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「と、言うことがあったんだがどう思う」
後日大学構内のとある場所にてよく話す物に事のあらましを話していた。自慢半分と夢だったのではないかという考えが拭えなかった結果、人に話す事にしたのだが、生憎と頼りにしていた人は見当たらず、仕方なくこの目の前の男に話しているというわけである。
「それは夢ですねー、ゲヘゲヘゲヘ」
「ええい、うるさい。その下卑た笑い声を今すぐ辞めろ」
ソイツは下品が顔を持ったような男で声から顔、更には仕草までが人を不愉快にさせることのプロであった。それは勿論私にも適応される。
「いやいや、そんな夢物語誰が信じるんです?」
「ぐっ、確かにそうだが……そうだ写真があるぞ」
「そんなものなんの証明にもなりませんよ」
「なんだと」
「忘れたのですか?ウチの大学の写真研究会のキモさっぷりを」
「ああ、あそこは民事裁判起こしたらしょっぴけるレベルだったな」




