集金
「今日の夕方、隣の住人さんが誰かと言い争う声が聞こえまして、何かと思えば某日本放送協会の方と熱い論争を繰り広げてらっしゃったわけです」
<某つける意味あるのか>
「ケータイのワンセグテレビは放送法が定めるところの『受信設備』に入るかどうかでもめてましたね」
<ああ、設備があったら払わなきゃいけないんだっけ。でもさすがに携帯電話のちっちゃい画面でテレビは見ないよね>
「お隣さん側の言い分はそんな感じでしたね。対して集金屋さんは決まりなので払ってください一辺倒でした」
<集金する人も大変だ>
「これだけネットワークの発達した社会で、どうしてまだ訪ね回って集金してるんですかね? 時代錯誤な感じが否めません。もっと効率のいい集め方絶対ありますよ」
<例えば?>
「協会の番組を見るときだけお金の振り込みが必要になるとか。受信料ならぬ視聴料方式」
<誰も見なくなる>
「災害があったときはきっと見ます」
<被災して困ってるときにテレビ付けたら『視聴料を支払ってください』とか出てくるの? 画面殴るよ?>
「地獄の沙汰も金次第です」
<商業主義の鑑だな>
「うーん、もう視聴者からお金を取るって方法自体見直さないといけませんね。だいたい公共放送なのに税金で賄わないのがいけないんですよ」
<受信料って形だから今もある程度のクオリティを維持できてるんじゃない? 企業努力というかなんというか>
「なんにせよ見直しは必要ですよ。受信設備があればっていう法律も半世紀以上前のものですし、現代の電子機器事情に見合いません」
<まさか昔の人はテレビ以外にテレビが見られる機器が登場するとは思ってもみなかっただろうしね>
「確かカーナビでも請求されるんですよね」
<車の運転中にテレビなんて見ないのにな。サイドブレーキ引かないと映らないタイプもあるし>
「うーん、どうしても受信設備にこだわるなら、受信してる人からじゃなくて受信設備を付けて販売してるメーカーに料金請求すればいいんじゃないですかね?」
<無理だと思う。それやったらたぶんどこのメーカーもテレビ付けなくなるから>
「ん……? ああ! 恐ろしいことに気づいてしまいました! どうしてケータイやカーナビにテレビが標準装備されているのか。なぜ受信設備を販売する側からお金を取ろうとしないのか。ここから導かれる答えは一つです。放送協会と電器業界は裏で」
<消されるぞお前>




