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学生生活

デビュタント後に貴族学園に入学するとドミニクとセリーヌの交流は月一ではなくなった。

婚約が公のものとなったのでドミニクがマリオン侯爵家の馬車で迎えに行き2人揃って通学していた。

しかし、成績はほぼトップで人当たりよく面倒見もいいイケメンがモテないわけはなく、隙あらば女生徒に取り囲まれる状態であった。

そんな中でも昼食は必ずセリーヌととると決めていた。


「婚約者さまはおモテになるのですね。

私に遠慮なさらず他の方とランチされてもよろしくてよ。」

「私は昔から女性にグイグイ来られるのは苦手でね。

君のような淑女といる方が落ち着くのさ。」

「お義母さまが理想ですものね。」

「否定はしないが、母上は母上でしかないよ。

セリーヌはセリーヌだ。代わりなんていないよ。」


セリーヌははしたなくも嫉妬してしまい自己嫌悪に陥りながらも、卒なく返してくる婚約者に物足りなさを感じてしまう自分に困惑した。

常に大人の対応をする美しい婚約者に安心感と同時に不安を覚えてしまうことを不思議に思った。


※※※


上位貴族の令息令嬢は幼い頃から複数の家庭教師が付きっきりで教えるものなので新たに学ぶことはほとんど無いが下位貴族はここで多くを学ぶ。

上位貴族は学園でも社交に励むことになる。

ドミニクは自分の世代の勢力図を思い描きながら各家の当主となる人物の見極めを行いつつ下位貴族の中から優秀な人材を探していた。

クリストフ王太子と側近2人も同学年だったのでそれなりに親しくはなった。


貴族学園には王族専用のサロンがある。

入学から半年経ったある日、そこにドミニクは呼び出された。

クリストフ王太子と側近2人が待っていた。


「ドミニク・マリオン、生徒会に入らないか?」

「殿下、すでに1年生が3人も在籍しています。偏るのではないですか?」

「視野の広さは君の美徳だが心配は無用だ。

年次よりも家格が重視されるのだから逆に君がいない方が不自然なのだ。」

「分かりました。謹んでご下命をお受けいたします。」

「ついでに私の側近になってくれないか?」

「それは…私は外から殿下の治世をお支えする役回りであると愚考します。

領地貴族家の利益代表として王宮と調整させていただきます。

いたずらに対立するのではなく国として利のある方向に皆さまと共に導いていきたく思います。」

「相変わらず隙のない男だ。それでは頷くことしか出来ないではないか。

まあよい、信頼している。よろしく頼む。」


ここへ来て前世のサラリーマンの処世術が大活躍である。

「Win-Winの関係でいきましょうや」と言えば大抵上手くいく。

これが戦乱の世であったならまるで役に立たないだろうから良い時代に転生させてくれたものだ。

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