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テイマー少女の逃亡日記【コミカライズ連載中】  作者: 一色孝太郎
第五章

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第五章第60話 準決勝が始まりました

 他の準々決勝も終わり、ベスト4が出そろいました。


 オッズが一位だったラドゥ選手は順当に勝ち上がり、ヴィーシャさんの次の対戦相手です。


 それとですね。びっくりしたんですけど、反対側のブロックではなんとオッズ二位のダチーナ選手をマリウスさんが破って上がってきたんです。


 準々決勝の試合も見ていましたけど、素早い動きと手数でダチーナ選手を翻弄していました。多分純粋な魔術の腕だけならダチーナ選手のほうが上なのかなって思うんですけど、実際に試合をするってなると話が別のようです。


 マリウスさんのような剣士やヴィーシャさんが前の試合で戦った総合格闘技の選手が相手だと、持ち前の魔術を活かすことができないみたいです。


 だって、強力な魔術を使うには長い時間詠唱している必要があるんですけど、そんなことをしていると近づかれちゃいますからね。


 それに相手の選手もちゃんと魔術を使うので、詠唱に集中させないように簡単な魔術を連射して妨害できちゃいますからね。


 そうしているうちに隙を見つけて近づいて、得意の接近戦を仕掛ければ勝ちっていう感じみたいです。


 ということはですよ?


 これはヴィーシャさんにも決勝進出のチャンスがあるってことじゃないでしょうか?


 ただ、ラドゥ選手は土属性魔術の使い手なんですよね。なので属性の相性的には水属性のヴィーシャさんにはちょっと不利です。


 でも、近づけさえすればヴィーシャさんにもチャンスはあるはずです。


 あ! ヴィーシャさんが出てきました!


 そろそろ試合開始ですね!


◆◇◆


 ヴィクトリアとラドゥは審判を務めるゲラシムに促され、舞台の中央で向かい合った。


「準決勝第一試合、実戦魔術部ラドゥ・ヴォイネア君と剣術部ヴィクトリア・コドルツィ君の試合を始める!」


 緊張した面持ちの二人だったが、ヴィクトリアは剣を抜き、ラドゥは小さな杖を右手に持って構える。


「始め!」


 ゲラシムの合図と共にヴィクトリアは一気に右にステップを踏んだ。その直後、ヴィクトリアの立っていた地面から岩の槍が天に向かって伸びる。


 岩の槍を避けたヴィクトリアは剣の切っ先をラドゥに向け、小さな水球を数発放った。するとラドゥは杖を振り、自分から一メートルほどの場所に間に岩の壁を作り出す。


 飛んでいった水球はその壁に阻まれ、弾け飛ぶ。


「はぁっ!」


 ヴィクトリアはその壁に隠れるようにして一気に距離を詰めた。そして切りかかろうと壁から出ると、なんとそこには高さ五メートルほどの太い岩の柱ができており、その上からラドゥが見下ろしていた。


「は?」

「ふん。近づかれなければこっちのものだ!」


 そう言うと、ラドゥは拳大の石を作り出し、ヴィクトリアに向かって放つ。だがヴィクトリアはステップを踏んでそれらを華麗に(かわ)した。


「いつまで避けられるかな?」


 ラドゥは石で攻撃を続け、ヴィクトリアはそれをひたすら避け続ける。


 そうして十分ほどが経過した。その間ヴィクトリアは反撃すらせず、ひたすら避けるのに徹し続けていた。


 そうこうしているうちに、いつの間にやらラドゥは汗だくになっていた。心なしか息遣いも荒い。一方のヴィクトリアはというと涼しい顔をしている。


「くそっ! ちょこまかと……」

「おや? もう終わりかい?」


 ラドゥのボヤキに対し、ヴィクトリアは飄々(ひょうひょう)とした様子でそう返した。しかも立ち止まり、剣の切っ先を優雅な動作でラドゥに向ける。


 それを侮辱と受け取ったのか、ラドゥはギリリと悔し気に表情を(ゆが)める。


「そんなわけないだろう!」


 ラドゥは先ほどよりも早いペースで石の球を生み出してはヴィクトリアに向かって飛ばしていく。しかしヴィクトリアはそのほとんどをステップで躱し、そして躱しきれないものは剣で弾いて軌道を変えた。


 それから数分が経過し、攻撃がピタリと止まった。ラドゥは肩で大きく息をしている。


「限界みたいだね。降参したらどうだい?」

「……降参? 馬鹿なこと!」


 ラドゥは懐から小さな宝石を取り出すと、ヴィクトリアに向かって投げつけるが、ヴィクトリアはそれをステップで躱した。宝石は地面にぶつかり乾いた音を響かせる。


 すると次の瞬間、宝石はまばゆい光を放った。数秒後、光が消えるとそこには二メートルほどの背丈の岩のゴーレムが立っていた。


「ヴォイネア男爵令息、ゴーレム魔術も使えたんだね」

「ふん。これで近づけないだろう! やれ! コドルツィ騎士爵令嬢を倒せ!」


 ゴゴゴゴゴ。


 ゴーレムはゆっくりとした動きでヴィクトリアに向かって歩き出す。それに対し、ヴィクトリアは距離を取ろうとバックステップをした。しかしゴーレムの動きが遅いのを見て、一気にラドゥの立つ岩の柱へと駆け寄る。


 だがラドゥは近寄らせまいと拳大の岩をヴィクトリアに向かって放ち、それを受けてヴィクトリアはステップで躱して距離を取る。


 そうしているうちに、ゴーレムはいつの間にやらヴィクトリアの背後に回っていた。


 それを見たラドゥは勝利を確信したのか口角を上げる。


「やれ!」


 背後のゴーレムは右腕を大きく振り上げる!

 次回更新は通常どおり、2026/05/24 (土) 20:00 を予定しております。

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― 新着の感想 ―
話がなかなか進みませんね…>< 帝国から戻って以来、ずっとローザがもたもたしているだけなのでかなり焦れてます。 努力してるはずなのに頭のほうは第1話からちっとも賢くならないし、魔法も獣魔頼みになってま…
ヴィーシャさんのオッズは何位なんだろうと思います
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