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2-2話  

 数日後の深夜、ガラスが割れる大きな音が鳴り響く。

 夜間勤務の守衛達が気づき騒ぎ始めた。


「今の音はなんだ!! お屋敷から聞こえてきたぞ。まさか侵入者か!!」


「ガラスが割れた部屋はルカ様の部屋だ。いそげ!!!」


 守衛がルカの部屋に駆けつけると、仮面を付けた男がルカを抱いて逃げ出そうとしていた。


「貴様!!! ルカ様をどうするつもりだ」


「息子を返してほしければ、金貨を千枚用意しろ!!」


 低い声でそう告げた後、男は窓から飛び降りてその姿を消す。


「追えぇぇ!! 絶対に捕まえるんだ」


 その後、伯爵家の力を駆使して捜索が開始されたが、誘拐犯は逃亡し行方はつかめないまま、時がだけが過ぎて行った。


 ノエルはルカが攫われた心労から、食事が喉を通らず日々やせ細っていく。

 部屋から一歩も出ないノエルにアルバートも心配し声をかけた。


「ノエル、体調はどうだ?」


「アルバート様、ルカは? 犯人から連絡はまだないのですか?」


「あぁ、手は尽くしているのだが、手がかりは未だ掴めてはいない。メイドからお前がほとんど食事を取っていないと聞いた。それにルカが攫われてから、眠れていないのだろう。心配なのは解るが、少しだけでいい、今は休むんだ」


「あの子が今、どんな目に合っているのか…… それを考えると、私だけが休める筈がありません」


「それは私も同じだが、ルカが帰ってきた時にお前が病気になっていたら、ルカが悲しむんだぞ。無理やりでもいい。今はベッドで休みなさい」


 アルバートはなかば強制的にノエルを休ませた。

 ノエルの方も限界を超えていたらしく、ベッドに入り少しすると眠り始めていた。

 アルバートもそんなノエルを見つめて、大きくため息をはく。


 そんな二人のやり取りをドアの隙間から覗き込み、ほくそ笑むイザベルの姿があった。


「あははは。ざまぁ無いわね予想以上の結果だわ。後もう一押すれば……」


 その日の夜、イザベラはノエルの部屋を訪れていた。

 イザベラの要望でメイドは部屋から退出している。

 部屋に入ってきたイザベラはいつもとは違い高圧的な態度をしていた。


「実は先日、伯爵様の部屋を通りかかった時に聴こえてきた事があるの。それを貴方に伝える為に来たのよ。ふふふ。あなたの子供はアルバート様が殺したのよ。貴方が産んだ子供が無能力者だったの、その事実を知った伯爵様が今回の誘拐劇を作り上げたの」


「イザベラ? あなた何を言っているの?」


「本来なら無能力者しか産めない貴方も捨てられて当然な所。アルバート様の温情で捨てられずにいるってわかってるの? あなたは悲しむ前にアルバート様に謝罪すべきなのよ。無能力者しか産めなくてすみませんって! あーはっはっは。これに懲りたら、二度と正妻面するんじゃないわよ!!!」


「嘘…… 嘘よ? あの人がルカを殺したなんて!?」


「私の言葉が信用出来ないなら、本人に直接聞いたらどう?」


 信じられない告発にノエルは膝から崩れ落ちてる。

 その姿をイザベラは悦に浸りながら見つめた。


 イザベラの予想通り、すぐさまノエルはアルバートに詰め寄る。

 当初は認めなかったアルバートだったが、ノエルはアルバートの態度から、イザベルが言った事は本当だったと判断した。

 その結果ノエルはショックのあまり寝込んでしまう。

 それから数日後、忽然とノエルは姿を消した。

 ノエルを心から愛していたアルバートは、手を尽くして捜し続けた。

 けれどは何年たっても手がかり一つ掴めないまま、時だけが過ぎていく。

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