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ただただ、幸せに…  作者: 緋月夜夏
ムニシヤ王国編
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第62話 内装(1)

ルティとレイラに続いて家に入る。

俺は、内装も全て知っているため驚きはないが、知らなければかなり驚くだろう。

現に、俺以外の全員が入り口からすぐのところで棒立ちになっている。

「これは…すごいわね。」

「わぁ…凄く綺麗です…」

「え?なにこれ?凄く光ってるけど?」

ルティ、レイラ、リリファの順で反応した。

リリファ以外の妖精族の子達は、同じ場所を旋回したり、壁や天井に触れたりしている。

イメージとしては、ホテルのロビーをイメージしてつくってある。

大きい窓などが珍しいのだろう。

この世界でも、窓にはガラスのようなものが使われている。

だが、この世界のガラスはどういう製法で作っているのかはわからないが、外から光を取り入れることは可能なのだが、内外のどちらからも反対側の様子は見ることはできないようになっている。

そのため、家の中にいながら、外の様子を見れるということが新鮮なのだろう、ルティとレイラの視線は窓の付いている壁を彷徨っている。

リリファは、天井から吊り下がっているシャンデリアを見ている。

ホテルのロビーをイメージしているが、完全に同一にしているわけではないため、本来ならこの時間帯ならば、窓から差し込む日光で充分なのだが、最初くらいはつけておこう、とヘルプに相談すると、魔力は地中から取り込んでいるのですし、つけたままでも問題はありませんよ、と返されたため、つけたままにしておくことにした。

「ちょっと、タケル!なんなのこれ!?」

「あー、後でな。」

リリファには、俺の世界のことも話していないので、後回しにする。

「ご主人様、あれは何なんですか?初めて見ました。」

「私も初めて見たわね。」

「ただのガラスだよ。俺のいた世界では、あれが普通なんだ。」

「へぇ…でも、あれって外から見えるんじゃないかしら?」

「あれは、ミラーガラスって言われてる、外から中は見えづらいガラスだから大丈夫だ。それに、窓の横にカーテンもついてるからな。」

「こんな窓が家の全部についているんですか?」

「ああ。大きさには結構違いがあるかもしれないが。」

「そうなんですか。すごいです…」

レイラは俺にキラキラした目を向けてくる。

「そんな風に見られるとつくってよかったなって、改めて思うよ。」

「っ…はい。ありがとうございます…」

なぜか話していたレイラも隣で聞いていたルティも少し驚いていた気がする。

(何か驚くことあったか?いや、普通に家のことで驚いてたな。)

「一階は、それ以外は特にないぞ。」

「え?こんなに広いのにですか?」

「ああ。いや、部屋はあるけど、客に対して使う部屋だな。二階からは俺たちが生活に使うから、訪ねてきた人は一階で対応することにするつもりだけど、駄目か?」

「え?私に確認なんて必要ありませんよ。」

「レイラも一緒に住むんだから必要だろ?」

「あっ…はい。大丈夫です。」

「二人もいいか?」

「ええ。私もいいと思うわよ。」

「なんというか、贅沢な使い方ね。あたし達は住む場所も大変だったのに…」

「まぁまぁ、リリファも住むんだから。他の子達もな。って、あれ?」

「?タケル、どうかした?」

「いや、他の子達は?」

「まだ飛び回ってるんじゃない?必要なことはあたしが教えておくから大丈夫。」

「そうか?でも、一旦呼んでくれるか?」

「わかった。みんな、こっちきて!」

リリファが呼びかけると、こちらへ飛んできて、リリファや俺の頭や肩に座った。

「じゃあ、ついてきてくれるか?」

全員を連れて、その部屋に入る。

中には球状の石が置いてある。

「ここはなんなの?」

リリファが尋ねてくる。

「この部屋は、そうだな…そのまま転移部屋でいいか。えっと、ああ、全員、こっちの石に触れてくれるか?」

俺の言う通り、ルティ、レイラ、リリファの3人が石に触れる。

「えっと、お前達、えっと、リリファ?この子達の名前は?」

「あー、妖精族は成体になってから名前をつけるの。だから、私以外まだないわ。」

「そんな伝統みたいなのがあるのか。それなら仕方ないか。とりあえず、お前達もあの石に触ってくれるか?」

俺がそう言うと、妖精族の子達も石に触れる。

それを確認して、俺はもう片方の石に触れる。

「よし、じゃあ、魔力を流してくれるか?」

「一斉でいいの?」

「ああ、一斉じゃなくても大丈夫だから気にせずやってくれ。」

俺はそういい、目を閉じる。

魔力を流し始めると、俺の瞼の裏にゲームのメニュー画面のようなものが現れる。

もちろん実際に瞼の裏に書かれているわけではない。

ステータスと同じような原理だ。

それを操作し、俺以外の魔力を登録する。

俺はつくった張本人なので、登録の必要はない。

「よし。もういいぞ。」

「あの、ご主人様?なにをしたんですか?」

レイラが不思議そうに聞いてくる。

「さっきやって貰ったのは、登録した人以外が使えないようにするためで、これが階段がわりだ。方法は、もう一回石に触りながら、何階か言うだけだ。上は8階までだから、それ以上は言ってもなにも起こらない。あと、8階は屋上だから、屋上って言っても大丈夫だ。何階上がって、って言ってもその通りになるから。」

「こんなものがあるのってここくらいじゃないかしら…」

ルティが呆れたように苦笑いしている。

リリファは、もう驚かない、もう驚かない、と小さく呟いている。

「地下は1階だけだ。とりあえず倉庫にしようと思ってるけど、説明もあるから先に下に行くか。」

もう一度石に触れる。

「地下一階へ。」

そう言うと石がひかり、地下一階へ着いた。

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