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お客様第一号

 ずっとダンジョンに篭りっぱなしだったから体を動かしにレベル上げをしに行こうと以前国王に貰った地図を取り出す。

 黒く塗り潰された所が強力な魔物が跋扈する魔境だと言っていた。


 俺の居る大魔境ダエルダルは大きく真っ黒に塗りつぶされている。

 領域化した面積は地上142k㎡。


「え~っと、この領域化した面積を踏まえて、ルーロン王国は大体2300k㎡ってところかな?」


 地図を睨みつけ適当にそう呟く。


 確か最初に訪れた村の人は小王国と言っていたよな?

 となるとこの国より大きい国はゴロゴロしてるってことか……。


「まあ俺的には小さいほうが守りやすいから良いけど」


 地図に塗られている大魔境ダエルダル以外で近そうな魔境を選び、そこへ飛ぶ。






「ふむ、意外と普通だな」


 眼下に広がる木々は平均的な大きさで、変わった特徴があまり見当たらない普通の森林って感じだ。


 俯瞰して目を凝らしてみると、大きな猪が寝ているのが見えた。

 傍らには骨や肉片等の残骸が残っている。


「まずはコイツから」


 ライトアローを射出する。

 黄色い閃光が大猪に一瞬で到達し、胴体に風穴を開けた。

 目を覚まし、プギィと鳴いて暴れまわり、木々を薙ぎ倒して暫くして絶命した。


「結構耐久力あるな。

次はヘッドショットだな」


 大猪は後でレドルの餌にするためにちゃんと回収する。


 それからはまた俯瞰して目につくモンスターにライトアローを放ち殲滅していく。

 さながらアローレインのような光景が続いた。


「これくらいでいいか」


 森からは獣、モンスターの気配が極端に減少していた。

 深層に居た強そうなのを仕留めていって、中層も狩り尽くし、生き物はおろか死体は一つも存在せず、全て俺が回収した。


「レベルの方はいかがかな~」


____________________

ディアガン 0歳 聖龍 Lv57

ダンジョンマスターLv7


HP154770/154770 MP248925/358512


力SS 体SS 防SS 魔SSS 速SS 運98


固有スキル

浮遊 聖域 咆哮

ブレス


アクティブスキル

聖魔法Lv1 光魔法Lv4 結界魔法Lv1


パッシブスキル

威圧 状態異常無効 闇魔法ダメージ無効

____________________


「滅茶苦茶上がってるな。

これならなんとか会議ってのに行っても他のダンジョンマスターさんに舐められたりしないでしょ」


 レベルが上がったことによりステータスが上がって大満足し、王都へ向かった。




 俺が現れた事により王都は騒然とし、歓声が上がる。

 手を振る子供達や中には膝をついて祈り始める大人達など様々で、その熱狂ぶりに若干引いてしまう。


 とりあえず王城を目指し、城門をまもる衛兵の前に降り立った。

 額から汗を流し、緊張した面持ちで門を開けてぎこちない動きで俺を中に通す衛兵さん。

 突然現れればそれもそうかと申し訳ない気持ち半分に中に入り、慌てて来た宰相さんに案内されて大きな部屋に通された。


 この部屋はもともと小規模のパーティーをする時に使われる部屋だけど、そもそも王族がやるパーティーは大規模なものばかりであまり使われていなかったから俺とルーロン陛下の専用の会談部屋となったと宰相さんは説明する。

 清涼感ある少し青みがかった白いふかふかの絨毯が俺の席だという。


 そこに座して王様を待っていると、暫くして扉が開き、柔らかな笑顔で王様が現れた。

 俺の前にある絢爛豪華なテーブルへと向かい、手の混んだ高級感ある装飾の椅子に座って対面する。


「久しぶりです聖龍様。

そろそろ連絡しようと思っていたので調度良かったです」


「なんかあったのか?」


「いえ、もう半月もしないうちに諸王国会議ですのでそろそろ出発をと思いまして。

ディアガン様は何かありましたか?」


「ダンジョンがほど完成して運営出来る状態になったからそれを知らせようと思ってね。

各都市、街、町に置いた転移陣を起動して受け入れを始めようと知らせに来たんだ。

その会議に間に合って良かったよ」


「ダンジョンが完成したのですか!!

観たいですねぇ……」


 爛々と目を輝かせてダンジョンに思いを馳せる若い王様。


「王都にも転移陣は設置してあるし見に来るか?

