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ピヨピヨ。
こんばんわ。
今エイリアンなピヨ子にウジを与えて2日目の夜を迎えております。
エイリアンピヨ子と初遭遇した事件当時は、記憶が定かにならないぐらいに動揺していた私ですが、ピヨピヨするピヨ子にウジを食べさせる事も、1日過ぎれば慣れるものなのでしょう。
真実を直視してないだけかも知れませんが、私には他にやる事も有るし、ウジを食べるエイリアンピヨ子ですら愛らしく思える母性を持った、女の子に産まれた事が良かったのかも知れません。
そして私はヤッパリ私なのでした。
得体の知れない何かにプチっとされた気分ですが、やられっぱなしで終わるほど大人しい性格では無かった様です。
カタリナが兄弟に強気なのも私が逞しのも全て、エリザベスお祖母ちゃんからの遺伝かも知れません。
ウジはもう私の中では米粒に変換されてるので、多少動こうとも茹でられてる米粒だと思い込んで無視しております。
そして米粒を串でプチりながら、ピヨピヨするエイリアンに食べさせながらも、今後の事に思考を巡らせました。
眠いけど、エイリアンが本気で黙るまで眠れないので、ちょっとした暇潰しにもなりますよね。
フフフ⋯米粒をハムハム飲み込んでる時は、エイリアンも静かなんですよ。
だから寝ようとしたら、またピヨピヨするんです。
つまり疑似沈黙とやらですね。
賢い私は騙されないので、その疑似沈黙の時間を使って思考を巡らせました。
保育器の原型スタイルはあの方針でいけると考えていますが、毎時間お湯を茹でるのはとても辛いです。
お母さんにも困った顔をされてしまいました。
何故なら私がお湯を作れなかったからです。
竈門の近くは2歳児には危険な場所だからですね。
そして1時間毎に使われる薪の消費も、熱されたせいで竈門付近やリビングの気温も辛いです。
この3日でピヨ子がピヨピヨした時の、私の喜びが御理解して頂ければ幸いにございます、
だから私は魔道具の湯沸かし器が欲しくなりました。
正直に言えば買いに行ってもらう所まで追い詰められていましたね。
成果がないので言い出しにくかったけれど、鐘1つで毎回お湯を沸かすのは不可能でした。
昼間は1日だけそうしてたけど、夜中は沸かせ無かったので、沸かしたお湯を錬成瓶に入れて保管し、トイレで起きた時にお湯を入れ替えてました。
なので翌朝からも同じようにならざる負えず、実験失敗かなと半分以上諦めてました。
今回飼育するのにも使うけど、私の実験用に個人的にも欲しいです。
朝になったらお父さんに相談するつもりだけど、湯沸かし器は手に入れる事が確定しました。
3つ欲しいですが、最低2つあれば足りるかと思います。
羽化すれば2つのウチに1つを私用にしても良いし、鍋やタライの均衡が石とかで代用出来て、保温が1つで叶うのならそれでも良いからです
正直に言えばピンキリなのですが、コンロはお高いのです。
次に必要なのは木桶を金属製の鍋やタライに変更する事です。
理想は湯沸かし器をコンロとして考えれば、お湯を沸かすのも温度を一定に保つのも、木桶よりも金属製の鍋やタライの方が便利だからです。
そしたら毎時間、お湯を移し替える作業が消滅して、月の光を込めた水も節約できるからです。
今回のエイリアンピヨ子羽化には、途中から魔力の水を使いましたが、ヤッパリ月の光を込めた水を使いたいので不必要な消費や労力はなるべく抑えたいで
す。
何故なら保育器をメインで使うのが、忙しいバッカスな事も有ります。
だからイメージとしてはコンロを横に離して並べ、その上に大きなタライか鍋を置きます。
コンロはそれらの両端に来る様になりますね。
