表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1501/2024

小便小娘

 山道の途中、一本松が生えている見晴らしのいい場所までやってきて、ようやく河童は足を止めた。




「ここまでくりゃあ、まぁ大丈夫だろ。あああああ、ガキとはいえ人一人抱えて山道登るのは腰にくるなぁ」


「そ、そろそろ下ろしてもらって大丈夫です。立てますから」


「まぁ別に嬢ちゃんだったらこのまま抱いててやっても構わんが」


「下ろしてください。もういろいろと恥ずかしいので」


「ひゃっひゃ。確かに顔真っ赤だな。さっきの河童さんはヒーローみたいでカッコ良かったか?」


「ヒーローだったらもっと……颯爽と現れて悪党をバッサバッサとなぎ倒してほしかったです」


「助けてもらっといてそれかよ。おれ一人であんな大人数さばけるかっての。いかな河童神拳の力をもってしても、ておい、泣いてんのか?」


「……怖かったんですよぉ。あんな風に声かけられたの、初めてで……」


「迂闊だったなぁ。つーかなんであんなとこでそんなヘイボーイカモンベイベな格好してたんだよ、お前は」


「……リーダーに浴衣を貸してて……」


「あー、だいたい察したわ。アホか。もし河童さんがタバコの匂いに引かれてシケモク拾いにやって来なかったら、今頃フランクフルト食べ放題だぞ」


「はい……?」


「まぁ嬢ちゃんが優しいのはわかるが、人助けってのは後先考えてからするもんだ。たとえ友達だろうが、家族だろうが」


「そんな打算的な人助け、私は嫌です」


「お前がそれならいいが、今回みたいになっても文句言えねぇからな。嬢ちゃんみたいな優しさ発揮して、知り合いの借金の保証人になって身を滅ぼしたやつもいる」


「…………」


「あと、いつまでそのカッコでいる気だよ。さすがに河童さん目のやり場に困るわ」


「す、好きでこうしてるわけじゃありません。早くリーダーと合流しないと」


「嬢ちゃんはケータイ電話なんて……当然持ってねぇよな」


「子供が持てるものじゃないですよ。他の二人も持ってませんし」


「その手に持ってる服は着れんのか?」


「これはリーダーのなので、サイズが合いません。無理に着たら伸びちゃいます」


「んなこと言ってる場合じゃねぇだろ。なんでもいいからあるもの着ろや。それとも河童さんのビニール腰巻き貸すか?」


「……その汚いボロ切れじゃ、人前に出られないことには変わりないです」


「汚い言うな。少なくともいまの嬢ちゃんが履いてるパンツより衛生的だっつーの」


「あ、花火! 花火打ち上がってますよ河童さん!」


「そういや小便小僧はいるのになんで小便小娘はいねぇんだろーな」


「はーなーびー!」





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