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歌夜さんがゆっくりと掌を私に見せる。五本の指、即ち50万を示唆している訳であろう。
顎で封筒を見てみろと指図された気がするので心の中でだけ『ありがとうございます!!』と叫び封筒の中身を拝見させていただく。
なんと、野口英世が50人。
なんだろうか、残念な気持ちとホッとした気持ちが混じりあってとても気持ちが悪い。
きっと50万と決まってもいない結果に飛び込む気持ちはネズミと同等の思考回路なのだと言われているようで普段ならば怒り心頭であるが、歌夜さんがそう啓示されたのならば迂闊な事を控えよとの事だろう。
「いやー、ビビりますよ。こんな意味深にされると」
「これは、前金ってやつ?」
「5万で前金とは羽振りのいい。歌夜さ、歌夜はそこまで切羽詰まっていらっしゃるのでしょうか」
「えへへー」
重症とみた。きっと家庭教師とかに頼っても結果が出ず。現役生の方が感覚も近い事を考慮しての事だろうと辺りを付ける。
しかし、それならばナイスと言っておこう。こうして、私に歌夜さんにお近づきになることが出来たのだから。
「分かりました。やれる事はやりましょう」
「わぁ、本当ですか!ありがとうございます!では、成功報酬は此方に成りますので一緒に頑張りましょー」
ドンッとテーブルに乗せられた封筒は先程のより重厚感が出ている。見た目的には一緒なのに。
「5万ですね、いやー学生にはありがたい」
「えっ、違う」
「……違うとは」
「50万、月払い」
拝啓、血縁上の両親へ。私は今、首に死神の鎌が架けられていますが元気です。




