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イカれた異世界で生きていくための絶体条件  作者: 夢見羊


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在り来りの異世界転移?

 ありふれた日々、日常。それは刺激がなく退屈でただただ時間に自分をすりつぶされていくような過ごし方。であるが突発的なハプニングやイベントなどが起きるような1日、非日常はとても刺激的で楽しいともいえるかもしれないが、それはそれで自分というのを引きちぎっていくような生き方であろう。


 人は日常の過ごし方、非日常の生き方をどちらかを選ぶとしたらどちらを選ぶのだろうか。

 選ぶ人の性格によって変わるだろう、ただ自分は圧倒的に日々の過ごし方を選ぶだろう。たとえ自分を減らしていくことであっても。


 いつもの日常に眼を向ける。


 視界に映る場所は日本生まれの一般的な仮定であれば九年は見続けるだろう、朝日が窓から差し込み電灯をつけなくても明るい学校の教室での日常。

 思い思いに高校生が友人同士でホームルーム前に騒ぎながら会話(一分のバカ)をしているクラスメイト。


 まあ一分の人が騒いでいるというか、主に筋肉バカと能天気バカの二人であり、今はマッスルポーズを二人してしながらはしゃいで「ハハ!」笑っている。それを周りの男は「今日のテカりは太陽だ」「お前の腕にタンプカが乗っているのか」とか囃し立てているのを女子は冷めた目で見ているのと、何か鼻息を荒く目がちばしているのがいたりする。

 ただここで担任の先生が入ってホームルームが始まるわけでなく、真面目でガンパリ屋に負けず嫌いで執着心の塊である詭弁な学級委員長女性とが煩すぎてぶちギレるまでが日常。


 これが自分の日常であり、それを毎日眺めているのが自分。

 いつものルーティンワークともいえるそれを横目にみつつ笑いながら、隣の席にいる友達と目の前で話している友達の話を聞き流していると。

 前にいる一つ上の幼馴染みであり友達、いや親友とも呼べる彼女に、話を聞いていないのがバレたのか頬をつねられる。


「話を聞いているの、信勇(しんお)


「い、いたい」


 前へと視線を上げて彼女に向くと端麗な顔に澄んだ青く緑く蒼い星のような瞳、こちらの上の空である頭の中を見抜いているかのように細められている。


 話を聞いていないことに少し機嫌を悪くしていると思われる彼女ーー鷹峯 遍(たかみね あまね)


 彼女はこの田舎町において好かれていたり嫌われていたりとする人柄であり、それは家の事情をゆえにそうなってしまった。親友である自分から言わせてもらえば、遍は少し鼻につく所や高飛車な所はあるが基本は普通の少女と変わらない。


 弱ツンデレ属性といったとこーー。

 頬をつねる指に力が加えられる。


「いた、たたたたぃ」


「なんか、腹立つこと考えていたでしょ、ね。信勇」


「考えてないから、考えてないですから、頬をつねるのは止めてくれ」


「なんか、いや」


「何でだ」


 そのまま頬をつねり続ける遍、こっちは痛いというのに顔に瞳に愉悦とでも書いているかのように目と口を少し歪ませている。


 そんな自分達を呆れるようにも微笑ましそうにも見ている隣の席の親友である綠朗に助けを求めるが笑うだけで助けてはくれはしなかった。

 あの野郎その筋肉は見せかけか、何のために鍛えているのか友達を助けるためだろ! と心なかで恨み事を言い、恨みがましく見るも涼しい顔。


 でもう一人、この雰囲気を楽しでいるように微笑みを浮かべている年下のおばあちゃんこと、古谷 風音「ふるやかざね」に目をやるとニコッと微笑み。さすがに止めに入った。


「あまねちゃん、さすがにそろそろ止めて上げたらどうですか?」


「ダメよ、風音。こいつ、人の話を聞かないばかりか、遊びの約束の話しにすら参加しないとか、今日の信勇は自分の世界に浸っているのよ。まるでナルシストね、それか中二病。こういうのは今すぐ、痛めにあわせて矯正しないと大人になったときに恥ずか死ぬだから」


