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いかん、いかん。なぜ歌夜さんがここにいるのかは終ぞ不明に終わりそうだが、理由を求めて死んで行った考古学者はごまんといるでは無いか。
なんの関係性もありはしないが、まあ、そういうことにしておこう。その方が精神衛生上いい気がする。
さて、不測の事態に対して天女であられる歌夜さんを屋根があるとは言え雨ざらしの様な場所に立たせているのも忍びない。
配慮が足りない。私の人生はなんの為にあったのだ。歌夜さんを雨の中ドアの前に立たせることか?いや、否である。そりゃ、そうである。
「えっと、とりあえず……」
ここで、言い留まった私を誰が褒めて欲しい。
私の後ろ、即ちこの部屋の住民である所の私の部屋なのだが、問題がある。
隠す気は無いのだが見栄は張りたい。
……部屋が汚いのである。
このボロアパートは6畳の決して広くない部屋なのであるが一人暮らしにおいて意外と快適だったりする。
そして、快適は怠惰を産み、怠惰は部屋をどんどんと足の踏み場を消してゆく。
具体的な状況を説明しようと思う。
潔癖症の者が居るのであればここで、ブラウザバックする事をオススメする。
まず、玄関だが、靴の上に何故かパンパンに膨らんだゴミ袋が散乱している。
玄関とフローリングの境目はこうして摩訶不思議にも消えたのである。
ペットボトルも添えてある。アクセントである。
……茶化さないとやってられないと気がついた。昨日までの自分は別物なのだと実感している最中である。申し訳ないがこれは序章である!




