改変
ピッコーーーーン
「なんだ?」
俺は日課となっているネット小説ランキングを眺めていると突然スマホに通知が来た。普段は小説を読んでいるときに通知とか来たら邪魔になるので通知オフにしているのだが……
「あれ?俺通知オフ解除したっけな?」
てか、そもそも通知オフを解除したことがないので普段とかじゃなくていつもだった。それはともかく通知オフにしているはずなのに通知が来るとは…まさか……
「またか…」
通知オフにしているはずなのに通知が来るのは決まって一つだ。それは……地震とか起こった時もしくは避難訓練の練習とかで勝手にメールとかが送られて来るのだ。これらは通知オフにしていても通知がお知らせされ、受信も拒否することができないのだ。
「はぁ~こればっかりは仕方ないか…」
こればっかりはどうしようにも出来ないことなので首をポキポキと鳴らし続きを読もうと画面に出ている通知を消そうとタップしたその瞬間……
『これよりこの世界は改変された』
スマホの画面がプツッンと電源が切れたかのように真っ暗となり、そして赤い文字が浮かび上がって来た。
『これよりこの世界を舞台に種の存亡をかけた争い戦争を行う』
『生きたければ戦え!』
『守りたければ戦え!』
『願いを叶えたければ戦って戦って勝ち取れ!』
「………なんだったんだ?」
スマホの画面は何事もなかったかのように先ほどまで見ていたネット小説のランキングを開いていた。
「バグか?それともウィルスか?」
先ほどのような現象は初めてだったのでどう対応していいのかがわからない。もしバグのようなものだったのならケータイショップへ行かないといけないだろうし、ウィルスだったとしたら……これもまたどうしたらいいのかわからないのでケータイショップへ持って行かないといけないだろう。
「…ん?あれ?アプリが消えてる?」
スマホを前にどうしようかと悩んでいると突然スマホの中にインストールしているアプリが勝手に消去され始めた。
「ちょ!ちょっとまって!まだ読みかけの小説が……」
どうにか消去されるのを防ごうと画面を何度もタップしたが反応はなく俺は何もすることができずアプリは消去されてしまった。
「くそ!これってウィルスってやつか!」
勝手にアプリを消していくウィルスがあるって前にテレビでやっていたような気がする。その時は勝手に消されたりしたら発狂ものだな~なんて軽く考えていたがいざ自分の身に降りかかってみると発狂することはなかったが呆然としすぎて声も出なかった。
「あれ?なんかインストールされてる?」
アプリが全て消去され画面の表紙がすっきりと見れる中で一つアプリが勝手にインストールされているのに気がついた。
「今度はなんだよ!ちくしょー!」
今更ケータイショップに向かってもここからなら早くても30分以上かかってしまうし、今持っていってもウィルスにやりたい放題された後になってしまうので意味がない、それならと俺は何が起こるのかを目を限界まで見開きしっかりと目に焼き付け何が起こったのかを把握することに決めた。そして後々ケータイショップで事の顛末を説明してなんとかデータ復旧が出来ないかを相談することにした。何も知らない状態だとケータイショップの方も困るだろうからな。
「ステータス………なにこれ?」
新しくインストールされたアプリの名はステータス……いやステータスって言葉の意味は知っている。ゲームでいう能力値を表すものだよな?
「なんなんだこれは?」
俺は少し気になってステータスって書かれたアプリをタップして開いてみることにした。
名前 :ゲンエイ
レベル :1
職業 :
体力 :5
魔力 :0
筋力 :3
耐久 :3
敏捷 :4
器用 :2
スキル :
「…へ?なんじゃこれ?」