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花火大会

 転移した先は、城の中の何処かの塔の上だった。花火大会は既に始まっており、綺麗な花火が打ち上がっている。


 塔の上から城下町を見下ろすと、街中に色とりどりの提灯みたいな明かりがついているのが見えて美しかった。


「‥‥‥すごい」


「‥‥‥そうだな」


 ヒュ──────ドォン


「‥‥‥きれい」


「スザンヌ‥‥‥。君には、俺がどう見えてるんだ?」


 大きい花火や小さい花火が連続で打ち上がりはじめると、ステファン様は私に聞いてきた。


「どうって‥‥‥」


 ステファン様は私の手を取ると、私をみつめ自分の頬に私の手を当てていた。


「そんなに、格好よく見えるのか?」


「さっきの話、聞いて‥‥‥」


「どうなんだ? 俺は、やろうと思えばスザンヌの心は見えるんだ。ただ、本人の口から聞きたい。そしたら俺は‥‥‥。諦められるから」


「‥‥‥」


「俺のことは嫌いか?」


「私は‥‥‥」


「私は?」


 私は顔が熱くなるのを感じながら叫んでいた。


「ステファン様のことが@&?です」


 ヒュ──────ドォン


「えっ? 何だって? ごめん聞こえなかった」


 肝心な時に、肝心な部分が花火の音と重なってしまった。


「だからっ、私はステファン様の事が前から@&?だったんですっ‥‥‥」


 今度こそは聞こえたハズだと思って顔を上げれば、そこには眉尻を下げたステファン様が立っていた。


「ごめん、スザンヌ‥‥‥耳が、キィィンってしちゃって‥‥‥」


(こんな時に、アニメみたいな展開いらないんだけどっ‥‥‥)


 私は泣きそうになりながら、力の限りもう一度叫んだ。


「だから!! 私は、ステファン様が大好きです!!」


 言った瞬間、ステファン様にそっと抱きしめられた。


「俺も大好きだよ、スザンヌ」


 私達2人は見つめ合うと、触れ合う様にキスをして、お互いの存在を確かめ合うように抱きしめ合ったのだった。





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