第26話 武器(1)
2日間投稿せず、申し訳ありません。
「2人はどんな武器を使うんだ?」
ヘルプに道案内をしてもらいつつ、武器屋に向かう途中に聞いてみる。
「私は剣よ。大きいやつ。」
(あー、大剣か?正確な名前がわからないが。)
「持てるのか?」
「あー…」
そう呟き、
(ほら、私は魔族だから。)
と、念話で教えてくれた。
「なるほどな。」
人族と魔族では、根本的な力が違うんだろう。
「レイラは何を使うんだ?」
「私は、短剣というか、ナイフを使います。」
「なるほどな。」
レイラは、この世界の人としては珍しく、ユニークスキルを持っている。
《毒生成》というユニークスキルで、様々な毒の作り方がわかるそうだ。
さらに、それを貴族に対して使ったことで、称号《毒使い》があり、その称号におかげで自分が作れる種類の毒は効かないようだ。
ちなみに、レイラのステータスはこうなっている。
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名前:レイラ
年齢:14
職業:タケルの奴隷
Level:3
体力:90/90
魔力:80/80
物理攻撃:35
物理防御:65
魔力攻撃:30
魔力防御:100
魔法適正:水・風
ユニークスキル:毒生成
スキル:料理(level1)
魔法:水属性魔法(level1)
風属性魔法(level1)
耐性:毒耐性(全)
水属性耐性(小)
風属性耐性(小)
称号:毒使い
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ルティと比べるとステータスはかなり低く見えるが、他の人族としては高い方だ。
普通この年齢の人族のステータスは、大体ルティが《隠蔽》を使った後の数値くらいになっている。
職業は、契約をした時に変更されていた。
ルティも同様だ。
話しているうちに武器屋に着いた。
個人で開いている店で、他にもいくつかあったが、ヘルプによると、店主がドワーフで、1番腕がいいらしい。
中に入ると店主にすぐに話しかけられる。
「どんな武器だ?」
言葉は足りないが、探している武器の種類を聞いてるんだろう。
「大剣?あー、大きい剣と、短剣だ。」
「お前が使うのか?」
店主は俺を見ながら尋ねてくる。
「いや、この2人だ。」
一歩後ろに下がり、ルティとレイラの肩に手を置く。
「…使えるのか?どっちだ?」
大剣の方だろう。
ルティの肩を少し押し、前に出させる。
店主がルティの腕などを観察し、1つの大剣を持ってくる。
「振ってみろ。」
ルティは店主の言う通り、大剣を振る。
ぶんぶん、とものすごい速さで剣が振られる。
「うーん、もう少し重いのない?」
店主がそれを聞き、別の剣をルティに渡す。
「振ってみろ。」
ルティが再び剣を振る。
先程の剣より重いので、振る速度は遅くなってるんだろうが…
(全然違いがわからん…)
違いを見極めるのは少し前まで中学生だった俺には不可能のようだ。
「うん。いい感じ。」
ルティは納得したようだ。
「それにするか?」
店主がルティに聞くと、ルティはこちらに振り返ってくる。
「これでいい?」
「ルティの好きなやつでいいぞ。俺は大剣を使わないからわからないからな。でも、他に同じ重さがの剣があるなら見せて貰えばどうだ?」
「そうね。」
店主もこちらの話が聞こえていたようで、いくつか他の剣を持ってくる。
「さっきの剣と大体重さは同じだ。」
ルティはひとつひとつ振って、それから数分ほどして、一つの剣に決めたようだ。
その剣は、刀身が黒色と赤色で、ルティによく似合っていた。
(武器に似合うも似合わないもないと思うが。)
剣を店主に渡すと、心なしか嬉しそうに見えた。
気になったので店主に話しかける。
「嬉しいのか?」
「当たり前だ。」
店主は即答した。
「自分の作った剣が、強いやつに使われるのに、嫌な鍛冶屋はいない。」
(なるほど。)
「次は短剣だったな。」
次はレイラの短剣を見繕うようだ。
誤字・脱字がありましたら教えてくださると幸いです。