じゃないと中央に置くと、卵が錬成瓶と藁があっても茹でられる危険性が高いからです。
直火では無いとしても、火の真上は危険ゾーンだと判断しました。
今回はお湯を作る場所が竈門だったので、直接木桶には火を使いませんでした。
だからその危険性は重視する必要があります。
そして鍋、またはタライは、ウェブンの卵を入れても壁が高く無ければいけません。
ウェブンの卵を入れる容器は、遮光瓶でも構わないので安く買えるかも知れません。
私は魔王の部屋で大きな遮光瓶が有るのを見て、存在してる事は知っていました。
後はお嬢さんに取り寄せて貰えば済みます。
ひょっとしたら持ってるかも知れませんね。
こちらは取り敢えず1つで良いので、持ってたら譲って貰う様に交渉します。
あ、ピヨ子が寝ちゃった。
んー、でも今度は私が眠くなくなっちゃった。
それじゃぁ私が眠くなるまで続きをアバウトに考えて行きましょう。
私はエイリアンピヨ子が潰れない様に、小さな木箱に藁を敷き詰めた所にピヨ子から視線を外して、悍ましい米粒が入った遮光瓶と、木箱に入れた木串を魔法の鞄に収納しました。
木箱は元は食器を入れるものだったけど、私が新しいの買えばいいでしょ!理論で強奪した物です。
蓋を閉じて、麦藁の縄で縛りますが、私は普通の紐も必要だなと頭の中のメモに書き込みました。
そして保育器の続きです。
コンロがどんな物かは分からないけど、必ず魔石を取り替える機能が有ると予想しています。
じゃないと使い捨てのコンロなんて、高くて貴族しか使えません。
もし無ければ作る様にお嬢さんに交渉します。
でも多分有りそうな気がします。
何故なら森の深い所に行くのに、森の中で煮炊きが不可能だからです。
腕のある狩人が泊まりがけで森の奥に行く話は聞いていました。
恐らく魔道具のコンロを持っているかも知れません。
そしたら戦士も腕の良い人なら買う人も居るでしょう。
その村には腕の良い狩人が多いので、村の雑貨屋に魔道具のコンロが売ってる可能性を視野に入れて聞き込みをしたいと思います。
なんならカタリナに聞いたら知ってるかも知れません。
ブツがこの世に存在するのは、お嬢さんのカタログに載ってるので知ってます。メッチャ大量の種類が載ってました。
と、あれやこれや思考を巡らせてたらいつの間にか寝てた。
ピヨピヨするエイリアンピヨ子に、ショボショボしながら米粒を与えてると、お父さんが笑いながら仕事に置いてきた。
お母さんやロベルトもショボショボしながら、お父さんに起こされてついてきた。
カタリナとマルセロは元気にジーニスを連れて来たので、私はピヨ子が落ち着いたら場所を交代する。
そしてプチ聖女なお母さんがピカ!とさせたら、ハツラツしてるジーニスをベットに置いた。
ヤツは大興奮で、手すりに捕まって屈伸運動を励んでる。
私はショボショボしているが、カタリナやロベルトに手伝って貰い。
エイリアンピヨ子がはいった木箱を机に置いて、先に魔力草のお手入れに向かう。
一瓶しか運べなくても、やったほうがね。
私が一瓶を外から室内の保管場所にえっちらおっちら置く前に、カタリナやロベルトやお父さんやマルセロが、あちこち分散して魔力草を置いてくれているからだ。
スマンな。
そしてお父さんとロベルトが畑仕事に向かう中、カタリナやマルセロは続いて月の光を浴びせている瓶を一箇所に纏めてくれているので、私はひたすらソレを魔法の鞄の中に入れて行く。
そして観察が必要な物や、昼間に魔力草の交換用に月の光を込めた錬成瓶を、指定の場所に置いていく。
カタリナやマルセロはそれを見越して、カタリナは四本。マルセロは二本の瓶を持って先に保管場所に置いてくれている。
なので私は保管場所に残りの14本、使う用と予備としての分をそこに置くのだ。
