第24話 朝
途中から、レイラ視点です。
「…」
(結局眠れなかったな…慣れないとずっと寝不足だぞ…)
左右でぐっすり眠っている2人を見る。
レイラは俺が少し動いてしまったからか、起きてしまった。
手で目の周りを擦っている。
(…かわいいな。)
そんなことを考えていると、レイラは完全に起きたようだ。
「お、おはようごさいます…」
顔を赤くしながら言う。
「おはよう、レイラ。」
ルティは一向に起きる気配がないので、肩を揺さぶる。
「ルティ?」
「ん…んー…っ!?ご主人様!?」
ルティは少し手足を伸ばし、目の前に俺の顔があったため、驚いて飛び起きた。
「ああ、ごめん。驚いたか?」
「え、ええ。少しね。おはよう、ご主人様。」
「うん。おはよう、ルティ。」
「もしかしなくても、寝顔見たよね…はぁ…」
「…わ、私もです…」
レイラはまた顔を赤くする。
「まぁ、隣に寝てればな…」
「レイラ、ご主人様より先に起きた?」
「私は後でしたよ?」
「…私達、奴隷としてどうなの?」
「言わないでください…」
レイラは少し落ち込んでいるようだ。
「そんなの気にしなくていいぞ。」
「気にしますよ!ご主人様より先に寝て、後に起きるなんて…」
「え?レイラ、私が寝る時起きてたよね?」
「はい。ルティより後に寝ましたよ。」
「ルティはすぐに寝てたな。」
レイラもルティが寝た後、あまり間をおかずに寝ていたが。
「…ご主人様、いつ寝てるの?」
「…」
思わず目を背ける。
レイラと目があってしまった。
「…ちゃんと寝てますか?」
レイラにも言われてしまった。
「いや、その…な?そんなことより、朝食食べに行くぞ。」
「「ご主人様は寝てて(ください)!」」
2人にそう言われてしまったので、ベッドに戻る。
徹夜が効いたのか、すぐに眠りについてしまった。
「寝た?」
私は、ご主人様に、顔を近づける。
「はい、寝てます。」
「そっか…よかった。」
「私達のせいでしょうか?」
「まぁ、そうだね。」
ルティは苦笑いしながら言う。
「意識はしてくれてるのかな?」
「はい。多分ですけど。」
私は、ご主人様に申し訳なく思いつつも、嬉しく感じてしまった。
最初に見た時に、私は、ご主人様に自分を買ってほしいと思いました。
まあ、簡単に言うと一目惚れ、ってやつです。
自分でもどうかとも思ったのですが、もうどうしようもありませんでした。
次の日に買ってくれると言われた時は飛び上がってしまいそうなくらい嬉しかったです。
もう1人の方ーールティとも話をして、仲良くなりました。
ルティは普通に寝てしまいましたが、またしはドキドキしたままで眠れませんでした。
次の日に、約束通りお金を持ってきて、私達を買ってくれました。
どこかの貴族なんでしょうか?
ということは、私を抱いてくださるんでしょうか?
全く嫌ではなく、むしろ早く抱いてほしいと思いました。
まあ、結局、昨日は抱いてくださりませんでしたが…
私は、ご主人様に近づく。
「んっ…」
ご主人様の頰に口づけをすると、自分でもびっくりするくらい顔が火照ってきたのがわかった。
(こんなことをして、ご主人様は許してくださるでしょうか?)
ご主人様から、離れてルティと目があった。
ルティは驚いたまま私を見ている。
(忘れてた…)
さらに私は恥ずかしくなってしまう。
「れ、レイラ…今…」
こうなったら開き直ってしまいましょう。
「ご主人様には、内緒ですよ。」
ルティはそれを聞いて、少し顔を赤くしていた。
「…わ、わかった。けど…」
そう言いながらルティもご主人様に近づくと、私とは反対側の頰に口づけをした。
「え…」
思わず声が出てしまう。
「わ、私のことも内緒ね!」
そう言って顔を赤くしていた。
…そういえば、ご主人様に頭を撫でられてから…
「はい。内緒です。」
私も頑張らないといけませんね。
誤字・脱字がありましたら教えてくださると幸いです。