第19話 資金集め(2)
「はぁ…」
森に着き、俺はすぐにヘルプ機能の《索敵》と《地形把握》を使い、魔物の位置を探る。
(近くにはスライムにゴブリン、オークか。とりあえずオークから倒すか。)
ヘルプに頼りながらオークを目指し歩いて行く。
(あっ、そういえば、薬草とかってここらへんにあるのか?)
異世界もののテンプレだ。
俺は期待を込め、ヘルプに尋ねる。
「あります。一番近いものでは右足から正面約20cmのところに生えています。」
俺はヘルプの言葉通りに視線を移す。
(…これか?)
「はい。それが薬草です。」
(…まじか…)
薬草を手に取り近くで見てみる。
(…これは…)
その薬草は青色をしていた。
(これが薬草か…まぁ、見た目はともかくどこかで使うだろうから少し取っておこう。)
薬草は一本の真っ直ぐな茎の側面から細長い葉が生えている。
群生している場所は、一つの根から何十本もの茎が生えてできているそうだ。
根がある限り生えてくるそうなので、一つの茎で
薬草一つという数え方をするらしい。
また、いくつも根をとったりするとギルドから注意をされるそうだ。
根を抜かないように気をつけながら、20本ほど抜いてから、再びオークがいる方向へ向かって歩く。
すると、2匹のオークが戦っていた。
ヘルプで確認した時は拡大などをしなかったので2匹ということには気がつかなかった。
(まあ、何とかなるだろ。)
幸い、オークは互いに注意がいってるため、こちらには気がついていない。
(気がつかれる前に、《創造》)
2匹のオークの頭上に2本の槍が現れる。
そしてそのままオークの頭に突き刺さった。
俺はすぐに魔石と目を回収する。
(よし、どんどん行くか。)
「これだけの数を1日で?」
ギルドで依頼の紙と、部位を出す俺にそう声がかけられる。
(まずいな。目立ってるか?とりあえず質問には答えるか。)
「そうだが…問題あるか?」
「いえ、少々驚いただけですので。失礼ですか、これだけの魔物をどうやって探せたのか教えていただいても?」
「強制か?」
「いいえ、強制ではありません。」
(強制だったら危なかったな。)
変に注目される可能性があった。
「すまないが教えることはできない。」
「そうですか。では依頼の報酬の計算に入ります。スライムが30匹、ゴブリンが60匹、コボルトが25匹、オークが12匹、オーガが6匹ですね。依頼は、スライムは魔石を1つ銅貨6枚で買い取るので、銅貨180枚。ゴブリンは耳を1組銅貨5枚で買い取るので銅貨300枚。コボルトは鼻を1つ銅貨8枚で買い取るので銅貨200枚。オークは目を1組銀貨3枚と銅貨5枚で買い取るので銀貨36枚と銅貨が60枚。オーガは角を一つの銀貨4枚で買い取るので銀貨24枚になります。合計で銀貨60枚と銅貨が740枚になります。銅貨を銀貨へお替えしますか?」
(740枚か…かさばるな…いや、空間魔法でどうにかなるな。そうすると、銅貨か一番使う機会が多いから…)
「いや、そのままでいい。あと、魔石もいいか?」
「大丈夫です。では、お先に依頼の分をお渡しします。」
俺は受け取り、空間魔法で収納しておく。
「…空間魔法…」
「なにか?」
「いえ、珍しかったので、失礼しました。では、魔石をお願いします。」
「ああ。」
俺は魔石を受付に出す。
「…はい。確認しました。依頼と同じ数ですね。銀貨78枚に銅貨が680枚となります。」
「ああ、確認した。」
受付から代金を受け取り、ギルドを後にする。
(今日だけで、銀貨138枚と銅貨1420枚。
つまり金貨28枚分か。案外早く稼げたな。)
そのまま服を売りに行く。
「今着てる服を売るとしたらどれだけ出せる?」
「これは…少しお借りしても?」
「ああ。」
そうして店員は奥へ服を持っていった。
その間に変わりにこれから着る服を買うことにする。
さっきとは別の店員に言う。
「この服とこのズボンを5つずつ。あと、この靴下と肌着は7つずつ頼む。」
「全部で金貨1枚と銀貨2枚になります。」
(安い…いや、そうでもないのか?今日、俺が稼いだのは日本で28万か…そう考えると凄いな。)
「これで頼む。」
「はい。ちょうどいただきました。どうぞ。」
店員から服などを受け取る。
するとさっきの店員が戻ってきた。
「失礼ですかこれはどこで?」
「言えない。」
「どうしてもですか?」
「ああ。」
「…わかりました。服のみしか確認していないため、正確にはわかりませんが、普通とは異なる材料と製法で作られていることを考えると紋貨5枚はかたいかと。」
「わかった。今日置いていったら明日の朝までには正確な金額がわかるか?」
「はい。大丈夫です。」
「わかった。少し借りるぞ。」
そう店員に告げ、受付の奥で先ほど買った服に着替え、
服などを店員に渡す。
「はい。預かりました。」
「明日の朝までに頼むぞ。」
「はい。ありがとうございました。」
店員が頭を下げている。
(そう言うところは日本と変わらないのか。)
服屋を後にし、奴隷を売っているところを探す。
(あー、探すの面倒だな。ってことでどこで買える?)
ヘルプに尋ねる。
「約10m直進し、路地へ入り、約4mほど進み、右側の店です。」
(結構近くだな。)
そのまま奴隷商の店へ向かう。
中途半端です。
誤字・脱字がありましたら教えてくださると幸いです。