第33話
2杯目のお茶を飲み終わる頃2人が検証内容を書き終えたようだ。
ウィルさんは最初と比べ分厚い紙の束になっていない、バリーさんの方も問題なさそうだ。
そう感じていると晩の鐘が鳴った。
「今日はここまでですね、検証は明日から始めましょう。フリー王子戻ってきませんね…」
「そうですね、執務室に居られるはずですので見てきます。」
バリーさんはどう言うと部屋を出ていった。
さて今日の残りのタスクはフリー王子にテスト設計について報告のみだ。
しばらくするとバリーさんがフリー王子と戻ってきた。
「やぁ。晩の鐘がなったけどバリー君から面白い話を聞いたから少しだけ時間をもらうよ。」
フリー王子が座ったところで先程のIn/Outとデシジョンテーブルについて話をした。
フリー王子は興味深そうに聞いている。
その話を元にウィルさんとバリーさんが作成した検証内容を見て何かを考えているようだ。
「うん、この考えは有用だね。父上達と相談して活用できる分野から始めてみよう。数日後に一度王宮に戻るからその時までに写しを用意してくれるかい?」
「承知いたしました。」
「さて、今日1日経ったけど予定通り3日後で大丈夫かな?」
進捗確認だな、今のところ問題は起きていないし当初の予定通りで大丈夫だろう。
「はい、当初の予定通りでお願いします。」
「順調そうで何よりだねぇ。私は明日王宮とのやりとりがあるから自室に篭らせてもらうよ。それで3日後の試作品披露後に1度王宮へ帰らないといけないからそのつもりでね。転移の魔法陣ではなく馬車で行くから少しここを離れることになるからその前にやることを改めて共有しておきたいかなぁ。」
そうだよなぁ、フリー王子もこれにかかりっきりというわけじゃないからなぁ。
本業の方もあるだろうしなぁ。
テスト設計の話が終わったので今日はお開きとなりそれぞれ自室へ向かった。
その後夕食を済ませ、明日の準備もそこそこに眠りについた。
翌日、すぐやる課の部屋に向かうとウィルさんとバリーさんがすでに検証作業を始めていた。
昨日の鳥のぴーちゃんと魔物レッドアイウルフのミチェラーダも一緒だ。
僕は作業の邪魔にならないようにそっと部屋に入った。
魔法陣を発動できないからテスト実施自体は任せるしかないなぁと思いながらお茶の用意をする。
しばらくするとバリーさんがうーんと悩み始めた。
何か問題が起きたかな、悩んでいる時間はもったいないので聞いてみるか。
「バリーさんどうしました?何か問題でも起きましたか?」
「柴田様…案4の魔法陣が上手くいかないのです。全て鑑定ができないと言うわけでもなく魔物だけは鑑定できます。」
んー?
魔物だけ上手くいくのか…
実際に見せてもらおう。
「では1度僕にも見せていただけますか?」
「承知いたしました。」
するとバリーさんは僕に対して魔法陣を発動させたがウィンドウが出たと思ったら消えてしまった。
次にティーカップ、鳥と順々にやったが結果は同じだった。
最後に魔物に対しての発動はウィンドウが出て消えなかった。
何だろうか?
プログラムを見直して考えてみると1つの仮説が出た。
「うーん、バリーさん。検証をしてみないと確証は得られませんが案4の魔法陣は不可かもしれません。」