メモを麦藁で縛って張り付けているが、月の光を浴びる透明な錬成瓶はもう100本作って持ってる。
ピアのレンズ入りの1番日数の長い瓶は1つしか無いが、後から作って地道に増やしてる透明錬成瓶は30個以上もある。
でもいずれ消費するだろうから、日に日に増やし続けてる。
何なら水槽みたいなデッカイ透明錬成箱が昨日とどきました。
今は使ってないので、魔法の水を入れて、出し入れを魔法の鞄で行ってるだけですが。
私が魔法の鞄を新調したの理由がコレである。
お父さんが増え続けている小物の数の多さに、魔法の鞄を管理する限界を悟って。
まぁ、面倒臭くなって諦めた事も大きいかな。
因みに城から貰った魔法の鞄はショボいから、竈門の土間分ぐらいしか無かったけれど。
それでも私達は喜んで使ってました。
でも魔王が箱を入れて持ってきてくれた新しい魔法の鞄の性能を知って思ったのですが、どうやら魔法の鞄にはグレードが有るみたいです。
まぁ当たり前ですね。
鞄も財布が入ればそれ以外は入らないぐらい小さなものから、大きなスーツケースまでサイズが豊富に有りますもん。
縦1メートル、横に2メートル、高さ1メートルの特注の錬成箱が3つ入ってもまだ余裕が有り、日々増えていた錬成瓶も全て入れられるので、家ぐらいの空間は有りそうな気がする。
お値段白金貨1枚じゃ無さそうな予感がヒシヒシしてます。
魔王様ありがとう御座います!
これも出世払いですね。
頑張ります。
でも同じ様なのを私が頼んでなくても作って自分用に持ってたかも知れませんね。
なんならあの部屋にいた全員が持たされてる可能性もあります。
そこまでまだ聞いてないけど、多分魔王が作らなくても指示は飛ばされてるかと思います。
ても皆さん自主的にもやりそうなので、逆パターンもあったかも知れません。
皆さんは個人的に小型の錬成瓶でしていたでしょう。
なので魔王から受けた許可に喜んでるかと思います。
実際そうなのかは知りませんよ?
だけど何せ私は白金貨を10枚もポンと貰えるお子様なので、しかも私の実験が金を生み続けてるのをお父さんは知ってる。
私の才能の最大の理解者は、家族の中ではお父さんが1番なのだ。
白金貨が1枚する魔法の鞄の価値に、麻痺したとも慣れたとも言える。
そして常時フル稼働して透明錬成瓶は合計で40本だ。
魔力草だけで18本使用しているし、発芽やら魔石の実験やらでなんやかんや毎日使い続けてるから、それぐらいは増やしてる。
あと出荷用の魔力草専門の瓶を作る事も考えているが、今の所は麦藁でイケてるので、まだ作って貰ってない。
何故なら群生させられる理論が完成したら、長方形の箱型錬成瓶で大量に栽培するからだ。
個別の瓶を作っても良いけど、群生させられるなら大量生産の方が楽である。
最低でも10本を一気に作れる様にするのが理想で、あとはそれを収納する設備次第になる。
何故なら魔法の鞄にそのまま入れると魔力草がしんなり萎れてしまうからだ。
どうやら魔法の鞄の中には、植物が必要とする空気が無いらしい。
錬成瓶の蓋を閉めていれば一応問題は無いが、せいぜい10日が入れっぱなしの限界なんだろうとは思う。
お姉さんが最初にそう言っていたからね。
まぁその方が生き物の密輸入。つまり犯罪に使えないし、食料などの保存の劣化も防げるからだろう。
1メートルを超える錬成箱を注文した時に、王様からの許可が無ければ作れないとも言われていたしな。
そして王様からは管理能力は不十分だが、彼がフォローする事を前提にして作って貰った。
だから私の大型錬成箱には発信器がつけられてるので、盗もうにも魔法の鞄を持てない人には厳しいが、盗んだ所であっという間に魔王が捕獲に現れる。