俺が案内するよ」


「ホントですか!!

是非お願いします!!

夢にまで見た我が国のダンジョンをついにこの目で直接……」


 そうと決まると、側に控えていた宰相さんに指示を出していく王様。

 あれよあれよと準備た整ってしまった。


 もしもの事があってはいけないから俺の結界で守りながら沢山の近衛兵を引き連れ王都の外に設置した転移陣へ移動する。

 何故外に設置したのかと言うと、一般人の往来を目的にしているから、特定の場所、人物に支配されない自由なところといったら王都の外しか思いつかなかった。


 だけど王族の人達の事を考えてなかった……。


「王城に王族専用の転移陣設置するか?

あっちに王族用の城でも建ててそっちに繋げて行き来しやすくするとか」


「そうですね……。

そうして頂けると有り難いです」


 という事で後でフロントフロアに王族用の施設を作っておかないと。


 一行は俺の案内で転移陣の元へ辿り着き、この場所だけダンジョンと接続をする。

 ちゃんとダンジョンと繋がったことで大きな転移陣は淡く輝き出す。


「これで俺のダンジョンと直接行き来出来るようになった。

この陣に乗ればあっちへと転移される。

いきなりモンスターが現れるとかはないから安心してくれ。

まずは人間達の為にモンスタの居ないフロアを作って街を作った。

まあ先ずは見てくれ」


 俺達は転移陣に踏み込み転移する。






 一瞬の浮遊感があって一瞬で景色が変わる。

 目の前に現れた王都と遜色ない、寧ろ俺の元いた世界を意識して作ったからこの世界の人間からしたらまるで異世界に来たような錯覚を起こすだろうが、整然とした街並みに全員が目を奪われる。


「ようこそ俺のダンジョンへ。

お客様第一号だな。

まだ建物が並んでるだけで何も無いが見てってくれ。

ここは人間に任せようと思っているんだ」


「せ、聖龍!!

なんですかこの街は!!

なんと雅な事か……」


 ルーロン国王陛下はキラキラと目を輝かせてはしゃぐ。


「あの立派な神殿は聖龍様の住まう所ですか?」


「いや、あれは迷宮への入り口だ。

あの神殿風の建物にはそれぞれの階層に繋がる転移陣がある。

初心者、初級、中級、上級、英雄級へと繋がる。

冒険者が各々自分の力に見合った迷宮へと行ってくれることを願うよ」


「なる程……。

聖龍様のお住まいになられている所はどこなのですか?」


「俺は最下層に住んでるよ。

ここは人間達の為のフロアだね。

各街へ移動する転移門として使うも良し、街にある建物を使って商いをするもよし。

本当に人間の為だけに作ったから後は全ての転移陣を開通させてほっておこうと思ってるよ。

あ、出きればあの神殿は冒険者ギルドの人間に管理を任せたい。

から神殿の隣に見えるあのでかい建物は冒険者ギルドにしようと思ってるんだ」


 俺がする説明を全員が聞き入っている。


 本当に何もない街並みを見てそれぞれがこれからの未来に想いを馳せるのだった。


「さあ開いてるスペースにお城建てちゃおうか」


 ダンジョンマスターのレベルが結構あがったことによってダンジョンメニューの建造物の種類がドンッと一気に増えて、殆ど何でも作れるのだ。


 この中から王様に相応しい豪華絢爛な城と言ったら……。


「よし!これが良い!!」


 今手持ちに3471万DPあるが、3000万使って城を召喚し設置する。

 シャンボール城に良く似た立派なお城だ。


 空いていた平原、街の隣に突如として巨大な城が聳え立つ。


「な、何と美しい城だ!!

今まで私が住んでいた城が霞む程に煌びやかな……」


「喜んでもらえて良かったよ。

さあ、どうぞこの城を使って下さいルーロン国王陛下」


 仰々しく頭を下げてこの城を王様に献上した。


 中に入り、王様は興奮しっぱなしだ。


 430ある部屋の中から一つ、割と大きめの部屋に魔法陣を設置し、これと対になるもう一つの魔法陣を戻る時に設置する。


 今はまだ家具とか何もないけど王様がなんとかするだろう。

 これはもう王様のものだ。


 この日は一旦王都の城へ戻り、転移陣を設置してからこのフロントエリアの城に戻ってきて過ごした。



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