「むっ……しんおくん、恥ずか死ぬですか?」

「いや、死なないからね、あと自分の世界に浸ってないから、ナルシストでも中二病でもラノベ主人公でもないからな!」


「ああ、これはラノベの主人公みたいにプロローグで浸っていたのを気付いたのよ……さあ白状した信勇を矯正しないと恥ずか死んじゃうから、風音を取り押さえなさい」


「むっ、分かりました。私、しんおくんのために拘束させてもらいます」


 ふんすっと鼻息をだすかのように気合いを入れて自分の背後へと回り込み、後ろからがっちりと腕をホールドをする。それはもうがっちりとしているために身体密着度は背中に小さくも柔らかく嬉し憚られるモノが当たっている。

 柔かさだけではなく、風音の顔が耳元近くにあり彼女の吐息が耳に当たりものすごく恥ずかしい。恥ずかしいどころではない、このままではホームルームで起立ができない。しているにできないということになりかねない。


「拘束しました、あまねちゃん」


「よくやったわ、風音」


 助かるべく、当たりを見回し、目の前にいる今だほっぺをつねる遍を見ると、冷ややかな目で笑っているが笑っていない表情であることを確認すると。ヤバい、自分の状態を見破っている。確実に制裁がプラスで加わる。

 ゆえに必然的に横の親友に目を向けるが、こいつは未だに笑っているだけである。この短髪スポーツマンイケメンがと殺意を込めた目で見ても相変わらずに笑うだけ、気付いているだろうに綠朗はこういう時は見捨てられる。


 目を動かす。助かるすべを探すために脳は無意識に答えを見つけたとばかりに、たまたま近くにいた一人の同級生に目が定まり、助けを乞うように名前を呼ぶ。


「た、助けてくれ、皇さん」


 助けを呼ぶ声に反応した皇 嬉華「すめらぎうれはな」さんはこちらを見ると状況がよく分からないのか、こてんっと首をかしげるも近寄って来てくれた。

 これだけ綠朗などという無慈悲な男とは違い、クラスの中心にいるクラスカースト最上位種「皇」さんだ。


 もちろん助けを乞うべく状況を説明しようとするが、遍が皇さんに話しかける。


「大丈夫ですよ、皇さん。ただ幼馴染みのじゃれ合いなので、こいつの戯言に耳を貸さなくても。それか、一緒に罪人のほっぺをつねり遊びますか?」


「……やります」


「なぬっ!?」


「っ!?」


 思わず、皇さんの方へと向くも彼女は顔を反らす。

 まさか、敵に鞍替えるとは。いったい何故、そこまで自分の頬をつねりたいのか。

 疑問符とまさかの裏切りに動揺していると、おれの頬をつねる遍も驚いている様子だった。


 遍も驚いているって作戦じゃなかったのか、ただ方便を真に受けた皇さんに驚いている。

 二人して驚いている自分と遍、必死に自分を押さえる風音に腹が捩きれるとばかり笑い声を殺している綠朗。それと恥ずかしそうにしながらも、こちらを見て微笑みを浮かべて、「ですけど」といって言葉を続けていう。


「それは昼休憩の時の方がよろしいのではないですか? 鷹峯さん」


「……昼休憩? ッ!?」


 ぱっと時計を見ると時刻は8:27となっていて、もうすぐでホームルームの時間であった。

 今から遍と風音は自分達のクラスに行かないとホームルーム前に着かないだろう。

 つまり、初めからこうするために油断をさせて、焦らせることで今の現状を昼休憩へと移行させる作戦。昼休憩になれば、たぶん何やかんやで有耶無耶になるだろう。つまり勝った。


 救いの女神、現れる。皇さんは救いの女神だと信仰しを募らせている自分の頬から指を離し、悔しそうにこちらを見る遍に勝ち誇るように笑って見せる。ムカッとしたのか、また頬をつねられる。

