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9/11

ハイ

お久しぶりです。

なんか最近眠くて眠くてしゃあないのですよ。

一応少なからず見てくださっている方がいるのに申し訳ない。

多分こんな距離感じで遅れることも多いでしょうが、それでも見てくれるって方は気長にお待ちになってください。



視界が真っ黒だ。

だが意識はある。

風の音も聞こえる。

大地を踏みしめている感覚もある。

目元に手をやってみる。目玉のしっとりとした感触があった。目はある。

つまり、何らかの小細工で失明させられているということ。

道がまっすぐなのでひとまずなんとか走れている。

だが、この状態で長いこといるのはリスクが大きすぎる。


ジャッジャッジャッジャッジャッ


土を蹴る音がいつも以上に耳に入ってくる。

視覚以外の感覚が研ぎ澄まされていた。


「うそ〜…何で走れているの〜?」


「頑張ってんだよ!!!!!死にてぇか!?」


「すごいわね〜」


シュッ


「おっ!!とっと〜…危な~い」


足音の鳴る方に適当に包丁を投げてみたが、流石に当たらない。それにたくさん投げて、なくなっても困る。

ひとまずは視覚を戻さなければ。


「お行儀の悪い子ね〜…」


めちゃくちゃ嫌…だが……………………………


゛やり方 ゛は分かっている。


ブチュ


「あら?何して……………っ!」


ジャッジャッジャッジャッジャッジャ………ポタポタポタ


「ァァ……」


本当にやってしまった。痛い。

゛自分の目を潰す ゛なんてこと、これっきり2度とやってたまるか。


「……ハァ…ハァ…」


__________________________________________________


「ハァ…ハァ…」


私の特異魔術で…失明させた。

しかしどうだろう。普通失明すれば普通に歩くことすらままならないはず。

それが失明してなお、パフォーマンスを崩すことなく素晴らしい走りを見せた。

それどころか、目の前の人間は自分の目を潰した。

パニックだとかヤケクソだとかそういう類いのものではない。

あれがそう言う反応ではないことを知っている。

何が狙いか?

分かりきっている。失明を、治す気なのだ。

どういう方法かは分からない。

だがあの異様な足腰。そして結界内への侵入。少なくとも ゛何か ゛ある。

普通じゃない。

だがこの状況が分かったところで私の特異魔術では決定打にならない。

おそらく奴の目は近い内に回復する。

そうなれば今以上に調子を取り戻し、何かあの包丁で小賢しい真似をして逃げ切られる可能性がある。コイツに少し外に出られただけでもかなりまずい。この状況は、あまりよろしくは、ない…




いや…だけど…それは奴も同じこと。

奴は今何故失明したのかも分かっていないし、私から逃げ切る確実な決定打も持っていない。現に今必死こいて、ちょっと包丁投げるくらいしかせず、ただ逃げているのがその証拠…。

仮に策を弄したところでそれが私に通ずるとも限らない。むしろ体力を余計使う分逆効果にさえなる。

なるほど…お互いフェアってわけね♡

まぁ、要するにこれは…


__________________________________________________


あと数秒すれば目は治るだろう。真ん中あたりの視野が少し戻ってきた。

だが状況は以前変わらない。コイツが何なのか分からない今はとにかくこの調子で逃げ切る…


ジャッジャッ…ドッ!!!


「なんだぁ!?」

突然何かデカい衝突音がなった。


ドドドドドドドドドド


ダチョウの群れでもきたのか!?とんでもない足音の密度だ。あいつ何をした?!

…視界が戻った!

ひとまず音の聞こえる後方へ振り返る。

すると…


「う、ウワァァァ!!!!」


先ほどの走りもなかなかのものだった。

しかしそれが軽いジョグにさえ思えるほど、鬼気迫る走りが、すぐそこにあった。


「キャはっ!キャはっ!キャはっ!」


女は、笑っていた。

何か、たがを外したようなこの様子。

俺はコイツのこれを知っている。知っている。

その感情。

ランナーズハイ。

長時間の運動の際、まれに起こる現象。エンドルフィンが過剰に分泌されることにより疲労・筋肉の痛みなどが限りなく緩和され、激的な多幸感に包まれる。

マラソンやってたダチが中学の時こんなんになってた。

そいつ曰く、初めてランナーズハイになった時、何か新しい感情というか、本能みたいなものが芽生えたと、そう言った。

走らずには生きていけない。そんな風なものをそいつは

゛疾走本能 ゛と呼んでいた。


「キャは!」


「クソが!てめぇランニングジャンキーだったのか!!」


距離がいつの間にか最初の半分は詰められていた。


ジャッジャッジャッジャッジャッ


「ハッハッハッ……ハァー…ハッハッハッ……ハァー」


まずい。ペースを上げなければ。確実にやられる。何か小細工する余裕は…ない!


ドドドッドドドドドドッド


「ハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッ…ングァッ…ハッハッ…」


__________________________________________________


ペースを…上げ、たようね

一応私と一定の距離を…保ててる

でもぉ!っ火事場の、馬鹿、力なんて付け焼き刃…なんて!!!!!しょうもない…モン!!


「叩き割ってやるわァァァァ!!!!この粗チン野郎ぉぉっほぉぉい!!!キャはっ!!!」


「クソぉぉぉぉッッッ!!!!!!この!!!!イカれがァァァ!!!!」


__________________________________________________


理解した。これはもう策を練るだとか、どうにか勝機を見つけるだとか、そういう次元を超えた。

ただシンプルな1つの事実。

これは…

__________________________________________________


これは…

__________________________________________________



【【より゛疾走れる(はしれる) ゛方が勝つ。そういう戦いッ!!!!】】

見てくれるてありがとうございます!

ナマコを食べたことがないから死ぬ前に1回は食ってみたいよねナマコ。

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