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プチヒーラー  作者: テクマ
35/89

某王

王様がドラゴンに名前をつけた。

だが、その時、ふにゃはくいぎみに「ぐるぐる」がいいと言った。

たくみに自分を縄でぐるぐるに巻いたからなのだろうが、

理由は可愛いから、であった。

王様は自分が考えた名前にそれほどの愛着もなかったのでだまってしまった。そしてしばらく考えた後「あぁ、それがいいんじゃないか、かわいいし」と言った。

そしてドラゴンも「そっちがいいか、私は女だから」といった。

その瞬間からドラゴンはぐるぐるになった。





ドラゴニアではアンがレイの住む祖父の家に遊びに来ていた。レイの部屋は大きな窓のある個室で、天蓋のついたベッドと窓側には机が部屋の中央にむけて置いてあった。


「へーー、勉強部屋もらってるんだ」

「ここはレイラが使っていたそうだよ」

「ほーっ、旦那とあいびきをここでしていたのですか」

「まだ綺麗なレイラのころだと思う。旦那と出会ってなかったみたい」

「ふーん」

「私のように日々勉強だったそうな、そう聞いてますわ」


レイはちょっと偉そうに胸をはって見せた。

だがアンは流して言った。


「魔法の検定試験受けたんでしょ」

「あれね、思い出したくないが・・・私はなんとか二級だよ」

「ほーーっ、レイラは?」

「特級魔術師」

「特級魔術師まで後二つ、だよね?」

「一級の上にC級からSS級とあるんだよ」


アンはまた話を流して言った。


「じゃあ執事さんは特級か?」

「あの人は超特級、ただしもう誰も評価できないからなんとなくそうなるんだよね。

でもね、飛び級もあるからはやく特級魔術師になって・・・特級魔術師になって・・・私はその先に何になるんだろう」

「そこは最強のヒーラーの私とパーティーなり組むんでしょ」

「うーん、それもいいかな」


アンは自分に魔術師の才能がなくてよかったと心底思った。2級とは言え一定以上の魔法の才能が無いと試験を受けることすらできない。

『さらにこんなに延々と続く勉強は耐えられない』


机の上を見ると本が置いてあった。


「なになに、小説とか読んでるの?

さすが、レイはインテリだね」

「おばあちゃんが教養を高めなさい、と、小遣いをくれるので町で買ってくるんだよ」

「ふむふむ、夏目漱石で、我輩は猫である、か?

有名な本だよね」

「もう読んでるの?

先週出たばかりなのに」

「いや間違った、我輩こそ猫である、か、知らない本だな、なんか知ってるような気になっていた。

どれどれ、

暴走族に引き殺された子猫が転生して猫耳族になって、引き殺した暴走族の総長もガードレールに激突して死亡。そこから鋲を沢山打ったこん棒に転生して、猫耳族と一緒に異世界統一のため暴れまわる・・・か。

どっかで聞いたことがあるような。

あ、いやないない、新刊だもんな」

「その子猫が死ぬくだりがよく分からん。総長の乗っていたであろう猪ぐらいなら子供の猫耳族でも弾き飛ばすんだよな、よっぽど変なところに当たったんだろうか」

「あーっ、そうなるか、そう言う解釈での楽しみかたもあるんだな。ふにゃは見た目は華奢だけど人のなん十倍も強いからなあ。

ある意味ハイファンタジーなんだ、あ、いやローファンタジーなのかな、こっちを視点にしてるから」

「て言うか、これふにゃの話じゃね?」

「あー転生者なのかな、いや転生猫か。

でも、おともがあんな聖剣は嫌だな、なんかふにゃに取り付いているようだ。呪われているようにも見えるもんな」

「確かに、ふにゃ、はもっと幸せになれるよな・・・まあ、だいぶこの本を気に入ったみたいだねおねえさん。

アンも読む?

何冊か持って行っていいよ。

新しいのがいいなら買いに行こうよ、確か今日は本屋に作者が来ているらしい」


二人は城門から城下町まで出て町を散策した。そこで色々と買い食いしながら本屋に向かった。


「城の食事も美味しいけど、こういうのをたまに食べたくなるよね」

「そうだね、この甘すぎてかつ塩味もガツンと効いてるのはアシャの料理の特徴だなあ」


本屋の前まで来るとお爺さんが店主の他に一人座っていた。

二人はお爺さんを気にしつつも無視して本をとって見ていると。


「本はお好きかな?」

「ええ、まあ」


おじいさんが話しかけたら店主がお爺さんを紹介した。


「この人は最近流行りの異世界から転生ものやら異世界ものを書いてる作者さんの夏目先生だよ、今日、本を買うとサインをしてくれるよ」


アンは夏目先生に質問した。


「このお話はご自身の体験ですか?」

「あ、いやこれはなんと言うか・・・空想だよ、そうSFだね」

「サイエンスフィクションですか、なるほど」


レイは暴走族の乗っているであろう猪の強さについて質問してみた。


「あれは猪じゃなくて鉄の馬だよ」

「ああなるほど、鎧をつけた馬ですか、それならば猫族も吹っ飛ばされますね」


おじいさんは『話が難しかったかな』と思ったがもう印刷したからしょうがないと思って無視して他の話をした。


「ところで、リー、という名前と、ぐるぐる、ならどっちがかわいいかな?」


「え?」


二人はちょっと考えて答えた。


「そりゃ、ぐるぐる、だと思うな。

かわいいし。

でも男ならリーかな、強そうだもん」


「そうか、やっぱりそうか。

ところで、お二人はお城からきたのかな?」


二人が、はい、と言うと。


「新しいヒーラーがこられたらしいね、どこかで診療してないのかね?」

「あー、あの美しいヒーラーは診療してませんね。

でも神殿に行けば誰かが無料でやってくれますよ」


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