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異世界の聖女は何をする?  作者: 笛伊豆
第二十九章 聖女、旅立つ

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368.何でも食べるから気にしないで

 少し走ると街道らしい大きな道に出たのでスピードが上がった。

 周りに車が多い。

「レイナ様の希望はありますか?」

 レイリーが聞いてきた。

「ハンバーガーとかピザのテイクアウトの店がありますが」

「うーん。

 あまり美味しくなさそう」

 これまでの経験から言うと、安い飯は不味い。

 組織の施設で美味しいご飯に慣れてしまったところにそんなもんを食べるのはちょっと。

「他にはないの?」

英国(こっち)の伝統料理と言ったらフィッシュ&チップスですが。

 あとヘルシー傾向ならポリッシュにトーストとか」

 魚と芋か。

 あれは重いのよね。

「ヘルシーで」

「了解です」

 レスリーがスマホをアルバートに渡す。

 チラ観したアルバートが頷いてそれきり運転に集中した。

 プロだ。

 しばらく走ると小さな街に着いたが、アルバートはそのまま車を走らせて広場に停めた。

「レスリー」

「はい。

 3人分ですね」

 やっぱりレスリーは走り使いか。

 侍女だかメイドだか知らないけど確かに使い勝手がいいなあ。

 いやレスリーは友達なんだけど(汗)。

 レスリーは5分ほどで両手に大きな紙袋を下げて戻って来た。

 乗り込むとアルバートはすぐに車を発進させる。

 別に注意を引いていたような気配はなかったけど。

「用心に越したことはないからな」

 ひょっとしたらアルバートってただの軍人、いや海兵隊員じゃなくて工作員とか諜報員(スパイ)とかだったのでは。

 そういえば007も海軍の軍人だったっけ。

「レイナ様。

 これを」

 レスリーがストローがついた紙コップを差し出してきた。

 ハンバーガー店とかで出てくる奴だ。

 受け取って飲んでみたら暖かい紅茶だった。

 気が利くなあ。

「ありがとう」

「それからこれです。

 ヘルシーはブームみたいでメニューが色々あって迷いました。

 お口に合えばいいんですが」

「何でも食べるから気にしないで」

 ミルガンテ飯に比べたら駄菓子でもご馳走だ。

 発泡スチロールの箱を開けると色々入っていた。

 確かにヘルシーそう。

「スモークサーモンにアボカド、炒り卵とシードミックスだと思います。

 あとはトーストですね」

「十分」

 実を言えばお菓子を食べたせいでお腹は減っていないのだが、レイナの場合食べようと思えば無限に食べ続けられる。

 しかも美味しそうだ。

「アルバートさんもどうぞ」

「ご苦労」

 アルバートが受取ながら皮肉げに言った。

 だってしょうがないでしょう。

 レスリーは(レイナ)の侍女(違)なんだし。

 見ているとアルバートは運転しながら器用に食べている。

 それって違法なのでは。

「こういう時のためのスモークガラスだ。

 お嬢のお供はいつ食事出来るか判らないからな。

 機会があれば逃さない」

「そんなことないでしょう」

「いや。

 もうレストランとかで喰うことは諦めた方がいいぞ。

 盗撮でもされたら一発だ」

 そこまでか。

 すると私はずっとテイクアウト暮らしということで。

 まあいいか。

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