閑話⑤ よく考えたらクリパしてる暇無かったわ
文化祭が終わってしばらく経ったある日の昼食時。
文化祭以来何故かFチームの全員で第2被服室でお昼ご飯を食べている。教室にいると他のクラスの生徒が入れ替わり立ち代りやって来るからだ。
のんびりと相変わらずどうでもいい話とオタク話が飛び交っている。
そんな中、ふとコバが切り出した。
「みんなで盛大にクリパしようねって言ったじゃん」
「言ったね」とワッちゃん。
「言ったな」
「楽しみ」
「肉食べたい」
「ケーキも欲しい」とそれぞれ肯定する
そしてコバが続ける。
「12月24日25日、よく考えたら無理だわ」
数秒後。
「え?」
「え?」
「え?」
「え?」
「アッ!」
全員が同じ反応だった。1名だけ若干違ったが。
「なんで?」
イシイの質問にコバが即答する。
「仕事」
あぁ。全員が察した。
コバの伯父が経営する喫茶店『アルプス』では、毎年クリスマスシーズンになると常連客向けに限定スイーツを販売している。
ブッシュ・ド・ノエル。
シュトーレン。
その他もろもろ。
つまり、クリスマスが一年で一番忙しい。
「24日とか25日とか、厨房戦争だよ」
「戦争なんだ」とイッチ
「活気じゃなくて殺気立つ」
「そ、そうなんだ」男子3人がビビる。
すると今度はワッちゃんが発言する。
「あー、ごめん。たぶん私も無理だわ」
「え? なんで?」とモリ
「コミケ」
「あぁ~」
全員さもありなんと頷く。
年末のオタクに人権はない。
それはこの場にいる全員が理解していた。
「29日から31日までコスするし、今年は3日間なんだよ」
「衣装作るの?」とイッチ
「作る」
「何着?」
「えっと、『あんスタ』と『ツイステ』と合わせがあるから三着?」
イッチ「死ぬじゃん」
ワッちゃん「死ぬね」
当然のように言い切った。
タケちゃん「それじゃぁクリスマス無理だねぇ」
モリ「無理だね」
イシイ「そもそも冬休み入ったら冬期講習とか帰省とかあるしな」
イッチ「じゃあいつやるの?」
全員が考える。そして
コバ「一月でよくない?」
ワッちゃん「クリパじゃなくなる」
コバ「新年会」
タケちゃん「解決した」
イシイ「肉食えるなら何でもいい」
モリ「それな」
-こうして。
文化祭の打ち上げ兼クリスマスパーティーは。
いつの間にか。
新年会へと姿を変えたのであった。
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後日。
ワッちゃんねるから振り込まれた広告収益を見ながら彼らは思う。
(まぁ、みんなで集まれれば何でもいいか)
文化祭から始まった不思議な縁は、まだ終わりそうになかった。
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こちらで本編は完結になります!
ありがとうございました!
★で評価いただけたら嬉しいです。よろしくお願いします。
続編のリクエストがあれば頑張って書きます〜