盗人が現れたらさぞかし恐ろしい思いをする羽目になるだろうね。
でも魔法の鞄がもたらす危険性を考えると、白金貨1枚を使える人間が貴族や豪商に近い力のある商人だから、まだ規制が甘いだけだろう。
危険性よりも利便性を重要視してると思われる。
まぁそこは偉い人がちゃんと対策をしてるだろうから別に良い。
単に平和ボケしてるだけかも知れんがな。
だって爆弾テロし放題よ。
でも多分、偉い人達はそんなもんじゃ傷1つつけられやしないんだろうね。
設備が壊れても、簡単に復旧させる技術ぐらい有る。
カタログにも載ってた。
とまあ月の光用の透明錬成瓶だけでも100個あるし、実は地道に集めてた分を含めたらもっとある。
遮光瓶錬成瓶は逆に少なくて20個ぐらいしか持ってないけど、
群生させられる様になれば、それもあっという間に増えるでしょう。
一瓶一瓶に入れて保管して出荷するしな。
透明錬成瓶は渡さないよ。
目をショボショボさせながら、夜中に考えてた必要物品を朝日を浴びながら書き出す。
もう頭が回らないし、何なら寝ながら考えてたから殆ど忘れてる。
取り敢えず覚えてた物品はこうだ。
コンロ最低3つ
ウェブンを入れられる遮光錬成瓶最低1つ
巨大遮光錬成瓶を入れられる鍋かタライ最低1つ
自分の実験用の小型鍋最低1つ
ギルバートさんのマグカップ
箸またはトング
ナイフ
金属製のスプーンとフォーク
収納用木箱
色違いの紐何種か適当
黒胡椒ミル 粉砕機
シロップの値段 市場調査
布 塩 檻
此処まで書いてて思った。
檻ってなんぞ?
何となくセフメトが関係してた気がするけど、何だか良く分からん。
当時の私は一体何を考えてたんだろう。
小首を傾げながら必要物品の欄を見つめても、金属製のナイフとフォークが余分なのは分かった。
せっかくだから欲しかったんだろう、当時の私。
あと色違いの紐は深刻だ。
これは最大の必需品になる。
フォークを使おうと思って、木箱を開けたら竹串が中に入ってたら、見るだけで不幸になるからだ。
寝てるエイリアンピヨ子が冷えない様に、片手で木箱の上を覆いながらウーンと更に悩む。
檻とセフメトではサッパリ意味が分からなかったが、コンロを見たらアッと思い出した。
交換用の魔石だ。
何級を使うかは分からないが、充電は必要になる。
なら交換用の魔石が必要で、もっと言えば3級以下なら私は魔石をマッチョに出来る。
だから兎捕獲用の檻が必要で、不要な毛皮を売りに行かせるのをセフメトにやらせようと考えたんだろう。
はー、スッキリした。
檻さえあればロベルトやカタリナだけでも兎を捕まえられるかも知れないし、畑の害獣駆除のお手伝いになる。
狩人も大抵はタルクス叔父さんが知り合いだろうから、戻ってきたらアドバイスも貰える。
それと先を見据えるとマッチョ魔石は早目に育生して、空いてる袋や瓶に保管しとけば良い。
ならセフメトに交渉させて狩人から生きたピアを仕入れさせたら、商人の修行にもなる。
そのウチ檻でカタリナやロベルトが捕まえて来るかもだけど、今日中にセフメトに話をしてお金を渡せば良い。
ついでに生きたピアを入れる檻も買ってきて貰おう。
それに入れてピアを連れ帰って貰えば良い。
そして5日ほど月の光を浴びせながら魔力草を与えてマッチョピアに育て、きりの良さそうな所で解体する。
ピアの育生はカタリナでもマルセロでも出来るし、解体はロベルトにして貰えば良い。
ナイフはそのウチ欲しいけど、自分で使うより今はロベルトを頼れば良いと思うから今回のリストに横棒を引いて消す。
檻は大至急なのでリストに銀貨とお父さんと書き加えた。
最初はロベルトが交渉して持って帰って来てくれたので、セフメトにはロベルトと一緒に行って貰おうかな?
