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三次創作

「もともとあるアニメや物語を元ネタにして、派生作品を作ることよ」


「ハセイ作品?」


「ええと‥‥‥。あなたが何才で転生したのか分からないけど、映画やアニメを観たことはある?」


「‥‥‥ええ」


「内容によっては、中途半端に終わって物語の先が気になったりしたことはない? 婚約してハッピーエンドだけど、結婚しないまま終わるストーリーとか‥‥‥」


「‥‥‥あるわ!!」


 私は前世で好きだった小説を思い出していた。異世界転生のストーリーだったが、主人公が婚約したところで終わってしまい、その先が気になって、しょうがなかったのだ。あの続きがあるならば、違う人が書いた作品でも読んでみたいと思う。


「設定そのままで、その先のストーリーを創ったのが『二次創作』って言われてるの‥‥‥。私は前世で35歳まで生きたから、色々分からないことがあったら聞いてね。トータルで言ったら40歳だし。まあ、前世では深夜アニメとBL好きのただのオバサンだったけれど」


「ありがとうございます」


 私は言えなかった。前世で25歳まで生きたからトータルで考えたら43歳になることを‥‥‥。


「私、前世では『青い薔薇と乙女の秘宝』の二次創作を読んでたの‥‥‥。インターネットの小説サイトでだけど、その中の1つに『ストラウド』が出てくる小説があったわ」


「‥‥‥それで?」


「小説だったら、主人公が魔王をやっつけて終わりなんだけど、その作品はストラウドが魔王とスザンヌの仲を取り持って、2人は結婚するのよ。王子はリリアと結婚して‥‥‥。それぞれのキャラクターがハッピー、みたいな?」


「‥‥‥へぇ」


「でも、この世界はそれとも違う‥‥‥。だって、私400年前の人間なのよ? リリアがいない時点でおかしいでしょう? たぶん、この世界は誰かが創った三次創作の世界じゃないかと思うのよ」


「三次創作‥‥‥。ってまさか?!」


「そのまさかよ‥‥‥。二次創作の派生作品」


「そんな‥‥‥。じゃあ、結末は?」


「そんなの‥‥‥。分からないわ。私は結構『青バラ』の二次創作の作品読んだけど、そのどれにも該当しないのよ。見知らぬ作者が書いた三次創作と考えるのが妥当だわ。それに‥‥‥」


「それに?」


「この世界の人達は、()を生きてる‥‥‥。ストーリーと同じって考えてる私達の方が、おかしいのかも‥‥‥。未来は変えられるって、もともとの小説には書いてあったじゃない? 私達が、この世界を変えていくつもりで頑張れば『死亡エンド』は回避出来ると思うわ」


 そういうと聖女リリアは、私に向けて親指をグッと立てた‥‥‥。忘れてた。私、まだまだ命を狙われていたんだっけ。





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