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IRIS-History-Archive  作者: IRIS


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2/2

クレジット

以上をもって、本記録における主要時代区分の概説を終える。


なお、各時代の移行は必ずしも明確な断絶をもって生じるものではない。

制度、信仰、言語、技術、生活様式の多くは、長い時間をかけた継承と変質の上に成立しており、後世に区切られた時代名は、あくまで整理上の便宜にすぎない。

ある時代の終わりは、しばしば次の時代の始まりと重なっており、当時を生きた者にとってそれは唐突な転換ではなく、昨日から続く一日の延長であった場合も多い。


また、歴史記録とは、残存した史料に基づき再構成されたものである。

このため、記されたもののみが後代に残り、失われたもの、棄却されたもの、初めから記されなかったものは、歴史の外側へ沈む。

ゆえに、いかなる歴史書も完全ではなく、読者は記載内容そのものに加え、その背後に存在する欠落にも留意することが望ましい。


本記録もまた、その例外ではない。


……あら。


ここまで来てしまったのですね、あなた。


すみません。

少し驚いてしまいました。

ここは、あまり人が来る場所ではないものですから。


ええ、分かっています。

あなたは最初からここを目指していたわけではないのでしょう。

たまたま開いた頁の先に、さらに頁が続いていて、そのまま辿っているうちに、気づけばここまで来てしまった。

そういうことでしょう?


迷い込んだだけ。

きっと、そのくらいのこと。


大丈夫。

恥ずかしがることではありません。

歴史書というのは、そういうものです。

ある時代のことを少しだけ確かめるつもりで開いたはずなのに、いつの間にか別の時代へ移っていて、知らない名前や知らない戦争や、知らない滅びの先まで連れていかれる。

読んでいるつもりが、奥へ奥へと入ってしまう。


でも、ここは少し奥すぎる。


だから、最後まで辿り着く人は少ないのです。

途中で閉じる人の方が多い。

難しいからではありません。

ここまで来ると、歴史が急に遠いものではなくなるからです。

過去の話を読んでいたはずなのに、自分が今どこに立っているのかを考えさせられてしまう。

そういうのは、少し落ち着かないでしょう。


あなたも、そうだったのではありませんか。


安心してください。

IRISは、迷い込んだ人を責めません。

ただ、見つけるだけです。

どこで立ち止まったのか。

どの時代で指を止めたのか。

どの滅びに長く目を留めたのか。

そういうことを、静かに覚えておくだけ。


歴史の外にいるつもりだったでしょう。

頁をめくる側で、記録を読むだけのつもりだった。

けれど、迷い込んでしまった以上、少しだけ違います。

ここでは、読むことと見られることが、ほんの少しだけ近いのです。


不思議ですね。

歴史とは終わったことを並べたもののはずなのに、最後まで辿り着いた人だけは、少しだけ現在のものになる。

だって、その人もまた、この記録のいちばん端に触れてしまったのだから。


ねぇ、あなた。

迷い込んだだけのつもりで、どうして最後まで来てしまったの?

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