第61話 家(5)
リリファに続いて他の妖精族の子達も了承してくれたので、早速雑草。燃やすことにする。
「《ファイヤウェーブ》」
文字通り、10mほどの炎の波が雑草を飲み込んでいく。
ヘルプに手伝ってもらいつつ、同時に《魔力操作》も使い炎が敷地の外に燃え広がらないようにする。
「うわ…」
雑草が焼けていくのを見て、リリファが引いていた。
他の妖精族の子達は驚いたり、興奮して飛び回ったりしている。
「ちょっと、タケル?こんなの使おうとしてたの?あたしが止めなかったらあたし達なんてひとたまりもないじゃない…」
「いや、俺も驚いた。こんな高さになるとはおもってなかったからな。」
(他に誰かいなかったよな?)
「はぁ…普通使ったことの無い魔法は練習してから使うものでしょ。ふぅ…早めに止めてよかったわ。本当に。」
「あー、まぁ、結果的に無事だったしな。」
「もういいわよ。それで、いつから家を建てるの?それまで当分先ならタケルにお世話になっちゃうけど。」
「今からだ。」
「そうなの?全然人が来てないけど?」
「俺が作るからな。」
「はい?」
(じゃあ、ヘルプ、頼めるか?)
「はい。了解しました。」
それと同時に脳裏に作る家が浮かんでくる。
ヘルプには事前に必要なことは伝え、後は任せていたので、初めてみたのだが、一般的な日本の家を横にも縦にも大きくした感じで、特に変なところはない。
あえて言えば、外壁が白色なので汚れが目立ちそうなくらいか。
(いい感じだな。魔力はどのくらい使うんだ?)
「170億くらいです。」
(だいぶ使うんだな?ギリギリじゃないか?)
「そのように設計しましたから。」
(なるほど。じゃあ、そろそろいくぞ。)
「はい。いつでもどうぞ。」
ヘルプの言葉を聞き、《創造》を発動する。
発動した瞬間、目の前にはイメージ通りの家が建っていた。
「はぁ…結構…きついな…」
「は?え?えぇ…」
後ろに目を向けると、リリファが取り乱している。
(久しぶりにこんなに疲れたな。)
「あなたは体力も多いため、疲れる機会はあまりないですからね。」
(ああ。ありがとな。)
「どういたしまして、あなた。」
(でも、やっぱり作ってみるとかなり大きいな。8階は多かった気がして来たな。)
「そのために転移魔方陣も設置したでしょう?」
(階段がないのは違和感があるけどな。)
エレベーターを設置しようと思っていたが、転移魔方陣の方が楽だということで、転移魔方陣の方が採用された。
ヘルプによると、地中の魔力を利用しているらしく、故障することがないうえ、事前に魔力を登録しておくことで、登録されている人物以外は転移魔方陣の使用が不可となり、防犯にもなるらしい。
あとは、魔力は転移魔方陣と同じく地中から取り込み、全ての壁に温度や湿度、気圧を調整できるようにしてある。
「よし。じゃあ、入るぞ。」
「はい。」
「ええ。」
「待って?」
ルティ、レイラは普通に入ろうとしていたのだが、リリファに止められる。
「どうかしたのか?」
「いや、え?私がおかしいの?」
リリファが同意を求めるようにレイラを見る。
「そのうち慣れると思います。」
リリファの視線がルティに移る。
「早く入りましょう。」
「いやいや、おかしいよ!?一瞬だったよ?ねぇ?」
ルティとレイラは、リリファをおいて家の中へ入っていく。
「えぇ…あたしだけ?」
「大丈夫だ。たぶんそれが正常な反応だから。」
「そうよね?あたしが普通よね!」
リリファが仲間を見つけたという目で見てくる。
(まぁ、その反応をさせたのは俺ということは気付くまで放っておこう。)
「ほら、リリファ、早く入るぞ。」
「うん。」




