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42cs 「リビング」
「今度の休み、どこ行く?」
「この前言ってたとこ、まだやってるんかな」
「ほらっ、あの川の近くの」
「ああ、あそこ。露天あるとこやろ」
「そうそう、夜めっちゃ暗なるやつ」
笑い声が、少し遅れて重なる。
テーブルの上に、指先で円を描く。
同じところを、何度もなぞる。
「朝ごはん、やたら多かったよな」
「食べすぎて昼いらんかったやつ」
「いや結局食べてたやん」
「ソフトクリームは別腹やろ」
口が少し開いて、閉じる。
湯のみを持ち上げる。
縁に触れて、そのまま戻す。
笑い声が、また重なる。
少しだけ、遅れて。
背もたれに体を預ける。
クッションが沈んで、すぐ戻る。
「予約どうする?」
「また任せてええ?」
「ええけど、文句言うなよ」
「言わへん言わへん、多分」
視線だけが、宙を泳ぐ。
しばらく、そのまま。
笑い声が続いている。
爪の先に、少しだけ歯を当てる。
――手が、少し遅れて止まる。
その音が消えると、 部屋が、急に広くなる。
田中2部です。
よろしくね!