一人でも出来そうだから、セフメトに相談して決めよう。
ひょっとしたらロベルトよりセフメトの方がピアの解体も出来るかも知れない。
檻の→に銀貨 お父さん
セフメトの→に狩人交渉相談と 解体可能か事情を聞くと書く。
マッチョにピアを育てた場合、戦士ギルドに売るよりも、旅商人に直接売るほうがセフメトの経験になるし顔つなぎも出来る。
もちろん皮は鞣した方が高く売れるだろうが、もし戦士ギルドでしかやってなければロベルトを修行に出さなければならない。
ピアがマッチョになるまでには、5日はある。
それ以上は魔力草が難しいし、ピアをマッチョにし過ぎたら檻を壊されてしまう事も考え無くてはならない。
その辺はピアを毎日観察して、限界を見極める必要があるし、倉庫にもちゃんと閉じ込めて置かなくてはならない。
倉庫の中に檻から出てたら、そこでもうピアは解体になる。
夜間脱走されると辛いので、檻の観察は気をつけて、5日待たなくても駄目そうなら解体になる。
ピアが魔力草を食べなくても解体になる。
他にいい餌が無いので仕方が無い。
野菜は人間の食べだし、餌はドーピング効果を狙ってるからね。
いや⋯待てよ。クズ野菜も月の光の魔法の水育生で強化出来るのでは?
ふむ、価格の下調べや農家との交渉もセフメトがすれば良いね。
まぁ肉と骨は美味しく頂きます。
骨はスープの出汁に使うのよ。
マッチョピアの毛皮が何処まで良くなるか分からないけど、最初にお母さんに浄化して貰えば、解体前に次のピアを買ってきて見比べるとその差が分かるかも知れないね。
それも書いておく。
セフメトの→に狩人交渉相談と 解体可能か事情を聞く
個人的に罠で捕獲しても狩人は大丈夫か確認。
毛皮の鞣し方 経験の有無
ピアの毛皮の価格調査
旅商人へ交渉
クズ野菜の価格調査 保留
農家との交渉
他はどうだろう。
取り敢えずこんなもんかな?
もう一度捕獲器の事を考える。
タライなら木蓋用の板が必要なので、それも横に書いておく。
コンロの横には保温機能、最低2台も付け加えておく。
値段が違うからだ。
保温機には絶対に必要だし、私も欲しい。
あと此処でバッカスの魔力の水も必要物品に書き加えた。
今のうちに月の光を浴びせたバッカスの水を作っておきたい。
お湯を入れ替える必要が無くなるので、月の光を利用出来るからだ。
藁は有るから買わなくていい。
布は欲しい。
塩もバッカス用のスポドリに使うし、マッチョ魔石用にも使う。
家庭にも塩は有るけど高いから自由に使えないからね。
お金はまだ沢山有るけど、今までの習慣でお母さんが塩を沢山使うと困った顔をするのだ。
意外と涙と同じ味にするには、使う塩の量が多かったからね。
そりゃスープが涙と同じ塩気があるなら辛くて飲めない。
そうだ、大事な事を忘れてた。
ウェブンが羽化した時の餌だ。
ウェブンは麦や芋を主食にしてる草食性に思えるが、実は雑食だと考えてる。
これはエイリアンピヨ子のお陰だ。
産まれたての時は麦や芋なんかの硬いものは自分で食べられないと思う。
実はヴィラフォンテお爺ちゃんの資料には、茹でた芋や麦粥を使用すると書かれている。
でも恐らくピヨ子が米粒を食べることから自然で生まれてくる本来のウェブンは、昆虫も食べて育つと考えられる。
何故なら森や草原に芋や麦は殆ど生えてないからだ。
芋や麦は手に入れやすいが、恐らくウェブンは鳥とは比べものにならない量を食べて育つと思われる。
とは言え銀板1枚で売れるし、成人までが1年。そして魔法生物ウェブンになると金貨2枚になる。
