ナーロッパ歴六年『ナロウシュ様、要するに偉い人の孫だったらいいよね?』
そもそもスローライフなんて始めるのが悪い、
だって考えてみてほしい、
文章量で一万時間を超えるような詳細、細かいナーロッパ開拓時代を、
一からおさらいするようなものなのですよ。
だれが一万時間もスローライフしたいというのでしょうか?
現実でさえ一万時間生きたら一生を終えてしまう人もいるくらいです。
ということでナロウシュ様は最速チートでレベルアップなされば良いので、
有名な方の孫として生まれることとしましょう。
「ば、ばぶ?」
「お、息を吹き返しおったか!」
「ええ、どうやら無事のようだわ!」
(とりあえず状況を確認しなければならないな、おれはバブちゃんだがこいつらは何者だ?)
「お、この子、自己紹介したいみたいじゃぞ!」
「なんで、そんなことわかんだい?」
「何せわしは触ってる相手の気持ちが分かるんじゃ!」
(まああながち間違いではないが、とりあえずこの世界を把握しなければ)
この世界の名前はワールドプランジェントリ、
世界冠と称される自由にこの世を支配できるとされる帝冠をめぐる、
各地の士族、豪族が争い合う終わり無き戦い、
迷宮闘争を終わらせたのが何を言おうか、
このナロウシュ様を目覚めさせた二人の老人、
弩級賢者エブリデイと究極聖女デイアフターを含んだ、
最強迷宮闘争チーム『デビルメイド』である。
ちなみに、この弩級賢者エブリデイと究極聖女デイアフターが生んだ子供が、
ワールドプランジェントリの人族の総督府において総督をやってる、
アノマジェイド総督。
また究極聖女デイアフターの親縁者には深淵を除く古強者たちの主である、
パポロンチ書記長が存在するという具合でもあり、
また弩級賢者エブリデイの親族にもまた士族王トッピーと豪族王ナッパリスなどがおり、
ナロウシュ様の未来はこの帝冠を支配する偉大なるチームの力によって、
究極に支えられているのだ。
理解できたでしょうか?
(ようするに俺チート発揮できるという具合だな、よしさっそくしょんべんしてみよう)
「おっとこの子、おしっこをしようとしてるようじゃ」
「そうなの? じゃあおしめを替えてあげないとねえ」
(ハイドロジェット!)
ナロウシュ様のお小便はとてつもない勢いで弩級賢者エブリデイさまの顔面というか、
頭部を破壊した!
「おまえさんー!!!」
(おっと勢い余ったな、だが次弾も存在する、ブリリバスター!)
「!? このにおい! うんこが光速で飛び出す音!?」
ナロウシュ様のおうんこは光の速さでデイアフターを木っ端みじんに吹き飛ばした!
(あっはっはっは! 家ごと愉快に吹き飛んだな! だが吾輩はまだチートしたりないぞ!)
「この膨大な魔力量! 明らかに人間を越えた殺意のほとばしりは! まさか!? 太古の昔に滅んだナーロッパ朝の主、ナロウシュが復活したのか!?」
アノマジェイド総督府に走る稲光、今やワールドプランジェントリ全体に広がる異変は、とどまることを知らない、世界は既に闇に包まれた、このまま滅びるしかないのか?
(そういえば、バブチャン状態だが、念話すればすべての人間どもに我が美声をとどろかせることが出来るんじゃね? よしやってみよう!)
「ひざまずけナーロッパ人どもよ、吾輩はナロウシュ・ナーロッパ! 全てのナーロッパの始祖にして現在の栄華を作り上げた調停者である! さあすべてのナーロッパ人よ! 吾輩の復活を祝え! そしてすべてを捧げよ! 吾輩は今、究極にこの世に君臨することを決めたのだ!」
だが時すでに遅し、アノマジェイド総督は決意を固めていたのだ。
「させると思うのか? 我らの抱く世界冠はすでに迷宮闘争を再発させた、お前のような存在を封じるためにな! さあ、その身に受けるがいい! 我らの世界が抱えた世界冠の膨大なる終末、偉大なる深淵のダンジョンが現れるのを!」
バブチャンにはわかるまいお。
「何をほざいている? ナーロッパにおいて吾輩は絶対無比の! な、なんだ!? 急に地面がせりあがって!? くそ念動力で浮かび上がって逃げなければ!? いや、逃げ切れない!? な、なんだ! ありとあらゆる大地がまるで生き物ように、吾輩を包み込んで! うぎゃおおおおおおおお!? や、やめろ! 吾輩の体が押しつぶされ! 押しつぶされる!? そんな、まさか! 圧死!?」
ワールドプランジェントリは圧倒的な勢いで地殻を捻じ曲げて、巨大なダンジョンに生まれ変わった、そして帝冠は静かに迷宮の奥底に隠され、再び帝冠を手にするもののために、静かに帝冠にはめられた8つの宝石が各地に飛び散って、遂に世界をひとつなぎにする迷宮が誕生した、すべての生命は再び迷宮をめぐる長きにわたる闘争を繰り広げることになる、そしてナロウシュ様はまたしんでしまわれた、おお。




