を開けそうだったけど


「ねぇ、まずは皆落ち着こうか?

月夜夢でコーヒーでもどうかな?

まず、ちゃんと話をしましょう。」

律が静かに提案した。


蓮華は、エイトを月夜夢に呼び出した。


こうしてカフェ月夜夢に、人が揃った。


習志野 律 カフェ月夜夢オーナー

栗原 蓮華 高校2年生。月夜夢のアルバイト

沖田 秀 試衛館書店の異世界転送スタッフ

土方 史 勇者、舞台俳優、土方歳三の子孫

山南 敬吾 勇者の仲間、舞台俳優。

永倉 エイト 蓮華の想い人。歴史に詳しい

魔王 異世界の魔王。火を吹きすぎ。


まだ謎は沢山あるが

異世界相談室『月夜夢』の初期メンバーが

揃った。


本人達は、その事をまだわかっていない。


まさかの重要アイテムが

山南の臭い靴下だという事実だけは

判明したのである。


律はコーヒーを落としながら

「魔王さん、まずは皆の自己紹介から

はじめましょうか。」

そう言って微笑んだ。


律の美しさに、ぽーっとなっている

魔王は、1つ勘違いをしていた。


律は姫じゃなくて、王子のほうだよー!












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