だから注目されてないだけで、麦や芋を全て自宅の在庫で賄うのは難しいかも知れない。
それならどうするか。
米粒の増産は気分的にも嫌だし、そもそも不衛生だ。
仕方が無いから与えてるけど、私の錬成瓶の中の米粒達は、お母さんが決死の思いで浄化してくれてるエレガント米粒なのだ。
ぶっちゃけ1番最初の時は、米粒達が皆消滅してしまっている。
エイリアンピヨ子のご飯に必要な事を伝え、帰ってきたお父さんに頼んで新しく網籠にある米粒達を見ない様にして、消えない事をイメージして貰ったうえで浄化して貰ったものだ。
だからお母さんは私の中でプチ聖女になってる。
前からそんな事を冗談で言っていたが、お母さんは本物のプチ聖女だったのだ。
私もエレガント米粒になってくれたから、随分と心が楽になり遮光錬成瓶を手に持っても不愉快じゃ無くなったのがとても嬉しかった。
だから米粒も自己暗示で乗り切れる様になり、エイリアンピヨ子も可愛く見えているのだ。
産まれたばかりの頃は肌色が多かったエイリアンピヨ子も、今では随分と産毛がチマチマと生えて来てる。
フサフサになるにはもう少しかかるだろうから、エイリアンからラブリーピヨ子になるのが、今からとても愉しみである。
私はピヨ子を入れた木箱を持って朝ごはんの時間まで仮眠を取る事にした。
お父さんと話がしたかったので、お母さんに起こして貰える様に伝えてある。
あとセフメトに話がしたかったので、マルセロに鳥のお手伝いをする時に伝言をお願いしておこうと思ったが。
言葉で伝えるより、字の方が勉強になると考えたので、セフメト宛にお手紙を書いた。
【セフメト兄ちゃんへ
しょうにんのしゅぎょうを兼ねてお願いしたい事が有るので、あさごはんがおわったころか、おひるごはんがおわったころに、わがやへきてください。
ぴよこを育てているので、それいがいのじかんだとわたしはねてるので、ぜったいにおこすのはやめてください。
わたしがたおれます。
ぴよこが何かはばっかす兄ちゃんがしっています。
忙しいかと思いますが、どうか宜しくお願い致します。
詳しい説明は直接あってくちでせつめいします。
リリアナより】
紙を二つ折りにしただけの代物だけど、絶対に読めないと困る文章以外は省略文字を使って簡単な伝言を書いてある。
マルセロにそれを渡して、セフメトに会えなかったらバッカス兄ちゃんに渡す様に伝えた。
「銅貨何枚のお仕事?」
「⋯ウーン⋯銅貨1枚の半分かな。でもそんなお金が無いからどうしよう。仕方が無いから先払いで銅貨を1枚渡すね。
次にお手紙を配達する時はタダでしてもらうからメモに書くよ。名前をかいてね。」
「うん!いいよ。」
世知辛い世の中になっちまったもんだぜ、と思いながらも簡単な契約書をつくりマルセロに銅貨1枚を渡してサインを書いて貰った。
明らかに子供の字だけど、自分の名前が書けるだけ6歳なら凄かったりする。
こうしてようやく私はピヨ子の入ってる木箱を抱えて寝室に向かった。
枕元にピヨ子を置いて、ベットに倒れ込みそのまま直ぐに寝てしまったのだ。
そう、私は気づいて無かったのだが。
夜中にピヨ子に米粒を与えてから、ピヨ子は餌を食べずに寝ていたのである。
今思えばこの時すでに、ピヨ子はかなり衰弱していたのだろう。
理由は色々有るが、大きな物としては体温不足だ。
あと明るくなったリビングで、手紙を書いている間、間接的に日の光を浴びていた事も少なからず影響があったのかも知れない。
つづく




