猫の手10 闇巫女のカルチャーギャップ!?
浦島さんな巫女さんを書いてみました。
お楽しみください♪
我が名はソンブル。
闇巫女ソンブル。
過去の勇者たちの戦いで傷ついた我は、闇の棺にて眠りについていた。
そして、ついに我は目覚めの時を迎えた。
馴染みのある神殿の景色。
全てはあの時のまま・・・
眼下には平伏する黒鱗の使徒。
確かに我は帰って来たようだ。
我は失われた力と時間を取り戻すべく、次の行動を開始した。
即ち、人間の住まう王都での力の回復と情報収集である!
仮初の家族との対面。
馬車の中から見る王都の姿は我の記憶と余りにも違っていた・・・
「さあ、ソンブル様参りましょう♪」
「う・・・うむ・・・」
ところで何故我は着せ替え人形にされておるのだ!?
誰か、誰か我に説明せよ!
誰か助けよーーーーーーーーーーっ!!
一時はどうなることかと思った・・・
闇巫女である我を動揺させるとは、この夫婦には上下関係をしっかり理解させねばならぬな・・・
その後連れて行かれたのはウサギに羽が生えた絵が描かれた店であった。
「ここは?」
「はい、ハニーラビッツと申しまして、ここは王都で一番人気のスイーツのお店でございます。」
「スイーツとはなんぞや?」
我の知らぬ食べ物だと!?
差し出されたスイーツとやらを食べてみる・・・
薄く焼かれた生地にフルーツ、それに何やら白いものが入っておる・・・
「な・・・何だこれは!?このような味、初めてだ!」
今まで口にしたことも無い味覚が我の中を駆け巡る!
「これはいつからあるものなのだ?」
これ程の味、開発にはかなりの年月が必要であろう・・・
「ここ数年の内に発売が始まったものですが何か?」
この味が数年で作られた!?
王都の文化はそこまで進んでいるのか!?
認識を改めねばらならぬな・・・
屋敷へと到着。
次に驚いたのは屋敷の中の暖かさ・・・
何故だ!?
今は真冬、なのにこの暖かさは!?
「驚いておられますね。今年からアキュウド商会で発売された魔道式ファンヒーターを始めとする暖房器具のおかげでございますよ。」
何と、これらが全て暖房器具!?
次々と見せられる暖房器具に我の目は釘付けであった・・・
後日、アキュウド商会なる店に連れて行ってもらう約束を取り付けておいた。
次の日、朝からメイドたちに着せ替えられ制服なるものを着せられる。
まあ、学園に通いたいと言ったのは我であるから、この件は追求すまい。
しかし、知識欲を求めやって来た学園で我を待ち構えていたのは質問攻めであった・・・
ちょっと待つがよい!そんなに一度には応えられぬ!
何故、我がこんな目に・・・
学園初日は疲れ果てた・・・
使徒を呼び出し、王都で暴れさせて瘴気を稼ぐことにする。
噂の黒猫姫とやらも見ておきたいしの。
そして始まる大活劇!
騎士団4人を相手に大立ち回りの使徒。
うむ、我が方は圧倒的ではないか!
人など我らの敵ではないわ!
いいぞ!そこだ!もっとやれ!
我がワクワクしながら見ていると噂の人物が現れた。
「そこまでだ!夜を騒がす不届き者!この黒猫姫が相手になりましょう!」
あれが黒猫姫・・・
全身黒尽くめのドレス、黒のベール、黒の手袋に黒の靴・・・
我に被っていないか?
むむぅ、これは次からは衣装も考えねばならぬか!?
しかし、またあの着せ替えはご免こうむる!
そして、少し視線を下げたその先にチョコマカ動く影を見つけた。
何だあれは!?
黒い猫のフォルムをした小さな者たちが使徒を相手に戦っている。
あのような可愛い者たちが黒猫姫の仲間なのか!?
あぁ、我が神よ!我に何と言う試練を与えるのだ!
出来ることならあの者たちと戦わずに愛でていたい!
お持ち帰りしたい!!
そんな妄想をしていたところ、使徒が大ピンチに!
「さあ、留め!Fire Of Purge!」
慌てて暗黒竜様より授かった力で使徒を救う我がいた・・・
「ふははははっ!我が名はソンブル!闇巫女ソンブルである!黒猫姫よ、そなたの思い通りにはさせぬぞ!」
ギリギリセーフ!
しかし、決まった!
ドヤ顔なのは許すがよい!
「これは我からの餞別、受け取るがよい!!!黒竜炎!!!!」
我が一撃を放つも即座に応戦し、無力化してくる黒猫姫。
相手にとって不足無し!
我も退屈せずに済みそうだ!
「ふふっ、思ったよりやるようで嬉しいぞ!だが、今宵はここまで!戻るぞ!」
使徒を連れ屋敷へと帰還した。
屋敷に帰還した我を出迎えるカルムとリヤン。
「黒猫姫はいかがでしたか?」
「湯浴みの用意が出来ております。」
「うむ、我が好敵手として楽しめそうだ!そうだな、湯浴みをさせてもらうとしよう。」
今晩は良い夢を見れそうだ!
数日後、噂のアキュウド商会へと連れて行ってもらった。
入り口を入ると、そこにはあの夜見た猫のフォルムのゴーレムの姿が!!
「父上、あれは何かしら?」
普通の娘口調はこんなかの?
「あぁ、あれはアキュウド商会で販売しているメイドゴーレムだと思うよ。」
カルムよ、そなた思いっきり父親モードだな・・・
まあよい、しかし売り物だと!?
「受付のお姉さん、その子は売り物なの?」
小首をかしげながら受付嬢に聞いてみる。
「いえいえ、この美虎ちゃんは私と一緒で受付嬢なのよ♪」
「みゃあ!」
可愛い!是非、我も欲しい!手に入れたい!
チラチラっとカルムの顔を見る我。
そんな我の視線を苦笑しながら見つめるカルム。
うむ、親子っぽかろう?
「お嬢さん、メイドゴーレムの注文は出来るのかね?」
カルム、グッジョブ!!
空気が読めることは重要だ!
そんな会話をしていると、店の奥から見知った顔が出て来おった。
「あっ!主任!こちらのお客様がメイドゴーレムをお求めなのですが・・・」
「あれ、ヴィスさんこんにちは。メイドゴーレム!?あぁ・・・」
何故、学園のクラスメイトがこの店の奥から?
しかも主任だと?
「アキュウド商会商品開発部主任ネロ・カーマインです。メイドゴーレムは(あちこちで見せびらかした迷惑な2人組の影響で)現在3年待ちになっております・・・」
「そんな・・・」
その肩書きにも驚いたが、3年待ち!?
そんな・・・我には耐えられぬ・・・
「そこを何とかなりませんか?」
カルムも我の動揺が伝わったのか、さらに聞いておるが・・・
「申し訳ございませんが、何ともなりません・・・」
我もガックリしたことは言うまでも無い・・・
その夜、うなされる我の姿があったとか・・・
基本、週末更新です。
ご意見・ご感想・誤字報告等お待ちしております。