 そのまま続くことはなく、教室の引戸が開かれた入ってきたちびっこい先生が入ってきた。


 ちょこちょこと子供が入って来たのかのような感じではあるが、ちゃんとした大人で教員免許を持っているちゃんとした人。たしか年齢は三十路近くだった気がする。

 さすがに内のクラス先生が入ってきては戻らざるを得ないし、本当に今向かわないと間に合わないために頬をつねるのを止める。自分を拘束している風音に声をかける。


「ほら、風音、いつまでも信勇に抱きついていないで教室に戻るわよ」


「ーーくっついてないですよ! あまねちゃん」


「ほらほらいいから戻りましょう……あと、昼休憩に時に来るから、その時に冬休みにどこに行くか決めましょう。信勇の罰は引き延ばしね、綠朗も昼休憩の時にね」


「おう、また昼休憩のときな」


 腹は捩り切って死んだと思っていたが、爽やかにそう返す綠朗に目を向けつつ。

 風音を引き剥がして、自分と綠朗、皇さんに声をかける。頬をつねられ過ぎてヒリヒリする、昼休憩の時に忘れないかなと思いつつ。


「……皇さん、へんなのに巻き込んでごめんなさいね」


 皇の横を通る時にそういって謝る、謝る相手が違くないかと思いつつ確かに巻き込んでしまったっと自分からも一応の謝罪とお礼を言う。


「皇さん、遍もいっていたけど、へんなのに巻き込んでごめーーーー」


 ーー世界が光に包み込まれた。


 スタングレネードでも投げ込まれたように、強烈の光が教室内に突如として発光。

 強い光を急激に目にいれてしまい、目が眩んでしまう。


 皆が皆、その唐突の発光に叫ぶことも逃げることも行動することすらもできずに、ただただ呻くほかない。

 でも数秒もすれば視界は戻り、辺りを見回せば。皆もばらつきはあるも視界が回復して自分と同じように状況確認していた。


 自分の回りにいた綠朗と皇さんも辺りを見回していた。


「大丈夫か、二人とも」


「ああ、さっきの光何だったんだ?」


「大友くんも大丈夫?」


「うん、とくに問題はないかな、遍と風音もビックリしているようだけど大丈夫そうだし……」


 本当に何だったのかーーという前に皇さんを中心に青白い光が発光した。だがさっきのような太陽を直視したような眩しさではなく、イルミネーションのような美しい光。その光は床に線を走らせた。


 唐突に起きた発光に、また青白い光が教室内を巡って線を走らせていく。それは人や物に関係なく、青白い線は走っていき、次第にそれは現代の高校生には既知な絵を描いた。

 それを目にしたクラスメイトは、色んな感情を見せていく。唖然、困惑、驚き、恐怖、怒り、歓喜、興奮などなどと。


 このまま見ていていいものなのかーー数分前の出来事を思い出す。

 日常と非日常。それを選ぶとしたらどちらを選ぶか。


 この先の展開は知っている。もし、この先の展開が非日常ならーー自分は日常を選びとる。


「みんな、逃げーー」


 線は走り終わった。線は円を描いて、円内に幾何学的な図形が描かれている。図形だけではなく、文字らしきものすらも描いてある魔法陣。


 世界は残酷だ。力なき者になにもなせないように、日常は終わり非日常が訪れた。


 それでもどうにかしたくて魔方陣の中心に佇んで困惑している皇さんへと手を伸ばし。


 強まる光、駆動するように軋み上げる魔法陣。


 手を伸ばす、何故などなく、そうするべきだと心が訴えるから体は動いて、こちらをみた皇さんが同じように手を伸ばして指先が触れる。 


 ーー光は教室を埋めて、駆動は消えて完成したとおもった魔法陣が広がった。


 視界は暗転し、意識は混濁として、肉体は眠りに落ちる。

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